死の星クラドークサス
クラドークサス…、そこはアスグリア銀河においで"死の星"として認識されている星である。何故"死の星"なのか?
それは、惑星中にある"デスフラワー"という植物の大群があったからである。幸いにしてリスターが投げ飛ばされていたのは、山岳地帯であり抜け穴的な場所だった。
デスフラワーは、その名の通り触ると死んでしまう花で、化学的にこれ以上、このアスグリア銀河の中で強い毒物はないとされる、テントスという成分が人を死に追いやる。その致死量は、小指第一関節分のテントスで、大人1000人を死に追いやる事が出来るという。
そのテントスがたっぷり含まれたデスフラワーが散らばっている、クラドークサスで生活するならば、防毒マスクは必須で、リスター救出の際にも防毒マスクは使われた。マスクも着けず外を出歩くのは、この惑星ではタブーである。
リスターも3、4日経過すると、次第に体力や、気力が回復して、意識も回復するまでになった。世話をしてくれたのは、謎の団体のサーヤンという20歳の女性だった。
「駄目じゃない?まだ寝てなくちゃ!それに外を出歩くのは、防毒マスクを手にいれてからよ!」
という具合にリスターはくどいくらいに怒られた。リスターはその時初めてウエストエリアのクラドークサスという惑星に、ブラックキャットにワーピングされてしまった事に気付いた。死の星クラドークサスは、STRS指揮下幼年学校の授業で習っていた。
「ここがクラドークサス?ブラックキャットめ脱出不可能だろうと、この惑星を選んだのだろうが、この惑星はSTRSの範囲内だぜ。そこは誤算だったな。」
「だから、まだ寝てなくちゃダメだってば!」
「うーす。」
「もう大丈夫だ、介抱してくれてありがとう。もう体も心もバッチリなんで。俺は戻らなくちゃ‼」
すると、サーヤンはこう言った。
「戻るって何処に?ここから出るにはC級宇宙駆逐艦クラス以上の乗り物が無いと脱出は不可能よ。」
「え?」
「ここは何度も言う様だけど…。」
また、サーヤンの説教が始まった。リスターはここに来てサーヤンの説教を聞かない日はなかった。
「で、ここから出るにはどうしたらいい?」
「まずは、アットラー隊長に聞かないと。」
「アットラー隊長?」
「ここのボスよ。あんたも生きてこの惑星から出たいなら、敵に回しちゃ駄目よ。手強いからね。」
と、サーヤンは謎の団体のボスの存在を、リスターに明かした。




