第68代STRS総帥アイザー・ゼルト元帥閣下
アリスガを奪還した南部遠征軍は、サウスエリアにおけるDAS勢力の駆逐に成功する。これにより、STRSはサウスエリアの制域権を獲得した事になる。
ゴードスは南部方面軍司令官に抜擢され、リスターはSTRS指揮下幼年学校生ながら、ゴードスの最側近である南部方面軍司令付属の参謀総長へと、大出世した。ジャスミンは遊撃隊群の隊長に就任し、ミシェリーは、南部遠征軍の旗艦だった宇宙戦艦テリーグルドフの艦長に就任する事になった。
ゴードス、リスター、ジャスミン、ミシェリーの4人はSTRSの正式な指揮命令系統の傘下に入る事になった訳である。とは言え、行動に著しい制限がかかるという事はなく、むしろ正規兵となった事で、行動範囲が広がった。劣勢が続く他エリアのSTRS勢の盛り返し、勢力の拡大をするための作戦が、これから繰り広げられる事になる。サウスエリア制圧に一喜一憂している暇はなかったのである。
さて、STRSで一番偉い人は誰か?という質問に答えられるか?という一見するとSTRSの兵士ならば誰でも答えられるであろうという質問にリスターは答えられなかった。その為、ゴードスから直接伝授される事になった。
STRSで一番偉いのは、元帥(大将より上)であるアイザー・ゼルト閣下である。STRSを創設したテオドア・ゼルトの家系の第68代STRS総帥である。顔を見ることが許されるのは、中佐以上の左官及び将官だけというVIPである。
アイザー・ゼルト閣下には、絶大な権力が与えられていたが、それに相応しい人間性と能力を有していなければ、宝の持ち腐れである。アイザー・ゼルト閣下に限らず、過去の67人の元帥は皆、STRS将官候補生学校を卒業している。STRS指揮下幼年学校生のトップ50人しか入学出来ないという、まさにエリート中のエリートが通う学校であり、未來のSTRSの将官を育成する為の学校である。
リスターはそれを聞き、そんな雲の上のような存在である人に会えるとは思ってもいなかった。だが、リスターとゴードスは、その雲の上のアイザー・ゼルト元帥閣下に呼ばれる事になった。




