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異世界行ったら龍姫が俺の嫁!?  作者: じぐざぐ
第弐部 エルドビー共和国
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第109話 龍帝国領

「陸地だ、陸地が見えるぞぉ~~!!」

「なに!」

「本当か! ついに、ついに着いたんだ~!!」

「長かったなぁ~」

「これで、やっと上陸できるでござる……」


こうして俺達はやっとの思いでエルドビー共和国に到着したのだった……


……なぁんてことはなくてな。


そういうのはとっくの昔にガンドウ・ロゥワ大陸とデロイア大陸の大洋横断でやっちまってだな。

後はダラダラ南下しつつ時々寄港しつつ西へ西へ右手に陸地を見ながらの航行なわけよ。

しかも三隻ある軍艦は後ろにこう、ヘリコプターが止まるような広い甲板があって、そっから小型飛竜が出てきて半径千五百キロくらいは偵察に行けるからまぁまぁ安全な航海だったな。


あ、一度デロイア大陸に入ってから、こう、入り組んだ島の、なんとか諸島みたいな場所で海賊に襲われたんだけど、ウチの海竜群にあっという間にやられてたな。

そん時は海竜担当の佐倉中佐はとてもノリノリで嬉しそうだったな。


◇◇◇


~港街領主の館~

そんなにも大きくもない屋敷だが広さだけは確保してある。

その領主の部屋に竜人の執事が迎えに行く


「ご主人様、船団が見えた、との報告です」

「ん、ああもう着いたか。予定より早いな。流石だ。用意はできてるな?」

「はい。楽団も待機させております」

「よしよし。今回は皇族の方々もいらっしゃる。不手際があってはならんぞ」

「は、承知してございます。ささ、急がれませ」

「そう急かすな。今は、ホレ」

「お父様ぁ~この御着物でどうかしら?」

「あなた、私、変なところはございませんか?」



~佐野二条啓二子爵~



この港町・ドラゴンポート一帯を管理、運営している。

もともと彼の祖父がここらを開拓し、なんとか港町の体裁にまで整えたのは、それだけでとても長い話になりそうなので割愛するがとにかくここらの領主的な立場にいる龍人だと思ってもらいたい。


さて、この共和国の植民地は帝国内でも誰が治めるか、という話が長い事決まらず議論され続けた。

本来なら外交を担う、四条の役目なのだがこちらは知らぬ土地、しかも荒れ果てた土地で蛮族との国境線などとてもじゃないが統治などできない。

と断れ続けたので結局は軍閥で二条家が担う事となった。


そこで現在は辺境伯を与えられた滝野二条兼己という龍人がこの植民地全体を管理、運営しているが軍に置いても中将と言う立場で植民地軍の総司令官として君臨している。

佐野二条家はその滝野二条の分家の分家に当たり、親子三代でこの地にて生活している。

その佐野二条家はこの数か月はいつもの軍隊お出迎え式典に加え、皇族までお出迎えしなくてはならないので準備が大変だった。

特に大詰めの直近のこの一月は大わらわだった。


軍団歓迎式典

皇族の方々歓迎式典

歓迎会


それを経て、やっと一息つける。


「しばらくはどこかの保養地にでも行ってゆっくりしたいところだな……」

「旦那様、なぁに仰ってるんですか! さっさと馬車に行って下さいよ!」


メイド長のエルフに急かされながら彼は家族と共に屋敷を出た。




◇◇◇



そんな感じで俺たちは帝国領の港町で大歓迎を受けた後、軍団とは途中で別れて五日をかけ、馬車で移動して帝国領、首都である城塞都市ドラゴンタウンについた。

首都と言ってもしょぼい街並みでそんなににぎわっている風ではない。

名前もそのセンスどうにかならんか、と思うが共和国の人間が勝手に付けてしまったらしい。

街中で道行く人は亜人種が多く、龍人はもちろん竜人も見当たらない。

しかしリザードマンらしき人種はちょこちょこ見かけたな。



俺たちは港街と同じ様に皇族歓迎式典を開かれ、関係各者を集めた歓迎会に出席し、本日は滝野二条辺境伯との会談を行っていた。


「え~、それでですね、この三日後に二の丸様におかれましてはヴァムス要塞にお入りになって頂き、総司令官着任式をして頂きですな、一つ、帝国領防衛軍に向けてご挨拶の演説をして頂いた後で勲章授与式をして頂き……」


