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異世界行ったら龍姫が俺の嫁!?  作者: じぐざぐ
第弐部 海へ
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第104話 俺と龍神・海龍

「さてっと……お前は龍神についてどの様に認識している?」


上品に口に付けたお茶のカップをテーブルに置き海龍様が聞いてくる。

そんなこと言われても俺が直接会ったのは四神だが、良く知ってるのは三柱だけだ。


「え~とですね。雷龍はエロいことが大好きですね。スキあらば所かまわず、みたいな感じですが意外と可愛いところもあって……後はけっこう細かいことを気にしますね。そんでほったらかしにしてるように見えて意外と子供のことも大事にしてるし、水龍は落ち着いた雰囲気ですが、でもけっこうムッツリで、本当はやりたくて仕方ないのにそんな素振りは見せずに、ああ、そうそう焦らしプレイとか好きですね。黒龍はメンヘラです」

「うむ、それはさておき、私のことを褒めるが良い」

「? ……どうしてですか?」

「それは、な、お前のくだらん話をちゃんと聞いてやったからだ」

「はぁ、どうすみません」


どうやら海龍様にはお気に召さなかったらしい。

いや、確かに俺の受け答えはどうか、と自分でも思うが、少し。少し、な。

そもそもなぁ~、俺の意思に関係なく、仕事だけど家族の船旅を邪魔されて勝手にこんなとこまで連れて来られて、龍神様とはいえちょっと理不尽なんじゃない?

ヒカリもシズクも最初、事に及ぶにあたり、ちゃんと俺の意思確認はしてくれたし、あのメンヘラ状態だったクロさえ俺に勝手はせず同意を確認した。少々強引ではあったが。

なのに、なのに、だ。

今回はちょっと理不尽すぎやしませんかね?


「ふむ、なるほどな。勝手に連れて来られて迷惑しとる、という顔じゃな?」

「まぁ、そんなところです」

「龍神を前にして大胆なことよ。だが私は寛大だ。もう一度訪ねる。お前の龍神に対する認識を述べよ」


うわ、見透かされてるし、俺のちょっとしたシャレにも怒らず冷静に質問を繰り返すとは。

さすが大物だな。

仕方ない、素直に答えるか。


「え~と、俺は確かに神社に良く行きますが別に熱心な信者、とかじゃなく龍神様や子供に会いにいってるだけで経典とかもろくに読んだこともないのですが、それでもいいですか?」

「構わぬ。続けよ」

「え~とですね……」


とりあえず俺はうろ覚えの龍神のことについて語る。

はっきり言ってあいつらはなにも龍神のことなど教えてくれない。

俺が知ってるのは民間に広まる言い伝えとか伝承とかそんなものだ。

奥さん方や子供たちの方がよっぽど詳しいだろう。


「まず光の龍神様がいて、天龍様、海龍様をお造りになって空と海の管理を任された。その後天龍様と海龍様がお造りになったのが現在の七大龍神様で、炎を司る炎龍神、雷を司る雷龍神、水を司る水龍神、風を司る風龍神、氷を司る氷龍神、大地を司る地龍神、闇を司る黒龍神。と伺っております。俺が知ってるのはそのくらいですかね?」


良く神社とかにある小冊子とかチラシとかあるだろ? しかも神社によって微妙に違ってたり……

俺が知ってるのはその程度の知識だ。


「ふむ、なるほどな、龍神と付き合いがあるのにその程度、なのだなぁ~」

「はぁ、すみません……」


なんで呆れられる?


「いや、仕方あるまい。しょせんは龍の因子があろうと半分は人間だものな。まぁよい、長くなるが心して聞くがよい」


やっぱり長くなるのか……


「なにか?」

「い、いえ、お続けください」


「まずは、だ。遠い遠い昔の話だ。お前にもわかる単位で言うと何千兆年もの時を何千兆回も繰り返したのを何千兆セット、そのくらいの昔に宇宙が誕生し……」


うわ、宇宙創造の時からですか?

