第69話 夢の中の夢
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「ほら、龍一くん、あ~ん」
ヒカリがなにか、果物を口に入れてくれる。
甘酸っぱくて、冷たくて、うん、うまい。
今日は……? 今朝から飲んで、ヒカリと何回ヤッたろうか? 天幕ベッドの上で、二人で心地良い疲れと共にまどろむ、良い時間だ。
ときどき入ってくる風が、心地いい。
「父様、パナムと遊びに行っていい?」
そこへミライが飛び込んんできて、抱きつき、甘える。
ミライはあの、海に行ってからすっかりご機嫌で子供らしくなってきた。
それ以来、三日に一度は家族、皆で海に行くことにしてる。
現地の子供ともなんとなく仲良くなり、遊ぶようになって、真っ白だった肌が徐々に焼けてきた。
流石、子供。
コミュニケーション能力は俺なんかより全然、上だ。
「ああ、行っておいで、夕食には帰るんだぞ」
「うん、わかった! 行ってきます!」
俺の頬に、いつものように、キスをして元気いっぱいに駆けていく。
子供は元気が一番だな。
部屋の隅では、信者のお姉さんがライデンを抱いている。
ああ、そうだ、ライデンの子守りから解放されて良かったな、ミライ。
沢山遊んでおいで。
どうした、ライデン、そんなに俺を見つめて?
俺になにか……
「ホラホラ、龍一くぅぅ~ん、こっち向いて、ね? また、しよぅ~よぅ~」
ヒカリが下着をずらしながら、俺の身体に絡みついてくる。
ああ、そうだな、もう一回するか……。
気が付いたら夜だった。
ああ、星空が綺麗だな。
……あ、今、流れ星が……
「龍一くぅ~ん、星を見てるの?」
プールから、ひと泳ぎした、裸のヒカリが上がってくる。
プールサイドに置かれた、テーブルの上のグラスに酒を注ぐ。
例の、ここに来てから毎日飲んでる、カクテルのように甘い酒だ。
彼女はこっちに近づきながら、そのグラスを俺の目の前で飲み干す。
そのまま、膝の上にまたがり、俺の首に腕を絡ませ、ゆっくりキスし、その酒を俺の口の中に注ぎこむ。
口の端からボタボタこぼれるが、お構いなしに注ぎこまれる。
「まだまだ、僕、ヤリたりないなぁ~、ね? 龍一くん?」
耳もとで甘く囁かれ、俺たちはそのままプールサイドで、容赦なく、ケダモノの様につながる。
ふと、部屋の方を向くと、天幕ではない、横のベッドの上でヒカリとライデンがこちらを見ていた。
俺は慌ててヒカリに言う。
「お、おい、子供が見てるよ」
「何言ってるの? 龍一くん、子供たちは違う部屋だよ?」
あれ? そうだっけ?
もう一度、部屋を見ると子供の寝ていたベッドはなかった。
そうか、気のせいか、良かった、じゃあ、今はヒカリの身体を存分に味わおう。
「そうだよ、ん……龍一くぅん、……あっ……ぼくに、集中して、ね?……ぼくだけを、見てぇ~……」
もちろんだ、今の俺にはヒカリしか見えないよ……。
ヒカリとの行為の最中、なぜか子供二人の目線が頭から離れなかった。
「ぷはっ」
海の中は美しかった。
綺麗な魚が泳ぎ、海底まで見渡せる透き通った海水は底を歩く、小さなカニまで見えて……。
俺は息が続かず海面にでた。
「父様これ何?」
海面から顔をだすとミライがなにか貝殻を持ってきた。
「なんだろうな? 食えるといいな」
「もう、食い意地張ってる!」
バシャバシャと海水をかけられる。
アレ? こんなやりとり、前にもしなかったっけ?
