easyなaction
戦いの流れは、もう9割方STRSに傾いていると言えた。だが、ここからが正念場なのである。ギャートルをよしんば討ち取る事が出来たとしても、ブラックキャットを倒す前に強力な近衛兵士がいる。まぁ、そこはグロセリウスに任せたとしても、ブラックキャットを仕留めるのに二時間以内という制限時間があるのは困ったものだ。
爆発物処理班を向かわせたが、簡単に起爆装置を解体する事が出来ると安心するのは危険だ。クライシスプランとして最も確実なのは二時間以内に死に体のギャートルと憎きブラックキャットを仕留める事である。
リスターとしては、先の事を考えるのも重要だが、やはり今はギャートルを討ち取る事に全身全力を尽くすのが得策である。アトミックファインバーの処理に手間取りギャートルにやられては、身も蓋もない。ギャートルは確かに強い。強いが今のリスターなら、勝てないレベルの相手ではない。
それを踏まえて、リスターは一振りで決めたい。ギャートルもドゥーピングの副作用が出始めて来て弱っているのは明らかだ。
「やはり、お前には勝てんか。」
「敗北宣言か?」
「己の力の全てを出して、その力を信じ抜き一振りで、決めろ!ぐふっ。」
「分かった。みっともねぇ死に方はさせねーよ。」
余計な雑念が生じやすい状況ではあるが、それに支配される事なく、ギャートルを討てるか?リスター。血へどを吐くほど弱っている相手だ。苦しませず、逝かしてやれ。アトミックファインバーの解除はどうするか?
リスターの頭の中には様々なシナリオが描かれていたが、やるべきactionは単純かつeasyな事である。




