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異世界行ったら龍姫が俺の嫁!?  作者: じぐざぐ
第弐部 俺の封印
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第86話 伯爵と魔女

お側衆が増えるのが決定して十日ほどした頃、俺は龍帝に呼び出された。

龍帝の執務室に行くと龍帝と侍従長と皇妃ともう一人、妙齢の女性がいた。


「側仕えを増やしたそうだな」


ぶっきらぼうに龍帝が聞いてくる。


「増やしたと言うか、増やされたと言うべきか……まぁそんな感じです」

「ふむ、今日呼び出したのはな、お前に行ってもらいたい、いや行くべきなんだが、場所があって、まぁ行ってもらう。拒否権はない」

「はぁ、いつですか?」

「明日だな」

「急ですね。え~と、場所はどこへ、期限はいつまで、何をするんでしょうか?」

「場所は今は言えぬ。期限は、任務が完了するまでだ。一週間で終わるかもしれぬし一ケ月、一年かかるか、それはわからん。そして何をするかはお前が現地で確認しろ」

「極秘任務的なものですか?」

「そう捉えてもらって差し支えない」


この時は急な話だし、内容も要領を得ないし、訳が分からなかった。


「で、だ。ここに控えているのは我が従姉で我が父の姉君の娘で藤野上条伯爵だ。今回は彼女に付き従ってもらう」

「お久しぶりです、二の丸様。婚礼の儀の際、ご挨拶させて頂きました藤野サナエでございます。今回はよろしくお願いいたします」

「申しわけございません、あの時は大勢の方とのご挨拶でしたので……失礼をしました、よろしくお願いします」

「ふむ、それともう一人、今回お前の側仕えとなった本田のババァも連れていけ。他の人選もこちらでやる。以上だ。戻って準備をしとけ」


とまぁ要件だけババババと言われておん出されたわけだ。

龍帝との会話はいつもこんな感じで慌ただしいことこの上ない。



◇◇◇



その次の日、俺たちは龍之宮の飛竜場に居た。


「すみません、先生。私のとこへ来て早々こんな訳の分からない出張仕事で」

「かかかかか、なぁ~に、ワシもここ近年少々退屈しておったからの。二の丸様とは楽しい付き合いになりそうじゃわい」


見た目はまるっきり十代の少女である伝説の魔女は楽しそうに笑う。

俺はこの本田さんを皆が敬意を払い先生と呼ぶのに釣られて同じように先生と呼んでる。

そしてやはり言い知れぬ貫禄があるのでつい敬語で話してしまう。


そんな俺と本田先生が飛行服を着せられ待機していると藤野上条伯爵がやはり飛行服を着て颯爽と現れた。

さすが皇族出身。こんなモコモコした服装でもどことなく気品があり上品な佇まいだ。


「さ、二人とも準備はいいかしら?」


そう言うと中型飛竜の背に乗るよう促される。


「あの、操縦者は?」

「何言ってるの? もちろん私がするわ。落ちないで下さいね」


ニコリとほほ笑みながら伯爵は力強く飛竜の手綱を引いた。

伯爵の手綱さばきに合わせ、飛竜はゆっくりと優雅に舞い上がる。

俺たちの飛竜に続いて三匹の護衛の飛竜もついて来た。

飛竜騎兵(ドラゴンライダー)の後ろには近衛が乗っている。

近衛達は襲撃者あれば飛竜から飛び降り、真体、もしくは龍体になり交戦するため、特に空戦能力に秀でた者が乗っているらしい。

それを聞いた時は不謹慎ながらその空戦を見てみたいと思ったものだ。

真体・龍体になっても飛ぶのが苦手なやつもいるらしいしな。


早朝出発した俺たちは昼前に一度、海岸沿いの小さな飛竜場に降りて飛竜を休ませるついでに軽く昼食をとった。


「スゴイですね、飛竜がこんなに大人しく静かに優雅に飛行するのは初めてみました」

「うむ、伯爵殿の腕前が良いのであろうな。見事なものじゃ」

「お恥ずかしいですわ。遠乗りは久しぶりですのでお二人に負担がかからないよう精一杯手綱を握らせて頂きたいと存じます」


伯爵が謙遜するのを脇にいた近衛が付け足す


「サナエ様は宮廷飛竜術の大会で準優勝されたこともある腕前なんですよ」

「いやだわ、そんな、学生時代の古い話なんですよ」

「なるほど、飛竜の飛び方もどことなく上品に感じられたのはそういうことなんですねぇ」


飛竜場の脇にある粗末な休憩所ではその後、飛竜談義に花が咲いた。

用意された軽食を平らげ、さてでは出かけようか、と言う時だ。

藤野上条伯爵が本田先生に声をかけた。


「では本田様、そろそろよろしくお願いします」


と、頭を下げる。

なにかなと思っているうちに先生が答える。


「ん、そうじゃな」


と伯爵に向かって返事をしながら俺に向かって左手を広げた。

とたんに俺の目の前は真っ暗になり、気を失ってしまったのだった。



◇◇◇



「おい、小僧、起きろ」

「……んあ……」


俺は伝説の魔女、本田先生の背中で目を覚ました。

ヨダレをたらしながらな。

……ケツが痛い。体がだるい。


「ホラ、着いたぞ、早く降りろ」


促されて段々状況がわかってくる。

ここはあの中型飛竜の上だ。

あのあとどうやら気を失ったまま飛竜で運ばれたらしい。

辺りは一面真っ暗だ。とうに日は暮れてしまったらしい。


こわばっている体を動かし、なんとか先生と繋がっている安全ロープを外し、飛竜から降りる。

う~~んと一度背伸びをし、体をほぐして周りを見渡す。

等間隔で松明が燃やされている。

ここもどこかの飛竜場なのだろうか。

俺は素直に本田先生に聞く。


「あの、すいません、ここはどこなのでしょうか?」

「すまんがワシも知らん」

「さきほど、あの昼食の後、俺は何をされたんでしょうか?」

「教えてやらん。が、別に体に害のあることはしておらぬ。安心せぇ」


いや、安心せぇといわれてもなぁ~。


「そもそも俺はなんであんなことされたんですか?」

「それも教えてやらん」

「はぁ……」


なんだかわけがわからんな。

伯爵は飛竜にエサをやっている。

近衛が係の者にやらせますと慌ててたが頑張った彼女(この飛竜はメスだそうです)に自分の手でご褒美をあげたいらしい。

その後俺たちは近くの貧相な宿へ連れて行かれ、その日はそこで食事をして宿泊した。

食事は海産物が多く、まぁまぁ食べれた。

魔女先生に昼からなんらかの方法で気を失わされてた俺だが体が疲労してたのだろう。

ベッドに入るとすぐ深い眠りにおちた。

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