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異世界行ったら龍姫が俺の嫁!?  作者: じぐざぐ
第壱部 俺のリスタート
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第76話 ごふじんとおしょくじ

龍乃六条家当主、龍乃六条利光公爵は疲弊していた。

我が娘、についてだ。

小さい頃はあんなに可愛いかったのに。

いつの頃からだろうか、こんなのになってしまったのは?


自分は公爵家の長男として努力した。

今は教育庁と文化庁と掛け持ちで大臣をしている。

なにかあればすぐ力自慢をしたがる龍たちの中で当家は特に教育・文化に力を入れ、荒くれものの龍達を曲がりなりにも他の人種と恥ずかしくなく交易ができるようになった一翼を担っているはずだ。

我が息子も今は教育庁でその力を今は磨いている最中で頼もしく育っている。

分家の子でシノエの姉貴分だった娘も一条に嫁ぎ、皇女殿下の教育係をしてると言う。

シノエ世代の子は皆、なにかしらひとかどの者になっている。

なのに……。


二の丸様お迎えは六条家にとっても一大イベントである。

だが、なかなか延期、延期でずいぶん待たされた。

彼がこの地に召喚されてから実に二年半も経っている。

シノエも高校を卒業し、反対したのに大学に進学してしまった。

なにかサークル活動をしている、と聞いたがあまり詳しくは教えて貰えてない。

ずっと宙ぶらりんだったから、なにか打ち込めるものがあるのはいいことだ、と思っていたが……。



◇◇◇


龍乃六条シノエは龍都にあるドラゴニア女学園に通っている。

レイリが通う龍帝国学園よりランクは落ちるが、ハイソなお嬢様が通うエスカレーター式の学校だ。

小等部まではシノエも普通の子供だったが中等部で美術部に入ったのが運のつきだった。

いや、天職であったろうか……。


その美術部は文芸部と親密な関係にあり、龍都で行われる、年二はまり、中等部、高等部、とほぼ変わらないメンツのまま、腐った仲間と共に大学にそのまま通ってる。


「シノエ氏、いよいよ来週? 来ちゃう?」

「ふふふ、ついに私も異世界の君・ハーレム要員になっちゃうわけさ!」

「やべぇ、やっぱ異世界の君って俺様系? アゴクイされちゃったり!」

「おふっ……『お前、俺のモノになれよ』とか……きゃー!!」

「ドンブリ三杯はイケるわ!」

「まぁまぁ、皆の衆、わらわはお先に大人の階段上らせて頂きますんで」

「にくい! うらやますぎる!」


美術室で咲かせる、そんな腐った龍乙女たちの会話を、龍一はもちろん知らない。



◇◇◇



「無理無理無理!!」


その日シノエは両親に反発していた。


「しかしだな、下条家の一件をお前も知ってるだろう? お城からくれぐれも親は邪魔しないようお達しがでてるんだぞ?」

「だって! 異世界の君だよ! 特別なお方なんだよ! 二人っきりなんて、恥ずかしすぎて死んじゃうよ!!」

「死んじゃう、てお前……その死んじゃう人に嫁ぐんだぞ? これからいくらでも二人っきりになる場面が出来るのに今からそんなじゃ……」

「シノエさん、それに”異世界の君”なんて俗な言い方、およしなさい」


父も母も困惑していた。


「里乃六条のおば様もねえ様も異世界の君って言ってましたし! いいじゃない別に」

「あなたは皇室に入るのですよ? そこらの貴族の婦女子とは違うのんですよ?」

「と~に~か~く、いきなり二人っきりなんて無理です! 必ず! お父様もお母様もいてね!」


もはや、娘になにを言っても無駄のようであった。

ここで無理やりにでも二人っきりにさせると逃げ出しかねない。

両親はしぶしぶ娘のお見合いに相席することとなった。



◇◇◇


やっべ、最終日に異世界の君と二人っきりとか、なんの拷問だよ、つか、なに話していいのかわかんねぇよ。

おほっ、やっぱ何人もの、女を手にしてるだけあって艶があるわ、たまんねぇ~。

ちょっと手のひらに血管浮き出てるの、ポイント高くね?

