シャンドラーの誤算
お次はロルラリアブラザーズの次男坊ギーゴスである。ギーゴスはアイスエッジという双剣を使う変則タイプの剣士である。スピードだけなら3騎星の中でもトップクラスであり、一撃の破壊力というよりは、手数で勝負するタイプの戦士であった。少し位のダメージしか与えられなくても、怯まない戦い方も知っている。
そんなギーゴスを前にしても、リスターは冷静だった。冷気をまとった氷剣を前にしても、的確にSRSソードで反撃を返す。そのダメージは確実にギーゴスのアイスエッジとギーゴス本体に蓄積されていく。
ギーゴスが弱かったのではない。リスターがその上のレベルにいただけだ。ほとんどのアイスエッジによる攻撃は、ヒットしていたがリスターに受け流されていた。よって、リスターは痛くも痒くもなかった。
トールテンの時とは違い、仲間の手を借りるまでもなく、全く問題にせずギーゴスを退けた様な感じはした。
「とんだ茶番だな?こんな噛ませ犬をぶつけてこないで、さっさと姿を見せんか!シャンドラー‼俺は、お前に用が有るんだ。」
リスターは怒りに燃えていた。何故姿を見せずに自分よりも弱い相手をぶつけて来るのか?それが分からないリスターとしては許せない事であった。いや、分かった所でその気持ちは十中八九変わる事はないであろうと思う。
正直な所、これから大きな戦いを控えている身分である為、リスターとしては焦らされている様な感じがして、不快感MAXであった。後に何故シャンドラーがいなくなっていたのかを知る事になるのだが、それはあまりリスターの士気には関係の無い事である。
SRSソードを取り返して俄然として勢いに乗る、リスター達ではあったが、本当の試練はまだこれからであった。3騎星をやっつけ、シャンドラーをやっつけ、ギャートルをやっつけ、ブラックキャットを倒さねばならないのだから。ホワイトキャットの方は、アイザー・ゼルト元帥閣下とその部下達STRS兵士が何とかしてくれるだろうという、算段はしていた。