長々と今後の予定を伝えられる。


「滝野二条辺境伯、ちょっとよろしいですか」


今は大尉となり俺付き近衛のリーダーの剣下条大尉が口を挟む。

辺境伯は俺から目線を離し、彼を見る。


「なにかね、大尉」


辺境伯は煩わしそうに大尉に答える。


「皇族方護衛に関してですが、こちらでは龍人、及び竜人で揃える様、要請したはずですが、渡された名簿だと他の亜人種が多すぎます」

「ああ、そのことか、もちろん要請書は目を通してある。だが大尉、それは無理というものだ。三百人なんて数は本国に居ればすぐ集まるだろうがな」

「しかし、帝国の威信があります!」

「いいか、大尉、今度本国に帰還する第十軍団を外せば防衛軍は六万人だ。うち軍人の龍人は二十人しかいない。わかるな?」

「……ならばせめて竜人の数を増やしてください」

「大尉、我が軍は基幹基地であるヴァムス要塞以外に国境線に砦は大小合わせて二十ある。それぞれ中小の竜を揃えていて竜人の数も実際には足りないくらいなのだ。大尉が言う数を護衛任務に集めれば現場がさぞ大混乱するだろう。それでも近衛の特権を振りかざしたいならやり給え」

「……了解、いたしました」


おお、ちょっと剣下条大尉が悔しそうだ。


「人員は明日行くヴァムス要塞に揃えてある。護衛計画は彼らと合流した後、行いたまえ」

「はっ!」


その後も俺たちは辺境伯と細々な打ち合わせをしていった。

なんだか忙しくなりそうだな……


◇◇◇



神代の時代、人神の主神は神の似姿を作られた。


しかし


主神は忙しく創造の神にその役を任せたら創造の神は実に様々な似姿を作られてしまった。


寿命が神に近い者

海に住む者

山に住む者

空を飛ぶ者

創造に没頭する者

強き者

弱き者


満足できる出来の者もあれば失敗した者もある。


だが、いずれ地上に残った竜を駆逐する者が現れるに違いない。

趣味に走り過ぎた創造の神に代わって寿命を全うする似姿を主神自らがお造りになられたのは創造の神にお任せになられてから数万年後のことであったという。




鬼とは原初の頃、ただの疎まれ者であった。


迫害され、騙され、奪われ、犯され、殺され……


迫害され続けて人目のつかぬ地下深くに逃げ去り、怯えながら暮らした。

千年、ただ怯えた

次の千年、なぜ、自分達が、と疑問に思った

そして次の千年、力のない自分を恨み、迫害する者を恨み、この世を恨み、神を恨んだ。


さらに万年、恨んで恨んで恨んで恨んで恨んで


鬼となった。


他者を迫害できる力を持つ鬼

他者を騙せる知恵を持つ鬼

他者から奪うことのできる鬼

他者を犯し続けることのできる精力に溢れ快楽を求める鬼

他者を殺し続けることのできる残虐な鬼


様々な鬼がある日地上に湧き出た。


人々は鬼に対して行ったように


迫害され、騙され、奪われ、犯され、殺された。


そして歴史は続く。



 ~鬼面帝国 鬼眼城~


「あぁ~ん、いいっすよ~中鬼く~ん! さっきの子より固い鬼棒っす~~」


粗末な部屋の片隅でシスターが中鬼にまたがり腰を振っていた。

もう何時間になるだろうか?