いや、あれ、手の平見てるだけでも何時間でもいけるわ。


けど、ちょっと待たせすぎじゃね?

こっちはだいぶ待ったつーの。

待たされ過ぎてどんだけ妄想はかどった、つーの。

あの双子の侍従はべらせてどーすんのよ、異世界の君!

イケメンの双子とか需要高すぎだろ!

あのイケメンに裸エプロンとかさせてんじゃねーだろーな!

異世界人、レベルたかいわー、レベルたかすぎだわー、レベル高杉くんかよ!

あ~、もうそんなアイコンタクトまで使っちゃって、高度かよ! 高度スキルかよ!

以心伝心じゃん! もうできてるじゃんこいつら!

あ~ヨダレ垂れる、やばいわ~

異世界の君、ハンパないわ~。

あ、そうそう、待たされた、つーか焦らし? もしかして私じらされたてたんじゃね?

もぉ~、異世界の君、大人のテクニック使ってくるなぁ~。

わらし、どこまでもてあそばれちゃうんだよ~、S気の異世界の君もいいわぁ~。


「二の丸様はもう、私のとこには、いらっしゃらないかと思ってました」


ここは無難にお待ちしてました体でいっとくか。


「いやいや、お待たせして申し訳なく思っております。私の方でも色々ありまして……」


おっと異世界の君、ちょっと焦ってる? やばっ萌えるわぁ~。

癒されるわ~。


「私は御覧通り、地味ですし」


「いやいや、えと、お綺麗ですよ? 本日の御召し物も素敵です」


くはぁ~、異世界の君に服褒められたし、これ、女中が前から選んだたヤツだし。

これは、なんか、面と向かって褒められるとか破壊力ハンパないわっ!

ちょ、恥ずかしすぎる!

こんな褒められたことないんですけど!

これ、アレじゃね?

異世界の君、私のこと好きじゃね?

好きすぎじゃね?

あっつ!

ちょ、喉がカラカラになるし、ワインが進むわ、くふっ~



◇◇◇



シノエは俺が服を褒めたあと、ジトっと俺を見つめ、そして俯いた。

機嫌を損ねた、と最初思った。

しかし、ぐふふと下を向いたまま低く笑って? いたと思ったらワインをガブガブ飲み始めた。


「そんなに急に飲まれると……」


一応声をかけるが、シノエはまた注がれたワインをぐいっと飲み干し


「らいじょうぶれす」


と言ってそのままテーブルに突っ伏した。

六条家の女中たちが慌ててシノエを運ぼうとしたがこのままお開きではちょっと味気ないのでシノエをソファーに横たえ、他の人には下がってもらった。

俺はその横でチビチビ酒を飲んでた。

今回、シノエとはほとんど会話らしい会話をしていない。

龍人なのでじきに回復するだろう。

今夜こそ、もう少し話を、対話をちょっとでもしておきたい、と俺は思っていた。

……

「ん……ここは・・?」


シノエが目を覚ます。


「すみません! 異世界の、いや、二の丸様、私、ちょ、恥ずかし!」

「ああ、いえいえ、大丈夫です。お付きの者も下がらせましたし、今夜は二人で少し……」

「ん、あ? 誰もいないんだ、じゃいいよね、異世界の君も大胆だなぁ~」


ん? なんか様子がへんだぞ?


「ほらほら、その気だったんでしょ? 私、初めてだけど色々勉強してるから!」


くっついてきた。

あ~、酒くせ。

ま、いいか、こっちもまぁまぁ飲んでるしな。

するといきなり俺のシャツをまくり上げて腹をさすりだすし。


「腹筋見せて! ね、うはっ! すげ! カチカチじゃん、かっこいい~!」


……まぁ、その後はご想像にお任せするがなかなかに騒々しい行為だった。

いちいち、うほっ、だのオホッ、だの、しゅごい~! だの、ぎぐぅぅぅぅ! だの。

ずいぶんと賑やかな夜でした。

しかし、地味な人かなと思ったらすごい積極的で驚いた、という話。

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