善は急げ
ミシェリーを仲間に加えた3人は、ダルドスター、ディルドスターと回っては見たものの、目新しい情報もなく、途方に暮れていた。
「ミシェリーは、何かDASとSTRSの戦闘状況について、知っている事はないかな?」
藁にもすがる思いでリスターはミシェリーに聞いた。
「特にないわ。でも私を輸送してくれていたSTRSのC級宇宙駆逐艦の艦長はこう言ってた。今はお互いに様子見で五分五分だけど、DASの新型宇宙戦艦2隻と宇宙空母1隻が、建造されたらSTRSは苦しくなるだろうって。」
「本当か?ミシェリー。」
「それって1ヶ月以内の事だよね?」
「そうね。そんなに時間はたってないわ。」
「リスター!これはウカウカしてられないぞ。」
「そうみたいですね。早い所、惑星間を移動出来るC級宇宙駆逐艦か輸送機を見つけないと。」
「この星の大都市はあらかた見たけど見つけられなかったからなぁ…。」
3人はこのサウロスターから動けずにいた。
「そうだ!ゴードスさん、南部方面隊の司令部の場所って覚えてますか?」
「覚えてるが、このサウロスターではないぞ?…ん?…そうか!」
「この星には南部方面隊第2艦隊の司令部がある。確かコルオスターにあったはず。」
「ゴードスさん。そこへ急ぎましょう。」
「善は急げだな。」
誰かいてくれ。たとえわずかな可能性でも、光があるなら、わずかな光を追うしかない。これまでも、そうであったように、これからもそうでなければならない。この広い銀河の中でゴードスやミシェリーに会えた確率を考えれば、こんなものはピンチでも何でもない。
そして、これから倒そうとしているDASは、そういう小さな奇跡を積み重ねていくしか倒すことの出来ない敵である。それはリスター、一人で出来る事ではない。
アスグリア銀河における覇権争いという面も、あったが、それ以上にこの銀河の民は、平穏と安定を求めていた。だから、民は戦争でどちらかが勝って欲しいというよりは、生活を豊かにしてくれる方を支持して、応援する傾向があった。