性欲だけは旺盛な鬼もこのシスターには手を焼いていた。


「おい、出ていいぞ!」

「あちゃ~もうお時間っすか~、残念っす~」


相手にしていた中鬼はやっとこの魔人から離れられるとほっとした。


「鬼眼王がお会いにある」

「ウチの子たちは無事っすか?」

「ああ、ひとっところに置いてある。安心しろ」

「おお、我らが主神よ、かの子羊たちをお守りたまえ」

「……くだらねぇ……」


中鬼がシスターの祈りをバカにした瞬間、その頭にシスターの手が喰い込んだ。

シスターは黙ってそのままギリギリと力を入れ、中鬼を片手で持ち上げる。


「おい、てめぇ……我らが主神への祈りをバカにするならブっ殺すぞ……」

「い、いてぇ! わかった! わかった! もうバカにしねぇ~、から、離せ!」

「ふぅ~わかってくれるんならいいんすよぉ~、主神に感謝っすねぇ~」


こいつ、狂ってやがる、と思いながら中鬼はシスターを鬼眼王の元へ案内する。



◇◇◇



「その話は飲めん」

「なんでっすか~、お願いしますよぉ~、鬼眼王様ぁ~」


鬼眼城にある大広間。

大柄な鬼の王の前でシスターはものおじもせず、まるで旧知の仲であるかのように、軽いノリで鬼眼王に頼みこむ。


「あほか、龍の帝国と事を構える気はない」

「え~、でもチョコチョコちょっかいかけてるみたいじゃないっすかぁ~」

「あれは小鬼どもが勝手にやってることだ。我らには関係ない」

「え~いいんすかぁ~、でもでも鬼面帝国の配下っすよねぇ~」

「小鬼は勝手に生まれて勝手に死ぬ。そしてほっといても地下から湧いて勝手に増える」

「……そぉんなに龍帝国が怖いんすか~」


安い挑発だな。

と、鬼眼王は思う。

龍の帝国と事を構える気はない。

龍人は新しい人種だし、鬼族としては恨みがないし、多分、彼等には勝てない。

いや、亜人ばかりで編成されていると言う彼らの軍隊には勝てるかもしれない。

だが竜を使われるのは厄介だ。


しかし


恨みはないが鬼の闘争本能が戦いたい、とも思っている。

だがそれはごくごく個人的な想いだ。

国としてこの魔人の言うことを聞くメリットはなにもない。


「その話、私が、受けてもいいか」


話が頓挫しようかと言う時、鬼眼王の横に控えていた細身の女鬼が会話に加わった。


魔鬼那(マキナ)……引っ込んでろ」

「ふふふ、いいではないか、異界より来たりし男、是非喰ろうてみたい!」

「魔鬼那ちゃん、食べちゃ、ダメっすよぉ~お持ち帰りするんだから」

「……狩りの報酬がないのはつまらん」

「だからぁ~ほら、お金も払うし、反対側の国の街一つ襲っても見逃すっていってるんすよぉ~」

「……ならば……その男、凌辱し、犯すのは構わんのか?」

「まぁ、性交くらいなら飽きるまでしてもらって構わないっすけど、……ちゃんと身柄は五体満足でうちらに渡して欲しいっす」

「よし! 交渉成立だな!早よ案内せぃ! シスター!!」


魔鬼那の言葉を受けてアルマはとりあえず交渉はうまくいった、とニンマリする。


「アルマ様! 無事ですか!」


その時、シスターの仲間達が中鬼に連れられて大広間に入ってきた。


「おお、フジクロ氏、クリフ君もぉ~、そちらこそ無事っすか? こっちはばっち交渉成立っす~」


……アルマ・アリエスは彼らに向かってとてもいい笑顔でブイサインをした。


さぁ~楽しくなってきたっスよぉ~!

せいぜいシノビよりは役に立って下さいっス!


心の中でシスターはほくそ笑む。

お待たせしました。

今回の話は苦労しました。

何度も書き直し……違うな……と。


お読み頂きお楽しみ頂ければ幸いです。

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