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異世界行ったら龍姫が俺の嫁!?  作者: じぐざぐ
第壱部 俺と魔大陸
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第51話 廃村決戦

サキを先頭に、二階へ上がる階段の途中で、今度は痩せた中年女性が目を真っ赤にしながら大口を開け、襲ってきた。

それをサキが右手の手刀で心臓を一突きし、撃退する。

二階に上がるともう一人、子供の吸血鬼がいて、それをガンガーが近くにあった斧で首を跳ね、倒れたところを俺が心臓を一階から持ってきた棒で刺した。

各部屋のドアを開け、確かめると、子供部屋と思しき部屋の窓が開いていた。

夕方確認した時はどの部屋も確実にしまっていたのだが……。


「ヤツらここから入ったな」

「しかしダンナ、なぜ他のヴァンパイア達は入ってこないんだ? 数で押してきそうなもんだが……」

「多分進入してきた連中はこの家の住人だったんじゃないのか? ヴァンパイアは初めての家は家主に招かれないと入れない」

「なるほどな、じゃぁ朝までここでじっとしてりゃいいんじゃないのか?」

「わからん、そうそう呑気なことも言ってられないだろうし、最悪家を破壊されるかもしれないしな」


俺は震えてるニーアを一番奥の部屋へ連れて行き、毛布をかぶせ、とりあえず隅っこに座らせる。


「いいか、ニーアはここでじっとしてるろ、怖くても騒ぐなよ? 頑張れ!」


と励ます。ニーアは無言で頷いて毛布を頭からかぶる。


とりあえず俺はサキとガンガーに現状確認の指示をする。


「よし、二人とも窓からこの家を囲んでるヴァンパイアの数を把握しよう。数がわからなきゃ作戦もたてられない」


俺の言葉を聞いて二人はすぐ行動する。

それぞれ違う部屋に入り、窓からヴァンパイア達を視認し、俺とニーアのいる夫婦の寝室であろう部屋に戻ってくる。


「正面、正面左、約三十」


とサキ。


「え~と正面から見て……右! 右には十人ほどいたぜ、ダンナ」


とガンガーがそれぞれ報告する。


「そうか、裏手には十五人程度いたな。あと多分屋根の上に数人いるな。全部で五十ほどの吸血鬼か……」


ドタドタ、キャハハハハと足音や笑い声がさきほどから頭の上から響いてくる。


「今、奴らは数の優位で余裕を持ってるだろうが、そのうち痺れをて切らして行動してくるだろう。」

「ダンナ、ど、どうする?」

「え~と、吸血鬼の弱点は、にんにく、十字架、聖水、日光、鏡に映らない……」

「……にんにくは台所にないにゃ、馬車の荷台に少しあるにゃ……」


毛布のすきまからちらりと目だけ出してニーアが教えてくれる。

馬車に取りにいく余裕はなさそうだ。


「十字架ってなんだ?」


そうか、ここは異世界だから宗教も違うのか! これは盲点だ。


「しかし、皆、吸血鬼か、他の亜人や魔人なんかが混じってたら積むなこりゃ……」


俺は窓から獣人など他に脅威のありそうな人物を探す。


「いや、俺もそこは確認したが、どうもヴァンパイアしかいないみたいだ」

「同じく。私も見てない」


吸血鬼しかいないなら対処は単純だが、なんせ数が多い。

考え込んでると窓を見張ってたガンガーが叫んだ。


「あ! ダンナ! 大変だっ! 隣の親父が火を付けやがった!」


急いでガンガーが見ている窓に皆が走り寄る。

松明を持った隣の親父が確かにこの家に放火して回っている。

あいつら手段を選ばなくなってきた。

どうする? かなりやばい状態だ。


「炙り出そうというのか……」

「ダンナ! どうする!? どうする!?」


まずい、ガンガーもパニックになりかけてる。

しかし、俺もいい案が浮かばない。

脂汗が額から流れてくる。


「皆、私の背中にくっついて」

「サキ、大丈夫なのか?」

(あるじ)、任せろ。私は(あるじ)を守るためにいる」


ガンガーやサキが「?」という顔をしている。


「よし! 二人ともこっちにこい!」


わけがわからん、という顔でガンガーとニーアが俺の側に来る。

俺はまず、ニーアの背中にガンガー、ガンガーの背中に俺がきて後ろから抱きかかえるようにする。


「じゃあ私の背中にくっついて」


とサキがニーアに背中を向ける。ニーアがサキに抱きついたのをサキが確認した途端、サキが全身に力を入れた。

後ろからでわからないが額の龍紋が光ったのだろう、サキの頭部が発光してるのがわかる。


「うぐぐぐぐぐぐぐぐぐぐっ!!」


サキが唸り、服が弾けとび、体が一気に膨張する。

サキの身体は部屋を突き破り、一気に十数メートルもある巨大な龍へと変化した。


グゥアアアアアアアアアアアア!!!


アアアアアア・・・


ァァァァ……


ァァ……



龍は廃村の夜空に咆哮する。

それは遠くまで響き、周囲に反響し、余韻の音がいつまでも聞こえる様だった。

俺たちはちょうどサキの首の付け根あたりにしがみついていた。

俺たちのいた家は完全に破壊され、隣の親父が火を付けたろう箇所が派手に燃えてるのが見えた。

サキの大きな口から、カンカンカンと甲高い連続音がし、一瞬止まり、巨大な火炎を吐き出す。

ヴァンパイア達が派手に焼き尽くされていく。


「す、すげぇなダンナ」

「ただの炎じゃない、龍の火炎だからな、なんでも焼き尽くしちまうさ」

「あ、熱いですにゃ……」


なんせ火炎を吐く龍の首元にいるんだ、その熱波は半端ない。

俺は平気だが、常人には大変だろう。

だが、ガマンしてもらうしかない。

何人かがコウモリに変化して逃げようとしたがそれらも容赦なく消し炭にしていく。

そのうちの一匹だろうか、俺らの側を飛んでいた。


「もうそろそろ片が付きそうだな」


ヴァンパイアがほとんど駆逐されそうになった時だ。

いきなりガンガーが龍の肩から吹っ飛んだ。


「ダンナ!」

「ガンガー!」


ガンガーに気を取られた瞬間、ニーアも龍の肩から消えた。


「お兄さん!」


ニーアの声が下の方から聞こえる。


「ニーア!」


と、二人に気を取られてたら俺の身体がフワリと浮いた。


「やれやれ、しょうがないヤツじゃの。逃げちゃ血が飲めんくなるじゃろ?」


俺は真っ赤なボンテージ衣装のシャルルに抱え上げられ、空に浮いてた。

下を見るとガンガーが立ち上がるところで、ニーアはサキの手に乗っていた。

良かった、とりあえず二人とも死んでないな。

すいません。あまりエロい展開はありません。

 映画フライトナイトをBGMに打ってます。

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