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忍び寄るDASの影

 「これで良し…と。」

 「忘れ物はないわ。」

 2人は決して広くない改シューティングカプセルの中に詰め込めるだけのありったけの食糧を搭載した。

 「シューティングカプセルには、必ず非常食として2週間分の水と、せんべいや乾パンがあるから大丈夫だよ、ジャス姉。」

 「ちょっと多い位がちょうど良いのよ。生臭いけど、じきになれるわ。」

 2人が持ち込んだ食糧と非常食を合わせれば恐らく1ヶ月はもつだろう。いくらシューティングカプセルを改造したとは言え、宇宙戦艦が1日で移動出来るアールゴニタまでの距離を考えれば充分過ぎる備蓄であった。

 シューティングカプセルはあくまで脱出用の簡易なものだ。機銃もなければ大砲もない。戦闘力は皆無であった。その為、敵艦隊に補足されてしまえばひとたまりもない。DASに見つからない事を願うばかりであった。

 いよいよ脱出の準備が整った。

 「ジャス姉、準備は良いかい?」

 「OK OK良いわよ。行っちゃって‼」

 「3、2、1、発射(ゴー)

 リスターが取り付けた小型ブースターのおかげで、届くはずのない成層圏を超えて、アーセルラシティの上空に達したところで、もう1段階のブースターが点火して、ついにシューティングカプセルを自由自在に操れる無重力圏内に突入した。

 「ここから、アールゴニタへの道筋は事前に入力してある。だからそこは心配いらないよ、ジャス姉。」

 「敵に遭遇しない事を祈るだけね。」

 リスターの不安はその一点にあった。ここまでの道程は予想通り、というかまぁ、これて当然という当たり前の所を通過してきたに過ぎない。

 正直な話、このスピードで行くとアールゴニタに着くのは約3日後位になる。だが、その間一切の敵艦隊に見つからずに無事に到着出来る確率はどう見積もっても5%以下であった。何故ならこのエリアはバッチリとDASのドラゴン軍団の支配地域だったからである。

 遭遇するならせめてSTRSの艦隊であることを祈りたいが、現実的ではなかった。2人を乗せた改シューティングカプセルはゆらゆらとアールゴニタに向けて進行していた。

 その艦影がDASドラゴン軍団の偵察機のレーダーに映っているとも知らず…。

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