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異世界行ったら龍姫が俺の嫁!?  作者: じぐざぐ
第弐部 エルドビー共和国
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第112話 エルダール地方へ

「簡単じゃ、この幻惑鬼を連れて行く。その場の者を幻惑させて対象を連れ去る。これで万事大丈夫じゃ」


豊満な胸を張り、魔鬼那(まきな)が持論を述べる。


「ダメじゃ、エルフには効くかもしれんがの、龍人には効かぬよ」


とシャルルがダメ出しをする。


「あのさぁ~、そのヴァンパイア、さっきからダメ出ししかしてないじゃん、なんか案を出しなよ」

「リーゼの言う通りです。あなた、何しに来たんですか?」


リーゼとナルセが逆にヴァンパイアにダメ出しする。


「いや、すまんの~なんせ十年? 振りくらいで復活したからの~。死ぬ直近の記憶がの~朧気での~古いことは覚えてるんじゃが」


はぁ~とため息をつきながらフジクロが皆を代弁する。


「シャルルさん、結局、龍人には弱点がない、てことですか?」

「まぁ、軍にいるようなヤツには誰も勝てんじゃろうな~特に近衛隊の者などエリート中のエリートじゃしのぉ~」

「クリフきゅんも今じゃウチのエースだもんね!」


とリーゼがない胸を張る。


「いや、それとこれとは今は関係ないし」


とクリフ。


「とにかくじゃ、お主が龍人に詳しいと言うから連れてきたと言うに、役に立たぬではないか!」

「まぁまぁ、魔鬼那ちゃん、今までウチらが出してた案を実行してたら失敗してたのは確実みたいだし、とにかく今まで通り、それぞれ案を沢山出してそのヴァンパイアちゃんにジャッジしてもらう形で進めるっす」


フークマン砦の攻防の一週間前、こんなやり取りがあったがその頃、龍一達はエルダール地方に向かっていた。



◇◇◇


~エルダール地方~


エルドビー共和国の北東に位置する大森林だ。

この大森林は簡単に第一外郭、第二外郭、第一内郭、第二内郭、そして中心部と別れている。

それぞれ生息する部族も違い、中心部にエルフの部族が住んでいる。

全てが迷える森で森の住人でもテリトリーが変わると迷うことがしばしばあると言う。

だが唯一、エルフだけが全ての森を迷わず行き来できる。



「私達には精霊の加護がございますからねぇ~」

「ふふ、龍一君、私も一応龍人だが精霊を見ることも出来てねぇ~、ふふふ、すごいだろぅ?」

「やだわ、この人ったら見えるだけなんですよ。初歩の初歩の精霊術すら使えないんだから~」

「ふふふ、やめろよ、照れてしまうだろ?」

「褒めてないんですよ~?」


「あの……」


「はい? なんですか?」

「どうしてあなた方までご一緒に? てかどうして同じ馬車?」

「ふふふ、お異母兄様(にいさま)たちは仲がよろしいですねぇ~」


俺達の目の前にはなぜかエルドビー代表、龍成さんご夫婦がいらっしゃる。


「だって私だって久々に母上に会いたいじゃないか、今回はとてもいい機会だしね。それに君たちと一緒だと一台馬車が節約できるだろ?」


めっちゃ公私混同。


「ふふふ、お異母兄様(にいさま)は本当にお母上がお好きでいらっしゃるんですねぇ~」


その日はまず第一外郭森林にあるコボルトの集落で宿を取り、その後四日かけて第一内郭森林まで移動した。

その後は馬車での移動は困難な地域なので徒歩で移動だった。

俺が思ったのは


あ~竜が欲しい。

飛竜がいい。

いや、長躯竜でもいい。

やっぱ竜がいいよね……なんてことだった。


「父様、顔が死んでるよ」


夜霧が笑顔で言う。

コイツ、普段はめっちゃインドアのくせに、さすが龍神の子、無駄に体力だけはありやがる。

俺は無言でへへへと苦笑いで返す。


「わかる、竜に乗りたい?」

「あ~、そうだな~こういう時、帝国だと便利だなぁ~て……」

「龍紋使えるようになっても父様はまだまだダメダメ、しょうがない」

「ん?」


夜霧が両手を前にかざす。

額の龍紋が光り、叫ぶ。


「ナハト!」


すると黒い霧が現れ、その中から彼女の漆黒の愛竜、ナハトが現れた。

呼び出されたナハトは早速頭を夜霧に押し付け甘える。


「乗ってもいいよ」

「まじで! やっほう!」


すると他の子たちが騒ぎ出した。


「あ~ナハト! ずるい父様! ミライも乗りたい!」

「はぁ~、父上は恥ずかしくないのか?」

「ちょっと静かにしてあなたたち、課題が、ブツブツ……」

「さすがです! おスイ様! こんな時まで大学の課題を! アイの一生はおスイ様のものですぅ」


「静まりなさい!」


レイラがピシャリとたしなめる。


「夜霧、むやみに暗黒竜を召喚するんじゃありません、あなた方もいちいち騒がない。皇族としての威厳を保ちなさい」

「「はぁ~い」」

「そして、あなた!」


俺にも矛先が向いた。


「あ、はい」

「その……ナハトは二人乗りはできるでしょうか……」

「もちろんです、マドモアゼぇル、ささお手を」

「ふふふ、とても綺麗な竜ですね」


おっと子供たちの視線が痛いぜ!




◇◇◇


それから七日かけてやっと中心部のエルフの森へと到着した。

ガンドウ・ロゥワ大陸のエルフの森ではず~~と地面の上を移動してたんだがここでは木の上に上がり、とても太い枝の上を移動する。

人が並んで五、六人くらいはある太さだ。

時々、幹に大きな洞があり、戸が付いていてエルフはその中で生活しているらしい。

枝から下はあまり見たくない。

かなりの高さだ。


「ふふ、大丈夫よ、父様、落ちたら翼を出して飛べばいいのよ」

「怖い事言うなミライ! 俺は翼は出せるが飛んだことはまだ一度もないんだ」

「相変わらず怖がりね、もうしょうがないんだから」

「大丈夫ミライ、半身はこの我が! 必ずこの身と翼を持ってして救ってみせよう! 世界と共に!」

「え~レイカ様、世界まで救っちゃうの? 壮大ね……ならばこのミライ! 雷鳴と共に混沌を巻き起こす!」

「その混沌を夜霧が漆黒の風で吹き飛ばす!」

「ミライ姉に仇なす者は例え夜霧姉上でもこの雷電がっ……あ~やっぱ夜霧姉上には勝てないや」

「なによ! 姉を守りなさいよ!」

「私も姉なんだけど?」

「……はい、どちらも大切な姉上です」


なんて厨二なコントをしつつ、いよいよエルフの長老たちのいる幹へと近づいてきた、らしい。

ひと際大きな幹にガヤガヤとエルフが集まっている。


「サキ、アウディーゴを思い出すな」

「……あの時は歓迎されなかったけどね」

「はは、確かに」


「お~い! 二の丸様ぁ~こっちでござるぅ~」


先行していたオカッパ達がいくつも枝分かれした先の一つの大枝の上で呼んでいた。

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