戦士の散り際
「今しかない!大車輪 With fire!!」
リスターの一撃が、アニマル軍団長タイガー・ラスクに見事炸裂した。ジャスミンもリスターも敵を倒した感触をしっかりと得ていた。
2人が背後にいた505遊撃隊員とグロセリオスと共に、エリア2へ進もうとしていた時の事だった。もう絶命したと思われていたタイガー・ラスクが、最後の力を振り絞りリスターに話かけてきた。
「見事やられたよ。その一言に尽きる。」
「死に損ないの台詞とは思えない歯切れの良さだな。」
「ふん。終始生意気なガキ大将だな。マァ良いこれを持っていけ。」
タイガー・ラスクは小さな水晶をリスターに渡した。
「これは!?」
「御主がブラックキャット総帥に敗れた時に奪った、SRSソードの半分が封印してある。もう半分の水晶を四天王の誰かが持っている。それを合わせれば、またSRSソードとして使えるようになる。」
「こっちの小さな水晶は、KMシールドだな?」
「ああ。4分割してあるうちの1つだ。四天王が1つずつ持っているが、これも4つ集めて合体させれば使えるようになる。」
「四天王を全員倒せば俺の最強装備は整う訳か?」
「ああ。だがその先に待つブラックキャット総帥には勝てんだろうな。覚醒後のブラックキャット総帥には。」
「まさか、その為の時間稼ぎか?」
「それを答える義理はないな。そろそろ死なせてくれんか?」
「成る程な。タイガー・ラスク、君が最初の対決相手で良かった。ゆっくり眠ってくれ。皆先を急ぐぞ!」
そう言うと、リスターは水晶をグロセリオスの輸送車に積み込み、エリア2へ向かった。エリア1で全ての戦いが終わった気になっていたが、まだエリア2、エリア3、エリア4、ブラックキャットの待つラストエリアが控えていた。
リスターは、配下のグロセリオスや505遊撃隊員を上手く使いながら、省エネ戦法で進む事が求められていた。次のエリア2にはドラゴン軍団長ディーザードが待ち構えていた。4軍団中最強クラスのドラゴンソルジャーを擁するドラゴン軍団は、エリア1のアニマル軍団より遥かに実力は上だ。
だからこそ、グロセリオスや505遊撃隊がリスターをどこまで温存出来るか否かが、大きな要素になってくるのである。




