飛ばされた最果ての地
その頃、アイザー・ゼルト元帥も緊急で4方面隊隊長4人からなるゴッドフォー(神4)をスペース・フォース・ファイブに召集して、ブラックキャットによってワーピングされてしまったショーン・リスター少尉を捜索するべく会議を開いていた。
東部方面隊隊長イーグラス中将、西部方面隊隊長ウェントハット中将、南部方面隊隊長サウザイガム中将、北部方面隊隊長ノーチラガル中将というそうそうたるメンバーだった。
5人はまず、指揮下の宇宙戦艦及び以下級宇宙駆逐艦の2分の1程の大艦隊を動員する事を決定。これは1少尉を助ける規模にしては大がかりな部隊投入であった。それだけの艦隊を指揮する人物が必要だったが、直ぐに決まった。その任はリスター少尉の竹馬の友、南部方面隊第2艦隊司令ゴードス大佐(1階級昇進)に一任される事になった。STRS史上最大の作戦が今始まろうとしていた。
さて…、ブラックキャットのワーピングによってリスターは惑星クラドークサス(西部方面隊エリア)の険しい山の中に投げ飛ばされていた。気がつくと、ベットか何か柔らかい敷布の上にいた。
「あら?目が覚めたのね?御腹空いてるでしょ?今作るわね。」
見知らぬ女性が料理を作ってくれていた。温かい飯なんてここ数日口にした事は無かった。リスターはゆっくり飯を食べると、食後にその女性から事情を聞いた。どうやら、この惑星にワーピングされて、この惑星の人に助けられたのは、確かだった。
不幸中の幸いだったのは、STRS勢力下の惑星に飛ばされたという事だった。ブラックキャットは、そこまでは計算外だったのだろう。DAS勢力下に行ったとしたら、恐らく見捨てられ晒し者にされ死んでいた事だろう。
リスターが今やることは2つ。体力の回復と情勢及び状況の判断である。同時進行だが、これまで戦い抜いてきた事を思えば楽勝だった。
とは言え、ブラックキャットは、直ぐに帰って来れる場所にワーピングするはずが無かった。




