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異世界行ったら龍姫が俺の嫁!?  作者: じぐざぐ
第弐部 少年と魔女
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第82話 魔女と弟子

聖女は語る。

現在、とある大陸にある一つの大国に対して困ってると。

かの国はこの世に戦乱を起こそうとしている。

そう言うのだ。

隣でグゥーリィー神父も頷いている。


自分の大陸では大人しいものの、他の大陸に出向き、戦乱のタネを撒いている。

その横暴を止めたい。


それが聖女の、教会の主張だ。

そして改めて冒険者とソアラ師弟に協力をお願いしたい、と。


「具体的に何をするんだ? 御存じの通り、俺たちは依頼内容と報酬が釣り合えば悪事以外のことなら、まぁ大抵のことは引き受ける」

「あと戦争とか、危険なことには巻き込まれたくはないのう。ワシらはただの冒険者じゃ」


リーダーのフジクロは受けても受けなくてもいい、といった態度で言う。

それをガンテツが補足する。


「私達には関係なさそうだね。クリフ、ここを出よう」

「ソニア……」


クリフは会話の急な展開についていけず、判断がつかずにいた。

しかし、悪い国があってそれをなんとかしようと、平和を目指す話だと言うことはわかる。

ソニアはそれを私達には関係のない話だと一蹴しようとしている。


「ソニア、一応最後まで聖女様の御話しをお伺いしたい。それで僕たちに出来ることがあるのなら」

「出来ることがあるなら、なに? 協力したい、とでも言うの?」

「うん」

「残念だけどこれは冒険ではないわ。政治の話よ。つまり、私達の出る幕ではないわ」

「でも森では困ってる人を助けてたじゃないか。これはそれとは同じだろ?」

「あなたはまだ、世の中のことをわかっていない。それはそれ、これはこれ、よ」



聖女はそんなざわついてる皆の反応を見ている。

グゥーリィー神父が説明を続ける。


「皆さんに危険なことはない、とまでは断言出来ませんが、極力そうします。お願いしたいのは聖女様の護衛や、情報収集といったことです」


神父の説明にナルセが異を唱える。


「聖女様の周りには聖騎士団がいるのではないのですか? 護衛は彼等にお任せした方がよろしいのでは?」

「はい、確かに聖教国には自慢の聖騎士団があり、その中でも精鋭の白騎士団が私を守っていただけるのですが……」

「彼等以外にも数組の騎士団が護衛としてお供して頂くこともございますがあまり融通が利かないと言いますか、遊撃的に自由に動ける人材が欲しい、と言えばご理解いただけるでしょうか?」


つまりは、だ。

御立派な聖騎士様たちにはできない行動をする、ということを要求されている、ということらしい。

フジクロが口を開く。


「俺たちは先ほども言った通り、報酬次第だが……しかしそういうのは信徒の人たちとかを使うんじゃないのかい?」

「いえいえ、信徒の方々が多い地域に行くわけではありませんし、我々もまだまだ使える人材が少ない、とお考えいただければ……」


冒険者たちが顔を見合わせる。

それぞれの表情には否や、はなさそうだ。

つまり、あとは報酬次第、ということになる。

教会の要求を受けるならもちろん、森の魔女にも参加してもらった方が自分たちにも都合がいい。

そして森の魔女を道連れにするにはクリフを口説くのが手っ取り早い。


「どうだろう、森の魔女様。クリフは参加した方が良いと思う。我々も彼のサポートは精一杯、努めさせてもらうが……」

「そうそう、クリフきゅん! ここまで一緒に来たんだし、もうちょっと一緒に行こうよ!」

「うむ、ワシらはもう、仲間みたいなもんだしな」

「少年、共に」


クリフは皆に認められた、と感じ、胸が熱くなる。

ソアラはクリフの表情を見ただけでわかる。

もう止めても無駄だろう。

森を出た時のように。


「ソアラ! 僕、聖女様の御供をするよ!」

「……わかったわ、仕方ない、私も行きましょう」


この目で教会と世界を見極めるために、と続けて心の中で思う。

キリエス教は油断ならない。

ここ数百年引きこもっていたがどうやら体質は変わってないし、より巧妙に人の心を操るのだろう。

いざと言う時はクリフを一発で眠らせこの連中から離脱すればいいだけのこと、と魔女は軽く考えていた。

クリフの成長に良とすれば良し、悪しと出たら二人で去るだけだ、と。

実際冒険者たちはクリフに良くしてくれている。

外の人間としてのサンプルとしては適当である、とソニアは評価している。


「ありがとうございます。魔女様にお供いただけるのであれば、こんな心強いことはございません」


ぬけぬけと聖女がよくも言う、とソニアは心の中で毒つく。

しかし、これでいやでも教会と関わらなくてはならなくなってきた。

そういえば洗脳するのもこの手の宗教は上手だからよくよく気を付けねばならない。

自分はもちろん平気だがクリフが取り込まれたらたまったもんではない。


今後のことについて話し合ってると教会の外が騒がしくなってきた。

なにやら人が集まってきてるようだ。

そこには聖女と一緒に大陸を渡ってきた聖騎士団の者達がたむろっていた。


「皆さん、ご苦労様です」


何事か、と外へ出てグゥーリィーが声を掛けるとワラワラと聖騎士団たちが集まってくる。


「どうかなさいましたか?」

「ハッ神父様、昨日着いた者たちが……」


窓の外を気にしながら冒険者たちが雑談をしていると気まずそうな顔をした神父が戻ってきて聖女に何事か耳打ちする。

聖女が慌てて神父と共に部屋の外にでて数分後、神父と同じように気まずそうな顔をして戻ってきた。

とにかく事情がさっぱりわからない一同はおとなしく教会側の様子を見守る。


「え、えぇ~と、皆さまに、ご紹介したいお方がいらっしゃいます……どうぞ、お入りください」


目を泳がせながら引きつった作り笑顔で聖女が言う。

さっきまでの余裕綽綽の態度と打って変わって明らかに動揺しているのが手に取るようにわかる。

いきなりの聖女の登場にも驚いてたのにこれからどんな大人物が飛び出てくるのかと一同が固唾を飲んで待ち構えていて飛び込んできたのは……



「どぅうもぉ~皆さん、こんにちはぁ~!」


聖女に促されて部屋に入ってきたのは眼鏡を掛けた黒いローブを羽織った、見た目はただの修道女だった。

一同が拍子抜けしてポカンとしているところを彼女はハイテンションで喋り続ける。


「え~と、あなた方が”黒い旋風”一味っすね! 長い間神父さんの御守りご苦労様です~! あ~? こっちの子は知らないっすね! 君誰?」

「え? え~と、僕はクリフです。師匠の、魔女ソニアの弟子です」

「なるほど、なるほど~! 初めまして! よろしく! てことは君は私の弟弟子だね~、ね、師匠! お久しぶりです!」

「……私はあなたなんか知らない」

「またまたぁ~三百年ぶりに再会できたのにつれないですよ~? 今はソニアって名前なんですか~?」


「ちょっ~と待ったぁ~~~!!」


思わずフジクロが突っ込んだ。


お久しぶりです。

かなり間が開いてしまいましたが続きです。

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