アイザー・ゼルト元帥閣下の懐刀 グロセリオス
一方、同時進行でリスター達とは、別方面から作戦を行っている別動部隊がいた。たった20人の規模でしかない部隊を率いたのは、リスターの姉ジャスミン中尉だった。
さっきまでサウィノスにいたのだが、アイザー・ゼルト元帥閣下の特命により、サウィノスを離脱。使い慣れた50式マシンガンで勇猛果敢に敵陣へと飛び込んで行ったのである。
この別動部隊の存在をリスターは把握していなかった。ジャスミン率いる別動部隊の指揮官がアイザー・ゼルト元帥閣下であったからだ。そう、ジャスミン率いる20人はアイザー・ゼルト元帥閣下の懐刀である"グロセリオス"と言う名の特殊部隊に加わった為である。グロセリオスの隊員は皆、兵隊からの叩き上げで、本当に信頼された人間しか隊員にはなれなかったのである。
強さはピカ1。強さに関してだけは心配する必要のない部隊である。グロセリオスをアイザー・ゼルト元帥閣下が投入したという事は、サウィノス奪還に並々ならぬ決意を持って臨んでいると言える。
STRSの中でも、ゴッド4を除けば恐らく太刀打出来る兵士はいない。そんな精鋭部隊の投入は、アイザー・ゼルト元帥閣下にとってもギャンブルだった。リスターにグロセリオスの存在を知らせなかったのは、余計な負担をかけない為である。リスターの姉ジャスミンをグロセリオスに帯動させるのは、リスターの為だった。ジャスミンにはその事は伝えてある。
勿論、同じ1STRS兵士である事に変わりはなく、特別扱いをしたつもりはない。グロセリオスの投入の理由は、敵勢力が予想以上に多い事だった。
だがブラックキャットからしてみれば、シメシメである。サウィノスの都市ごと吹き飛ばせばSTRSの戦力を大幅に削減出来るからだ。まぁ、それはDAS-4(四天王)を犠牲にする覚悟がないと出来ないが。それは最終手段である。
そんな中でも、自力でDAS本拠地まで飛び込んで行ったリスターに感銘を受けたのも確かである。アイザー・ゼルト元帥閣下としても、全力でバックアップしているぞと、周囲にアピールする。そんな政治色の強いグロセリオスの投入であったが、一体いつの間にジャスミンはグロセリオスの隊長になったのか疑問は残る。




