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亡霊の隊列  作者: 霧狼
第1章:『亡霊は鉄の風に舞う』

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― 鋼の牙を折れ ―

「ダメだ、装甲が厚すぎる! パイルバンカーが弾かれたぞ!」


 ロウの叫びと同時に、アスラのメインアームに換装された重機関銃が火を噴き、量産型LCの肩を薄皮一枚で切り裂いた。ロウを囮にニビが放った牽制弾も、アスラの脚部で無慈悲に弾かれる。怪物は重力を無視した滑走で二台を翻弄し続けていた。


「……ロウ、方針を変更する。脚を狙うのは無駄だ。あいつの『足』を止める前に、こちらの『命』が尽きる」


 ニビが盾の裏で、軋む機体を強引に制御しながら低く言った。 「狙いは攻撃力の源――あの忌々しいメインアームと、二本の隠し腕だ。根元から叩き潰す!」


「正気!? 火力の真っ正面に飛び込む気よ!」  キーヨが絶叫に近い声を上げながらも、ブルーチップの演算を一点に集中させる。


「ニビ、合図を……! キーヨ、全エネルギーを前方の電磁シールドに回せ!」


「……今だッ!!」


 ニビの重装型LCが、盾にエネルギーを凝縮し、致命傷を避けながらアスラの弾幕を受け止めた。零距離まで接近した刹那、彼は盾を捨て、剥き出しの両腕でアスラの本体へ組み付いた。


「――イレギュラー、無益な接触。排除を開始――」


 無機質な声とともに、重機関銃と二本の隠し腕が、ニビの機体を細切れにするべく一斉に斉射を開始した。死の弾丸が嵐となってニビの装甲を削り取る。


「今よ、ロウ! メインアームの継ぎ目が露出したわ!!」


「おおおおぉぉぉぉッ!!」


 ニビが身を挺して「肉の壁」となった一瞬の隙。ロウの量産型LCが、ハイ・ダッシュを限界まで空転させ、弾丸となってアスラの懐へ飛び込んだ。狙うはメインアームの「関節」一点のみ。


「まずは一本、その腕をもらうぞッ!!」


 ガギィィィンッ!!


 ゼロ距離で火を噴いたパイルバンカーが、アスラのメインアームを根元から引きちぎった。


「――損傷、検知。敵の排除プロセスを……――」


「させねえよ! 次は隠し腕だッ!!」


 (よし……行ける!)ロウが次の一撃を繰り出そうとしたその刹那、網膜のモニターが予測不能なアラートを叩き出した。


「ロウ、後ろッ! 反対の隠し腕がくるわよ!!」


 キーヨの悲鳴が響くよりも早く、死角からもう一本の隠し腕が牙を剥いた。  ドガガガガッ!!  徹甲弾の群れがロウのLCの背を容赦なく叩き、機体は爆炎を上げながら地面を横滑りした。アスラの猛攻は止まらない。残された二本の隠し腕が、追い打ちをかけるように火薬の嵐を吐き出す。


「ロウ、応答して! 大丈夫なの!?」


 キーヨの悲痛な声が遠のいていく。ニビが片腕で組み付こうとするが、弾幕の壁に阻まれ近づけない。  激しく揺さぶられる視界の中、モニターにノイズ混じりの映像がフラッシュバックした。



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