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異世界行ったら龍姫が俺の嫁!?  作者: じぐざぐ
第弐部 俺の封印
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第91話 俺と師匠

俺と魔女先生は森の中の小道を歩き続ける。

時折龍が上空を横切る。

一通り話終わって気がすんだのだろう魔女先生は俺の前を軽快にピョンピョン進む。

魔女先生の今日の服装は黒っぽい短めのワンピースだ。

つまりピョンピョンするたびパンツが丸見えだ。


……伝説の魔女のシマパンを見せられている俺って……


「なんじゃ? 欲情したか? かかか、その辺の茂みでご休憩してやっても良いのじゃぞ? かかか」

「しませんよ! てかまだ着かないんですか?」

「なんじゃ、もうへばったのかのぅ、やっぱりご休憩するかのぅ~かかかか」

「……余計疲れそうですね」

「かかかか、しかし、ワシのこのツルペタボディに欲情するとはあのオカッパの言う通り、二の丸様はおなごに見境いがないのだのう、かかか、いやしかし、ワシのツルペタに反応するとは目の付け所が良いのやもしれぬ、かかか」



”ワシのツルペタに欲情するとは”をなぜかうれしそうに二回繰り返して言った魔女先生は先ほどの真面目な表情はどこへやら、いつもの調子に戻っていた。

そんな魔女先生と軽口を叩きながら森の小道を体感で大体二、三時間ほど歩いた頃だろうか、前方に少し開けた場所が見えた。


「……水の流れる音がしますね……」

「そろそろ到着じゃな」


やっと森を抜けて広い場所にでた。

川が流れ、その奥に滝も見える。

滝の側に小さな神社があった。

丸太で出来た簡素な橋を渡り、大雑把な造りの鳥居をくぐると上半身裸の男性が俺たちを待っていた。

腰まで伸びた長髪をし、端正な顔立ちのこの男性の持つ雰囲気を俺は良く知っている。


「龍神様……?」


俺が戸惑っている横で魔女先生がひざまづき、男性に挨拶の言葉を述べる。


「初代様、本田イノリ、参上仕りました。初代様に置かれましてはご機嫌麗しく、本日は龍之宮龍一様をお連れしました」


あの魔女先生が思いっきり畏まった口上を述べる。


……『その方の前では失礼のないよう礼を尽くせよ? かかか』


俺は魔女先生の言葉を思い出し、慌ててとにかく同じように隣でひざまづき、頭を下げる。



「うん、ありがとうイノリご苦労だったね。もう下がって良い」

「はっ、労いのお言葉、光栄でございます。下がらせていただきます」


そう言い彼女は後ろへ下がった。

初代様と呼ばれた男性は今度は俺に声をかける。

初代様ってまさか……


「さて、こんにちわ、君が龍一君だね、初めまして。私の前ではそんな畏まらなくていいよ、ホラ立って立って姿を良く見せて」


男性に促されて立ち上がる。

彼は俺を全身を嘗め回すように上から下へ、前も背中もジロジロ観察する。


「なるほど、なるほど~君すごいねぇ~大したもんだよ、良く今まで平気だったなぁ~」


なのことやらさっぱりわからない。


「ふふ戸惑ってるな。まぁ、立ち話もなんだ、付いておいで」


そう言い神社の社の中へと案内された。

中はひんやりしてて気持ちがいい感じがし、心が落ち着いた。

男性は俺にお茶を入れ、進めてくれた。


「さて、と、なにから話そうか……おっと! まず私のことからだね。君の思う疑問に二つ答えよう。まず想像通り私は初代龍帝で、龍人時代の名前が龍零だ。今の龍帝も同じ名なんだろ? 紛らわしいかもしれんが理解よろしく。そして龍神様、とつぶやいたね。さすが三人の龍神様を娶っただけはあるな、それもある意味間違いではないんだよ。今の私は亜神だ。まぁ、神様の見習いみたいな立場だな。ペーペーのペーぐらいの小僧の神様と思ってくれていい」


な、なんと龍帝国を作った、その人じゃないか!

帝国ではとっくの昔に死んでることになっている人だ。

今、俺の目の前に歴史上の人物がいる、俺はごくりをツバを飲むのがやっとで説明されても言葉もでなかった。

なにより彼の持つ存在感に圧倒されていた。


「私もいずれは龍神となるが、さて、千年後か、万年後か、と言ったところだろう」


……なんとも壮大な話だな。もうコレ神話じゃねぇか。


「私の妹もね、同じ様に亜神として存在している」

「じゃ……じゃあ、スイやミライや夜霧や雷電が……!?」

「……うん、君が龍神様と成した子ら皆、私と同じようになるであろう」


もう口の中がカラっカラだった。

……なんと、言って、いいか……


「ああ、ごめん、ごめん、今のは忘れてくれ、こんなことを聞かせるつもりではなかったんだ、ごめんよ、ビックリしたかい?」

「そんなっ! 忘れられるか! 俺の、俺の子がっ! そんな……」


俺は思わず立ち上がり、不敬にも初代様に向かって怒鳴っていた。

もう自分でもこの感情が分からなかった。


え? どうすれば、なんて言えばいいんだ、俺は、あの子たちに、俺は一体……


「落ち着て、龍一くん」


その時フワリと背中から俺の両肩に手を置き、声をかけてくれた存在があった。

だが、それは一瞬でふっと煙のように消えた。


……来てくれたのか……。


「いやぁ、愛されてるねぇ龍一くん、うらやましいよ」


ニヤニヤ笑う初代様の周りに黒い霧が立ち込め始めた。


「おっと、ヤバイヤバイ、私は一時退散するよ」


と言うが早いか、初代様も煙の様に消えて行った。

俺はポツンと一人残されてしまった。

しかし、心は不思議と穏やかに落ち着いていた。


……ありがとう、ヒカリ、クロ。


「落ち着いたかね? 落ち着いたら外に出たまえ」


外から初代様の声がした。

俺はそまつな拝殿からでて初代様のもとに行く。


「初代様、先ほどは申し訳ありません、ちょっと興奮してしまって……初代様は別に悪くないに大声を出してしまって……」


俺は素直に謝罪することにした。

そうだ、別に初代様は悪くない。

ただ事実を述べただけだ。


「うんうん、いやいや私の発言も少し配慮に欠けていたかもしれないね。こちらこそ悪かったね」


お互い謝罪しあってから初代様は真剣な顔つきになった。


「さて、龍之宮龍一、君にはしばらく私の言うことを聞いて過ごしてもらう。そうだな、初代様は堅苦しいので私の事は師匠、とでも呼んでもらおう。否はナシだ。わかったかね?」

「は、はい。わかりました」


俺は初代様の迫力に思わず直立不動の姿勢で応える。

魔女先生にも言ったがどうせまな板の上の鯉だ。

覚悟を決めるしかない、という選択肢しかこの時の俺にはなかった。


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