お目当ての場所
コルオスターに行って、リスター達はゴードスの記憶だけを確かに、南部方面隊第2艦隊司令部を探した。
探し当てるのはそこまで、苦では無かったが、何だか様子がおかしい。聞くところによると、先日DASの兵士に襲われたという。下っ端兵士の話ではあったが、ゴードスはこう吐き捨てた。
「駄目だ。こんな下っ端にきちんとした情報が届いて無いようじゃ。尉官以上の兵士はいないのか?」
ゴードスは仮にもSTRSの元中佐を張った男である。彼の判断は信用性があり、合理的である。下っ端はすぐにゴードスの圧力に屈して、上官に連絡をとり始めた。すると、30分後には到着するという。その間、ここで待つ許可も得た。そしてあっという間に30分は経過した。
「ったく、面倒臭えな。このくそ忙しい時に。」
その上官はゴードスを見ると反応がガラリと変わった。
「ゴードス中佐じゃないですか?生きてらしたんですね?」
「すまんな、くそ忙しい時に。元気かリスドラン?」
「あれからゴードス中佐がいなくなってから、第2艦隊はほぼ壊滅状態になりました。ゴードス中佐の後任で第2艦隊を任されたのが、私でした。因みに今は少佐に出世しました。」
「それは良かったな。ところで、戦況はどうなっている?詳しく聞かせてくれ。」
「ところで、こちらの少年少女は?」
「連れだ。STRSの幼年学校生と田舎少女だ。使えるぞ、こいつらは。」
ゴードスの元部下に出会えたお陰で、今まで溜まっていた謎はどんどん解けて行った。それでもまだ、ようやくスタートラインに立ったに過ぎない。リスターはこれから待ち受ける激動の運命に身を投じる事になるのであるが、現時点ではそんなに話が飛躍する事を考える事は難しかった。
とにかく、現状を把握する事によって、これからどうすべきなのかという道筋をはっきりとさせなくてはならない。何よりもようやくお目当ての場所に辿り着いた3人であったが、そこで知らされる事実は驚きの内容であると共に、受け入れ難いものであった。




