ゴードスの過去
「ゴードスさん!ゴードスさん、目を覚まして下さい!」
リスターは、ゴードスを必死で叩き起こした。そして、目覚めたゴードスはカプセルから出て回りを見渡して、こう呟いた。
「なんだ。ここは…?もしかすると…サウロスター?」
ゴードスがカプセルの正体を見破ったのはこの時だった。2人をここまで運んできたカプセルの正体は、AIS(惑星間攻撃用補助シールド)と呼ばれる惑星を攻撃するために使う際、弾頭に装着するポッドで、分かりやすく説明すると惑星間弾頭ミサイルの先端に取り付けてミサイルの命中精度を上げる為の補助装置である。
着弾の1分前に目標付近で、ミサイルから分離して、味方の救援を待つというシステムだった。よくよく考えて見れば、よくそんな代物が運良く転がっていたものである。
2人が乗ったのは、1度使用されていたAISであった為、弾頭もなく目標指定場所のサウロスター付近に来て上手く着地したのだろう。
「なぁ、リスター。少し俺の話を聞いてくれるか?」
「はい!勿論です。」
するとゴードスは自分の過去について赤裸々に語り始めた。リスターには知っている事もあったが、それは氷山の一角に過ぎなかった。
聞けば、ゴードスは元STRSの士官だったという。南部方面隊に所属し、このサウロスターで宇宙戦艦3隻、下級宇宙駆逐艦(A~C)18隻を率いた、第2艦隊の司令官をしていたというのだ。そんな彼が、ダストボックスにいたのは、訳があった。
自分の率いていた艦隊が、激戦の末にシャンドラー率いるDASシャドウ軍団に敗れてしまった。ゴードスの部下はほとんど戦死してしまい、艦隊は見るも無惨に壊滅したという。そう、彼は捕虜だったのだ。最終階級は中佐であったというから、彼は他聞に漏れずエリートだった。