それ、一時間くらいで済む話じゃないっすよね。


「そんな顔をするな。邪念を捨ててまずは聞け」

「はぁ……」


「さて、宇宙が生まれて少しして光の龍が生まれた。それは分裂し、いくつもの龍となる。それは創星龍と呼ばれる龍神だ。その龍は宇宙を巡り、星を産む。星を産んでは移動しつつ力を貯め、また星を産む。産んだ星には必ず管理する龍を置く。燃える星には光龍、黒龍、炎龍とかな、この星には光龍、黒龍の二神を置いた。この二神が三神を産む。すなわち天龍、海龍、地龍。さらにこの三神が五神を産む。それが炎龍、水龍、雷龍、氷龍、風龍だ」

「なんか俺が知ってるのとちょっと違いますね」

「うむ、まぁここから色々、とな」


◇◇◇



創星龍は星を産む。

産んでその星を任せる龍を生み、次の星を産むため、また宇宙を彷徨う。

恒星、惑星、色々な星を産む。

なぜそうするのか。

意味はないのかもしれない。

ただ彼等は宇宙が滅びるまでそれを繰り返す。


光龍と黒龍はこの惑星に生み出され、光と闇、つまり創造と破壊とを司る創世神となる。

ドロドロの惑星が落ち着き、天と地と海が生まれる。

そこから天から天龍を、大地から地龍を、海から海龍を光龍と黒龍は生み出し、彼等を創造神とする。

天龍は風龍と雷龍を、地龍は炎龍を、海龍は水龍と氷龍を生みだし、管理神とする。


龍神はお互い良く力を合わせ、惑星を管理する。

そして惑星はついに待望の生物を生み出した。

時は流れ彼等に似た竜たちが大いに繁殖し、空に大地に海に、と竜の楽園があった。

何億もの時が流れ、滅びと進化を繰り返し竜が惑星を覆いつくし生を謳歌している時にある日突然、それが来た。


「人神だ」


人神は人類が繁殖できそうな星を見つけてはやってくる。

彼等の目的は人による創造と破壊だ。

その果てになにを見出すのかはわからない。

だが彼らは執拗にそれを繰り返す。


龍神と人神で争いがあった末、竜の大半が滅びてしまった。

龍神が負けたわけではないが狡猾な人神の策略により地龍と黒龍が裏切ってしまった。

そして二神とも力をそがれ、管理神に降格されてしまった。


その後、人神としぶしぶ和解し、現在のように人と竜の住む世界になってしまった。

だが、いずれ狡猾な人類によりこの星の竜も滅ぶかもしれない。


人神はこれまでもそうして竜を滅ぼし、星を乗っ取り、人類を進化させ、星の寿命を縮めてきた。

龍神も今回は竜人を作ってはみたが能力としてはやはり人類にはかなわないだろうが今回は奇跡的に龍人が生まれた。

非情に強力な力を持つがいかんせん繁殖力が弱く、今だ少数民族の一つに過ぎない。



◇◇◇




「覚えがあるだろう? お前の世界でも竜が滅びたはずだ」


……それって恐竜のこと、か?


「それで? どうしたいんですか? 俺にもっと龍神とSEXしろってんですか? 海龍様ともヤリますか?」

「そう(すさ)むな。お前にそんなことを頼むではない」

「じゃあ、どうしろってんです!?  なんで俺はここに呼ばれたんですか? いい加減、船に返してくださいよ!」


俺はだんだんイライラしてきた。

なぜかはわからないが。


「そう興奮するな。お前に頼みたいのは序列のことだ」

「……序列?」

「そうだ。本来であれば黒龍様は私達の母あり、地龍は姉妹だ。それが今では力を削がれ、管理神となってしまった」

「それが?」

「序列を元に戻す、手助けをお願いできぬであろうか?」

「お断りだ! 神様のことは神様同志で解決してくれ。雷龍や水龍は俺に言った。神様のことなど知らない方がいいと。知ったところでどうにもならないと。もうこれ以上俺を巻き込むのはやめてくれ!」

「ふむ、お前の言うことも一理ある、ように見えるがそうではない。お前はもう龍神と(えにし)を結んでしまった。それによる恩恵も受けたであろう? 子まで作りおって。良いか、よく聞け。私に協力するのはお前の為、引いてはお前の子供たちの為になることでもある」

「ちょっと待って下さい。そんなこと言われても、そんなすぐ、はい、わかりました、とはいかないですよ……」

「今お前は頭に血が上り、戸惑い、素直に私の言うことが聞けないだけだ。少し頭を冷やすが良い」

「え、それって……」


俺の言葉が言い終わらぬうちに海龍様の姿が消えていった。

後には俺とオロオロするあんこう娘が残るだけだった。

さて、いつもの「子作りお願い龍神」ではなくマジな話をされてしまった主人公。

宇宙創造の話から始まり……壮大な話になるかと思いきや神様同志のイザコザをなんとかするのを手助けして欲しいというなんともしょぼい話。

さて、主人公の決断は!?


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