プロローグ
俺は長い夢を見ていたとてもとても長い夢を…
毎日が退屈な日々だった。
いつもの朝、かわらぬ通学路、馬鹿みたいに笑い合う友達。
上井雄太(17歳)はもうこんな生活には飽き飽きしていた。
俺は刺激が欲しかった、世界を救うヒーローや
血肉沸き踊るような冒険がしてみたかった。
そんな子供みたいな夢を持ちながら気づいたら高校生になっていた。
正直俺の人生社畜にでもなって終わるのかなと思っている。
「雄太〜このあと暇だったらカラオケにでも行かね」
と数少ない友人の伊藤和也が能天気に話しかけてきた。
この男は一応サッカー部のエース的な存在でやたらとモテる。
だけど俺みたいなボッチにと良く連んでくれるいい奴だ。
今日は特に予定も入ってないので、和也と一緒に遊ぶことにした。
カラオケに向かっている道中コンビニにいつも買っている漫画雑誌があったため和也に
「飼いたい漫画雑誌があるから先カラオケ行っておいて」
と言い漫画雑誌を買いに行った
「今週のジャンクのダンピース楽しみだな〜」
と言いジャンクを取った瞬間いきなり背後からとある人物に声をかけられた、
その人物は全身黒コートで顔は覆い被されており良く見えなかった。
「少年、君にはこのペンダントを持つ資格がある、だから君にこれをあげよう」
と言い無理矢理ペンダントを渡された。
「ちょ、急になんですか!」
すると男は
「このペンダントはきっと君を救ってくれるはずだ、この先きっと辛いことが沢山あるはずだ、だけどこのペンダントだけは肌身離さず持っいてほしい、それがあの人の願いなのだから!」
言っている意味が分からなかった、なんの事か聞こうとした時にはもうそこにはさっきの人はいなかった。
とりあえず和也を待たせるのは悪いからカラオケ店まで急いで行った。
しかし何故かさっき謎の人物から貰ったペンダントだけは、離そうとは思わなかった。
和也とは2時間程度たくさん歌った。
だけどそんなくだらない日常も長くは続かなかった。
帰りに公園で和也と一緒にコンビニで買ったホットスナックを食べながらだべっていた。
「こんな生活がずっと続けばいいのにな」
しかし和也はどこか悲しそうな表情をしていた。
「そうだなずっと続けばいいのにな」
と言った瞬間俺は気づいたら腹部から血を出していた。
「え?」
訳が分からなかった、馬鹿みたいに笑い合いあった最高の友人の和也に、腹部をナイフで刺されていたからだ。
「おまえが悪いんだ…あの時の選択を間違えたお前が悪いんだ!」
選択?
いったいなにを言っているのか意味がわからなかった。
(やべー意識が遠くなってきた)
(死にたくね〜よ…)
(俺死ぬのかよ、あっけない人生だったな…)
(来世はもっとイケメンに生まれてーなー…)
気づいたら俺は訳もわからない場所に座っていた。
周りを見渡しても何もなく暗闇しかない世界だ。
何故か俺の場所にだけ光がさしていた。
目の前には一つの鏡があるではないか、しかし鏡を覗いたらそこにはとんでもない光景が写っていた。
「な!チーターが写ってる!?」
「いやちょっとまて、チーターがいま目の前の鏡に写っているって事はまさか!」
「俺チーターになってんじゃねーかよ」
黒の斑点に黄色の体毛、長い尻尾に細い足と腕、
もうこれは紛れもないチーターであった。
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