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異世界行ったら龍姫が俺の嫁!?  作者: じぐざぐ
第壱部 俺と魔大陸
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第44話 ヴァンパイア シャルル・プルーン

その日、俺は”二の丸様、夜伽お休みの日”であった。

週一に訪れる、俺が一人になれる時間だ。


この日はもう完全にオフにしようと朝の稽古もサボリ、一日ゆっくりすることに決めた。

が、龍紋の調整だけは行かないと龍神に怒られるのでそれは行った。

そして夜、ゆっくり湯に漬かり、一杯やって早めに寝るか、というタイミングで寝室の窓がノックされた。


なんだ? と思い、カーテンを開ける、と外にスチームパンクっぽい、際どい皮の衣装に身を包んだヴァンパイアのシャルル・プルーンが外のベランダにいた。

窓を開け尋ねる。


「お前、久しぶりだな、そんなとこで何してるんだ?」

「うむ、しばらくぶりじゃの。ちょっと中に入れてもらえんかの?」

「ん~ちょっと待て、俺が外に出る。そこで聞こう」


俺はベランダに置かれたテーブルセットを指さす。


「なんじゃ、用心深いの……。なにもせんよ。それに外は寒い」

「何言ってんだよ、お前たちは別に寒さなんぞ気にしないだろう?」


そう言いながら俺はベランダに出る。


このヴァンパイアは俺がまだ本丸で生活してた頃、夜更かしして勉強してたら時々現れていたヤツだ。

色々雑談してたが、勉強見てくれたり、色々この国の雑学を教えてくれたものだった。

昔シノビから助けてもらったこともある。


しかしサキに、仲良くするのはいいが、あまりヴァンパイアは信用してはいけない、とクギを刺されていた。

二の丸に来てからは、とんと姿を見ていなかったので彼女に会うのは随分久しぶりだ。


ヴァンパイアは初めて訪れる建物には館の主に招かれないと入れない。

彼女が入れてくれ、ということはここはまだ招かれたことがない、ということになる。

一度入ってしまえばあとは好き勝手に出入りできるはずだ。


一応、ここには俺の大事な身重の女性たちがいる。


なんとなく、そんなことを気にして俺は外のベランダで彼女に対応することにした。



「それで、今晩は何の用だ?」

「実はの、ん~お主に頼み事があっての……」


なんだか歯切れがわるそうだ。


「なんだ? お前には助けられたこともあるしな。俺にできる範囲であれば」

「本当か!?」

「あまり期待はするなよ、でなんだ?」

「ん~どこから話していいものか……お主はわしがここで何をしてるか知っておるか?」


そういえば知らないな。


「いや、昔の龍帝にいることを許された、くらいしか……」

「ならば、今宵はちと、わしの身の上でも話そうとするかの……」



と、ヴァンパイアは月明かりの下でぽつぽつと語りだした。



◇◇◇


ブラウ大陸の北に位置し、魔大陸と人々が呼ぶ大陸はガンドウ・ロゥワ大陸というちゃんとした名前がある。こちらの大陸では皆忌み嫌ってて魔大陸と呼称することの方が多い。


ガンドウ・ロゥワ大陸は魔人を中心に大勢の亜人が済む場所である。

そこには国と呼ばれるものが五つある。

便宜上国ということになるが、あまりまとまりのあるものでもないらしい。

そしてその他にも認知されない大小の集落があるらしい。



大陸南部に位置するジグ・ロマグス

 魔人が中心となる国 現在はブラウ大陸との交易の拠点にもなってる。 



大陸中央に位置するアウディーゴ

 森林に覆われたエルフの国で中心に世界樹があり、彼らはそれをそれを守護している。



大陸西部に位置するバン・バルフ

 さまざまな亜人の国 

 エルフ・ドワーフ・獣人・魔人・ホビット・鬼などが暮らす。



大陸東部に位置するゲラン・ドフ

 獣人の国

 狼男から猫族・鳥類に属するものなど獣由来の亜人の国


そして大陸北部に位置するバルフ・ラン

 魔人の国 過去、魔王がでて 魔大陸をまとめブラウ大陸に攻め込むことになった国


この世界では魔人とは魔力を持つ人間を持つ者ことを言い、容姿はそう人と変わらない。

ブラウ大陸で迫害された魔人が人が住むには厳しい自然のあるガンドウ・ロゥワ大陸に逃れ、そこで生き延び繁殖していった、といこうとらしい。


◇◇◇


さてシャルル・プルーンはその、どこの国にも属さない、北部の小さなヴァンパイアの集落出身らしい。

そこでバルフ・ランへ行き、色々と血液関係の仕事をしていたらしい。


この国に来たのも竜の血が病気などの完全薬として貴重なものとして商品として取り扱いたいと思い、赴いたからだ。

さらに龍人のものは素晴らしいものらしい。


そこで、まぁ色々とあり、その時の龍帝に、この国で竜の血の取り扱いを許されてガンドウ・ロゥワ大陸へ血を輸出する事業を行ってる、ということだ。


「でな、まぁ、わしも長年この地にいるわけだが時々帰省しとるんじゃがの。以前、バルフ・ランの城でな、長年の功績を認めて貰い、昔の勇者の持っていた品物を授かったのじゃよ」

「ほぅ、すごいじゃん。てか千年以上も前の物だろ……そんなものが残ってるのかよ?」

「それじゃよ、保存魔法がかかってるというが……眉唾物と思うじゃろ? わしも、まぁそう思っていたのじゃが……」

「……本物だったか!?」

「いや、わからん」

「なんだよ、がっかりだな……。まぁ、けどこういうのは真偽のほどはともかく、ロマンがあるというか……」

「いやいや、それはそれで良かったんじゃよ。わしもそう思ってたんじゃが、ホレ、お主が現れたじゃろ?」


言いながらシャルルは俺を指さす。


「俺?」

「そうじゃ、お主じゃ、異世界の君なら、ホレ、本物かどうかわかるんじゃないのか?」

「え~、わからねぇよ、そんなの」

「まぁまぁ、一度見るだけ、見てもらえんかの?」

「まぁ、見るだけでいいなら……今度オカッパ達連れていくよ」

「いや、お主だけにしといてくれんかの?」

「なんで?」

「いやぁ、その……な、もし本物だったら、他に知られたくないしの」


けっこう変なとこ気にするんだな。とりあえず俺は場所を聞いてみる。


「お前の事業所はどこなんだ?」

「北区じゃ」


龍人街なら……さほど危険はないか、と俺は判断した。


「じゃぁ……サキだけ連れていくか」


心底ほっとしたようにシャルルは言う。


「うむ、そうしてくれると助かるの、恩にきる」


年くってるわりには気が小さそうだな。

と、いうことで俺はヴァンパイア・シャルル・プルーンの事業所に行くことになった。


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