守勢から攻勢へ
今のリスターにとって、ギャートルは格上の相手だった。雑兵を楽に倒せるとは言え、軍団長レベルが出てきては、SRSソードとKMシールドをもってしても、勝利を得る事は難しい。
それでも、この場を乗り切る為には、SRSソードの矛先をギャートルに向ける必要があった。最悪でも、倒す事が不可能であっても、ギャートルを戦闘不能にさせる事が出来れば、現時点ではOKだった。その隙に退路をひた走り、エイトフリゲーツ旗艦アミノルドに飛び乗れば、また期を見て乗り込む。それが出来れば、充分合格点だった。
既にジャスミン小隊と30人の誘導隊員はアミノルドに収容された。ギャートル以外の雑兵は、何とか突入部隊が撃破したが、やはりギャートルには手も足も出ない。
ここでリスターの判断によって、10人の突入部隊員がアミノルドに帰還するよう指示を出した。
ギャートルはランス(槍)を持っている。このランスが厄介な代物で、電気を滞留させたサンダーボール、冷気をまとったアイスボール、熱量のあるファイアーボールの3種類のエネルギー波を出す事が出来た。それらを自由に調整する事で、破壊力抜群の衝撃波を多用してきていた。
リスターは残留した残りの突入部隊員10人を守るため、強烈なリジェクトウェーブをKMシールドで弾きながら、後方から50式マシンガンや54式レーザーガンで、応戦させた。リスターが守り部下が攻撃する。そのスタイルがどうやらしっくり来たようである。
確かに、SRSソードを振りかぶって一撃を加えるなど、自殺行為に等しい。ならば戦いを守り重視にするという考え方は、後ろ向きでも何でもない。目にも止まらないリジェクトウェーブの応酬に、KMシールドも流石に悲鳴を上げ始めていた。しかし、今ここでKMシールドを失うわけにはいかない。
リスターは、援護射撃をさせながら、
「ミカエル!KMシールドを頼む!」
「は、はい!」
と言って、SRSソードを抜き遂に攻めスタイルに、シフトしようと試みていた。




