ありがとう、サマムネ
コールブレイクとは、技の発動のトリガーを引く攻撃の事であり、技の数だけコールブレイクが存在する事になる。
例えば切り上げでコールブレイクを満たすAという技と、切り上げ+突きでコールブレイクを満たすBという技と、切り上げ+突き+左切り上げでコールブレイクを満たすCという技があったとする。
基本的には、コールブレイクが複雑であればある程その後の技の威力は増す。技の難度はA<B<Cという関係になる。
コールブレイクさえ上手く行けば8割程は「コンボ」として成功したと言える。これらコールブレイクからコンボと言う流れは「フロー」と呼ばれ、修行や特訓で取得出来る。
リスターは竜童の後の元でより難度の高いフローを叩き込まれていた。今例に上げたAがリスターコンボ01、Bがリスターコンボ02、Cがリスターコンボ03に該当する。尚、右左関係なく両サイドからコンボは放てる。
コンボの強さとコールブレイクの複雑さがリンクするのはもうお分かり頂けただろう。これこそが、リスターがSRSソードやKMシールドがなくても、DAS-4(四天王)と充分に渡り合えるだけの秘策である。
リスターコンボ01が発動してから、ディザードが倒れる間なんと5秒。凄まじいまでのスピードと破壊力であった。リスターは、この秘術により、苦戦続きの戦況を一変させた。
コールブレイクからのコンボの威力恐るべしである。これで、SRSソードとKMシールドがあれば鬼に金棒なのだが…。サマムネを鞘に納めるとリスターはおもむろに死亡したディザードの体をまさぐり始めた。
そう、彼が持って鋳る筈のKMシールドの欠片を持っているかどうかを調べる為だ。別に死体で戯れるような礼儀に反する事をしたつもりはない。
「あった‼これだ。あれ?これは何だ?」
するとリスターの持っていたSRSソードが輝き始め封印が解かれリスターの前に甦った。リスターはそれを目の前にしてこう言った。
「俺、二刀流行けるんちゃう?」
それは冗談だが、遂にSRSソードは取り返した。
「サマムネ…。ありがとう。」
サマムネの刀身は歯こぼれが凄かった。




