時代の曲がり角
それから2ヶ月後の7月11日。アイザー・ゼルト元帥の元にリスターが召集され、回復を順調にアピールした。
近日中にも公開される新拠点サウィノス大ホールにて約8万人規模の戦勝祝賀祭を広く国民に解放し行う事が国民に伝えられた。
無論その式典の主役は、「スペースギャング動乱」の勝利の立役者であるショーン・リスター少佐であった。リスターの使っていた装備はそのまま彼が所持し、彼の死後の取り扱いについては、STRS指揮官に委ねられる事も、この時に確認された。
アイザー・ゼルト元帥閣下としては、このイベントを行う事により、アスグリア銀河内の勢力図が変わった事を内外に示すと共に、今後は一兵の反乱も許さないという姿勢を示す狙いがあった。
リスターの栄誉表彰はそのスケープゴートであった。それでもリスターとしては、一生懸命戦った事が素直に評価される事は、素直に嬉しい事であった。彼に与えられる勲章は、S-Sという最高ランクの勲章が贈られる事になった。E-E~36段階ある細かく分かれた勲功の最高位にあたるツーエス(S-S)という最高の栄誉を過去に貰ったのは第69代元帥アイザー・ゼルトただ一人である。
その勲章の選定にあたっては、 専門の独立機関があり、簡単な事では高位の勲章は貰えない。ツーエス(S-S)の評価が妥当であると判断された事は、光栄に思って良いだろう。
ちなみにアイザー・ゼルトがツーエス(S-S)を貰ったのはDASとの和平調停100回と言う伏し目で、受賞している為、リスターの受賞理由とは大いに異なる。
それは長きに渡る間アスグリア銀河にて戦いや争いが無かった事の証でもある。だから、リスターのツーエス(S-S)受賞は世代交代という時代の曲がり角だったのかもしれない。