確か……そうだ、最初に海に……
と、思い出しかけたところで空が急に暗くなり、雷がなった。
と、思ったらスコール、てのか? メチャ大雨が降ってきた。
「父様!」
「ミライ! 母様のとこまで戻るぞ!」
俺たちは急いで海から上がり、今では俺たちの為に作られた小さな休憩小屋、まぁ、元の世界で言えば海の家的な建物が出来てて、そこにミライと駆け込んだ。
ヒカリが、大丈夫? と俺たちにタオルをくれる。
「母様、聞いて、父様ったら、食い意地張ってるのよ」
と俺の腕に絡みつく。
あれ、胸が大きいな?
コイツ小学生の5,6年生くらいだったのに、今、中学生くらいないか?
ヒカリが抱いてるライデンは、かわらず赤ん坊のままだ。
そのライデンがじっと、俺を見ている。
どうした、ライデン、そんなに、見つめられると、俺、は……
俺は目の前が、クラクラと、回るような……。
「父様、どうしたの!?」
「おやおや、龍一くん、雨に当たって熱がでちゃったかな? ふふふ、可愛いね……」
なんか、二人の声が遠くに聞こえる……。
ん、んん、、……なにか暖かくて、柔らかい、ものが……。
「あ、こんなとこにいた、ほら、ライデン、こっちおいで?」
ん、なんだよ、ライデンのお尻かよ……。
今は、何時だ?
この高校生くらいの少女はだれだ?
「父様、大丈夫? 昨晩はまた、母様とお楽しみでしょ? 本当に仲がいいんだから」
「ん、ああ、そうだった、かな?」
そうだ、ミライだ。すっかり大きくなったもんだ。
もう、すっかり黒く日焼けして現地の子とパッと見、見分けがつないな。
ミライは赤ん坊を信者の女の子に預け、俺のそばににじり寄る。
「ね、父様、今日、カンナリに誘われてるんだ、行っていいでしょ?」
「ん、今日って、ああ、そうだ龍神祭りか、カンナリはどうだ? いい奴か?」
「ええ、優しいし、まぁ、頼れる、かな?」
「そうか、遅くなるなよ?」
「ん、わかった。じゃ行ってくる」
いつものように、俺の頬にキスして、娘は笑顔で行った。
娘が彼氏とデートか、嬉しいような、寂しいような……。
ふとミライが出ていった、ドアの向こうを見ると遠くでヒカリがライデンを抱いていた。
二人ともじっと、こちらを見ていた。
「なんだ、そんなとこにいたのか、お前たち……」
俺が妻と息子のとこへ行こうと、ヨロヨロとベッドから起き上がると、腕を引っ張られた。
「……」
裸の女性がいた。
俺はここの言葉がわからない。
けど、この娘は龍神信者の一人だ。
背中からも誰かに抱きつかれた。
足元にも。
ベッドのには四、五人の裸の女性がいる。
そうだ、龍神祭りに捧げられた女たちだ。
俺はこの娘たちを孕ませるために、もう一週間も前からずっと性行為にふけっているのだ。
まだまだ、ほら、お前、酒持ってこいよ。足りないよ。
さぁ抱いてやる……次はどの娘だ?
ヒカリ、なんで笑って見てるんだ?
ライデンそんな目で見るなよ。
ああ、気持ちいい……。
「ほらぁ~父様、抱いて、ね? ミライ、こんなに大きくなったんだよ?」
気が付けば俺の上にまたがり、腰を振っていたのは成人したであろう、龍眼になった、我が娘だった。
「やめろっ!!!???」
その時、バチィ~ンと俺の目の前を青白い光が走った!
