3度の飯と風呂と寝床
STRS最高司令官第69代元帥アイザー・ゼルトの勝利宣言から2日後の5月11日にDAS暫定勢力代表のロズワイド少将は、正式な敗北を宣言し、アスグリア銀河内におけるDAS全戦力の戦闘停止及び、無力化並びに投降を全部隊に指示した。
後に「スペースギャング動乱」と呼ばれる事になるこの戦は、これを以て全戦闘が終結した。そして直ぐに次の時代を迎えた。
STRSの統一司令官のリングーイドル中将は、アイザー・ゼルト元帥閣下の指示通り、収容したDAS兵士を一人一人チェックし、精査した上でSTRS部隊に配属させた。実際には150万人強の人間が衣替えをする事になった。
残りの約10万人のDAS兵士は、この「スペースギャング動乱」においての犠牲者が含まれている。年齢や諸事情でSTRSに任官出来なかった者もいる。いずれにしても、予想を遥かに超える任官者の数に、アイザー・ゼルト元帥を始め数多くのSTRS士官達幹部はしたり顔であった。
これによって、STRSの総兵力は、約220.5万人に膨れ上がった。DASの元兵士の中には、この衣替えに納得していない人間もいたが、実際には、ホワイトキャットやブラックキャット及び四天王を失なった事により、DAS兵士は食い扶持をSTRSに求めた。明日明日の飯と風呂、寝床、その全てがSTRSにはあったからだ。
と、割り切れる人間もいれば、真面目に前向きにSTRSでやっていくしかないと、考える元DAS兵士が大勢を占めていた。軍人とは言え、DASの元兵士のほとんどが、スペースギャングに育てられたり、スラム出身の貧しい人間がほとんどである為、生きて行く為に軍隊(DAS)に入るという構図は、DAS元兵士にとっては当たり前の事であった。
今後の事は、時が解決してくれる。だが、3度の飯と風呂と寝床は、とりあえず保障されている。




