西部方面隊本部近く 夢の街ドリーマーズタウンのある惑星ドゥリコフ
リスターがクラドークサスにワーピングして1ヶ月が経過した頃の事であった。ようやくアットラー隊長の言っていたC級以上の宇宙駆逐艦が到着した。
その艦に乗る事を許されたものの、行き先やその他重要情報は一切教えてもらえなかった。それでも、リスターはアットラー隊長を信用していた。何故なら、アットラー隊長はDASに対して並々ならぬ憎悪を抱いており、STRSという組織は、DASに対峙する筆頭勢力である。
言うなればクラドークサス警備隊の最大の同志と言っても過言ではない。そう言う気持ちがあるからこそ、悪い扱いはされないであろう。と、リスターの直感はそう思った。
いずれまた会う事になるかもしれないアットラー隊長や、クラドークサス警備隊の隊員に見送られ、リスターは死の星クラドークサスを後にした。
2日後。リスターは見知らぬ惑星の大地に降り立っていた。乗艦していたC級宇宙駆逐艦は、リスター以外の人員と荷物を降ろすと、すぐにまたクラドークサスに戻って行った。
リスターは一緒に降りた男性にたまらず質問した。
「ここは何処ですか?」
すると男性はこう答えた。
「ここかい?ここは夢の街、ドリーマーズタウンになる予定の場所だよ。」
ドリーマーズタウン??聞いたことの無い惑星だが、とりあえず自分が知りたい情報はそういう事ではない。
「あ、そうそう。ここはウエストエリアの惑星"ドゥリコフ"だよ。STRS西部方面隊本部からは目と鼻の先だよ。」
そうそう知りたいのはそういう情報。
「ありがとうございます。で…ここは宇宙駆逐艦とかって手に入りますか?」
「よくその辺は分からないけど、この街は広いんだ。街のどこかには他の惑星に行ける手がかりがあると思いますよ。」
そう言って男は白のF級小型宇宙ポッドに乗りそそくさと消えて行った。
「そうか。ここは西部方面隊の本部近くなのか。何とかウェントハット中将にコンタクトをとりたいな。そうすればまた戦線に戻れる。でもその為には、C級以上の宇宙駆逐艦を自前で揃えるしかないか…。」
西部方面隊本部は目の前だ。リスターはあと少しで、STRSに戻れる所まで来ていた。




