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異世界行ったら龍姫が俺の嫁!?  作者: じぐざぐ
第弐部 少年と魔女
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第83話 アルマ・アリエス

「神父様、聖女様、この方は一体……」


フジクロが二人に説明を求める。

それに神父が答える。


「え~とですね、この方は、ですね、教会関係のとある団体のお方でして……その……」


歯切れの悪い神父を押しのけて修道女が割り込んでくる。


「あ~もう、いいっす、いいっすよ~自分で紹介します、自己紹介っす! むしろ自分にやらせてください! 私はですね、なんと! キリエス教、聖魔法団、その創始者であり総長、アルマ・アリエスであります~~! 気軽にアルマちゃん、て呼んで欲しいっす~」


「せ、聖魔法団? まさか、本当に存在したのか……」

「噂には聞いたことがあるけど……」


冒険者たちがざわつくなか、聖女がわなわな震えだす。


「うそです! 聖魔法なんてものは存在しません! 教会にあるのは聖法力だけです! 人々が偉大なる主より授かっ……モガモガ……!」

「ちょ、ちょっと聖女様は興奮されてらっしゃるのであちらで落ち着かせてまいります」


神父が暴れる聖女を抱えて部屋から連れ出してしまった。

出ていく二人を気にもせず、アルマは椅子にどかっと座りキセルを取り出し、吸いだす。


「ふ~、聖女様はお堅くてやんなっちゃうっすね~」

「それで、その、お主はなんなんじゃ? ワシらになにか用かの?」


ガンテツが聞く。


「え~、そうっすね~、まぁ私は師匠に会いたかっただけなんすけどね~、ぷはぁ~」


煙をくゆらせながら脚を組み、椅子にのけぞりながら天井を向きつつアルマが答える。

魔女ソニアは無表情のままだ。


「ぷはぁ~ ソリティア師匠、あ、今は魔女ソニアでしたっけ? ま、どっちでもいいや、師匠、その子、龍人っすよね~。大事に育ててるみたいじゃないっすか」


アルマの言葉に冒険者一同が驚愕する。


「まさか! あの、龍の国にいるという伝説の!?」

「いやいや、まさか、彼らは龍の国から出ないと言うぞ」

「そ、そうよ、この大陸にはそんな亜人聞いたこともないし!」

「そうです! それに南デライダ大陸には竜すら生息してないんですよ!」


そんな冒険者たちをアルマはにやにやと眺める。

ソニアは変わらず無表情で、でもクリフは心がざわざわし、身を固める。

どうも自分の事らしいがよくわからない。

冒険者たちは驚いているがなにをそんな驚くのかもよくわからない。

しかし、アルマのあの目はなにか、クリフをして、本能的に警戒させるものだった。

油断なく身構えてアルマを見ていると彼女の姿が二重に、さらに姿が増えて重なった、と思った瞬間にはクリフは床に倒れていた。

冒険者たちもそれぞれ、床に、机に突っ伏していた。

部屋の中はいつのまにか煙が充満していて、彼らはアルマの術中にはまってしまったのである。


「やれやれ、まだまだ修行が足りないな」


窓際に立つソニアはクリフを見下ろし、こともなげに言いながら窓を開け、換気する。


「さすがお師匠様! 全然効かないっすね!」


うれしそうにアルマが言う。


「それで? 田舎の森の魔女に教会のお偉い様がなにか御用かしら?」


なにがあろうと魔女の表情は変わることはない。


「いやぁ~上手に封印してるっすねぇ~、その子、今龍になれないんでしょ? 龍の紋章、でしたっけ? あ~こんなに上手には私にはできないなぁ~、どうやるんすか? 教えてくださいよ、師匠」

「なんのことかわからない」

「またまたぁ~大丈夫っすよ、みんなまだ起きませんよ、それに知ってるでしょ? 私の右目の魔眼」

「……真実の魔眼、か」

「それにしても隠れるのうまいっすね~師匠! 探すのにずいぶんかかりましたよ! いやぁ~苦労したなぁ~ううううう」

「それにしてもなぜ、魔人のあなたが教会に?」

「あ~、さすが引きこもりっすね~ 今の教会はただの人種だけでなく色んな亜人もウェルカムっすよ! 教義も年月とその時の都合と共に変わっていくんすよ。人の信仰なんてそんなもんすよ。でもおかげで色んな派閥ができてけっこうややこしいですけどねぇ~。未だに亜人排斥論者も多いですし」

「ふ~ん、そうなの」

「ええ、そうなんすよ、だから……あれ? ……」


そう言うとアルマの首がガクンと下がる。


「あなたもまだまだ修行が足りてないようね」


本題に入らず話題がころころ変わるアルマにソニアはもう付き合いきれなかったので寝っころがってる連中を置いて神父と聖女を呼びに行った。





◇◇◇




「はぁ~頭が追い付かないな……」


フジクロは頭を抱える。


聖女の登場・その依頼・噂の真偽も定かではない聖魔法団・その総長(しかも森の魔女の元弟子?)・魔女の現弟子が龍人


問題をピックアップしただけでも一つ一つ詳しい説明を受けさせて欲しいところだ。


「とりあず、じゃ。聖女様と依頼、アリエス様の件、クリフの件と分けてかんがえなくてはならんのではないかのう」


ひげをさすりながらガンテツが提案する。


「そ、そうよ、その、アリエス……様は森の魔女様に御用があるんでしょ?」

「そうです。私達には関係ありませんよね。私達は、その、依頼と報酬の話がすめばいいんじゃないでしょうか?」

「ナルセ! クリフきゅんの話も大事!」

「うむ、しかし小僧が龍人、とならば……納得できることも多いと思うがの」

「確かに俺もまともに張り合ったら格闘じゃついにかなわなかったしなぁ~」

「リーゼ、あなたもあの可愛いクリフさんが、普通ではないことは感じていたでしょう?」

「クリフきゅ~ん! 私はクリフきゅんが何者でもクリフきゅんの、味方だよぉぉぉぉ!」


と、リーゼがクリフに抱きつく。


「申し訳ございません、皆さまを混乱させてしまい。私達も彼女達の到着は予定外のことでしたので取り乱してしまい……」


聖女が一同に謝罪する。


「その、ですね、教会も色々と派閥などもございまして、それらが一つの意見でまとまっている、というわけでもなくてですね、お見苦しいところをお見せしてしまい、申し訳なく思っております」


同じくグゥーリィも謝罪する。

足元ではグルグルに縄で絞められたアルマが転がっていたがまだ目は覚めていないようだ。


「彼女には、正確には彼女の団体には、ですが、森の魔女様探索にもかなりお力添えを頂いていたので……色々とその……こちらも無碍にできないこともございまして、悪い方ではないのですが、その、素行がその色々と……かの団体も教会本部と色々あったりしまして……」


神父もなんとも歯切れが悪い。

よほどソリがあわないのであろう。


「離れろネコ」

「にゃ~~~~!!!!!」


ずっとクリフにくっついていたリーゼに電撃が走り、リーゼがクリフから飛びのく。

ソニアがアルマを差し、淡々と教会関係者に告げる。


「ソイツのことはもういい。早く話を進めろ」

「わ、わかりました魔女様、ではこれからのことについて……」


と、神父が地図を取り出し、やっと最初の議題の進行へと戻ったのであった。

お待たせしました。

お待たせさせ過ぎたかもしれません。

次話でやっと主人公の話に戻れるかもしれません。

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