東虎の乱
その頃、STRSとDASの争いにおけるターニングポイント的な戦いがイーストエリアで発生していた。事の発端はイーグラス中将指揮下の東部方面隊第2艦隊が、エリアパトロールに入ろうとしたところへ、アニマル軍団のタイガーラスク軍団長が横槍を入れた事に端を発す。
戦闘勃発の当初は、只の小競り合いであったが、イーグラス中将もタイガーラスク軍団長も、一歩も引かず、援軍を要請しての大戦闘にまで発展する。STRS保有作戦機3万機のうち、約半分の1万5千機をイーグラス中将は投入し、宇宙空母2隻と宇宙戦艦5隻を投入した。
一方のDASも、アニマル軍団を中心に保有作戦機2万5千機のうち約1万機を投入。宇宙空母3隻、宇宙戦艦7隻を投入した。
これだけの陣容は、偶発的とは言え、紛争の域に達していた。そして、大戦の行方を左右するものになってしまっていた。結局、両軍の損失が酷くなる前にイーグラス中将とタイガーラスク軍団長が休戦に合意。その場を治めた。
この戦いは後に東虎の乱と呼ばれる事になるのだが、この東虎の乱を境にしていよいよ戦いは、最終局面を迎える事になる。
アイザー・ゼルト元帥としては、兵力で劣る以上リスターの存在とSRSソードとKMシールドの武具がキーポイントになると考えていた。たが、未だにリスターを発見出来ていなかった。彼を現場の総大将として祭り上げる事を考えていた元帥としては、東虎の乱のような大戦闘が起きる前に、何としてもリスターを発見せねばなるまい。
対するDASとしては、兵器の質では劣るものの、兵力ではSTRSを兵力では上回っていたため、その勢いのまま、大戦を優位に進めたいと考えていた。
両者の思惑が交錯する中で、アスグリア銀河の命運はある男の双肩に懸かっていたと言っても過言ではなかった。無論、その男とはリスターである。いや、正確にはSTRS少尉銀河少年リスターと言う方が正確だ。
しかしながら、彼の大事な相棒であるSRSソードはサウィノス最深部に封印され、KMシールドは4軍団長が分割して持っている。その武具無くして、彼はどうしようと言うのか?彼の狙いはどこにあるのか?答えは闇の中であった。