◇◇◇
「気が付いたかい?」
「ここは?」
気が付けば真っ暗な場所にいた。
近くには顔は良く見えないが、背の高い青年がいる。
彼が話かけてくる
「やれやれ、しかし欲望に忠実すぎるね、呆れてしまうよ。僕が介入しなかったら……」
「なんのことだ?」
「毎日毎日、朝から酒を飲んで、雷龍と晩までヤリまくって、さぞ気持ちよかったろう?」
「……べつに……」
「それどころか村の娘にまで手をだして、挙句の果てには、自分の娘に、までだもんな、ケダモノだね?」
「し、知らん!村の娘は、いつの間にか、いたんだし、ミライだって、そんな気持ちはこれっぽっっちも……」
「なかった、て言いきれるのかい?」
どうなんだ? 言いきれるのか? 俺。
「わ、わからない……」
「やれやれ、いつまでこんな、ただれた生活を送ってるつもりだい?」
「いつまで、って言われても、ヒカリも帰ろう、て言わないし、いや、いつかは帰るつもりで……」
「いつ、帰るつもりだい?」
「……いつ、って言われても……」
「そんなことも、自分で決められないのかい? 龍帝国には他にもあなたを待ってる人がいるんじゃないのかい?」
「待ってる、人?」
そうだ、レイラ、レイリ、その子たち……カナエ! 今、身重じゃないか!
それと、マリーには夜霧をみてもらってる。
カナンも、今は身ごもってる!
タマキ……は、まぁ、レイラがいればいいし、ランゼもな、強いし、俺なんかいなくたって……。
そうだよ、皆、地位も金もあるやつらだ。
「そうだよ、僕と、僕たちとずっと一緒でいいんじゃない?」
そうだよな、俺一人、いなくても、なんとでもなるんじゃないのか?
「本当にそれでいいの?」
顔の見えない少女が聞いてくる。
ん? 誰だ、この少女?
見たことがあるような……。
……もう、わけがわからないよ。
「あなたをここに、この世界に呼んだ人は誰だい?」
俺を、ここに、この世界に・・呼んだ?
……(お騒がせして申し訳ございません。只今あの者どもを下がらせます)……
……(私はこの龍帝国の第一皇女 龍ノ宮レイラ、と申します)……
あの声は……
レイラ、
レイラだ!
そうだ、レイラのとこに帰らなくちゃ!!
なんで、こんなことを忘れてたんだ?
俺はっ、ブラウ大陸に、龍帝国に帰らなくちゃいけない!!!
俺はレイラに、彼女に呼ばれてここにいるんだ!
レイラのとこへ帰してくれ!
「ふぅ~やっとか、もう、自分の居場所を忘れちゃだめだよ? 父さん」
顔の見えない青年がそう言って消えた。
「あ~あ、私、こっちの生活も好きだったんだけどな~。ま、父様が決めたならしかたないね」
顔の見えない少女がいつもの様に、俺の頬にキスをして消えた。
「いいのかい? ここにいたら君は誰にも命を狙われることもないし、うるさい貴族たちに監視されたり、行動制限されたりしなくて済むんだよ? わずわらしい時期龍帝なんて立場もなくなり、自由に過ごせる。それを、君は手放せるのかい?」
顔の見えない女性が俺に尋ねる。
それに俺に答える。
「ああ、ここにいる間は夢のように心地よい時間だった。いつまでも四人で暮らしたい、とも思った。だけど、帰るよ。みんなで帰ろう、素敵な時間をありがとう、ヒカリ」
「あ~あ、夢のような時間は終わりか、あの子に感謝しなよ? それじゃ、まぁまぁ楽しかったよ、龍一くん」
そう言ってヒカリは俺にキスをした。
それは、長い、長いキスだった。
◇◇◇
ヒカリの口が俺から離れた、と思ったら俺は龍帝国、龍之宮城・後宮にある、雷龍神社の境内に座っていた。
膝の上には赤ん坊が収まっていた。
赤ん坊はじっと俺を見つめている。
「……お前が、俺の目を覚まさせてくれたんだろ? ありがとう、ライデン」
俺がそう言うと赤ん坊は目を閉じた。
そして横で俺の服をつまんでいる、色黒の三歳くらいの少女がいた。
「とぅしゃま……ちっこ……」
「ははは、お前、ミライか?、よしよし、一緒におトイレにいこうな……」
俺はライデンを抱っこしながら、片手でミライの手を引き、境内にある、トイレに向かった。




