ホワイトキャットの行方
「ミシェリー少尉!アイザー・ゼルト元帥がお呼びだ。」
「元帥閣下が?はい。分かりました。」
「ミシェリー少尉、ホワイトキャットが戦線を離脱したのは、知っているな?君にホワイトキャットを捕まえて来て欲しいんだ。サウィノスの事はリスター達に任せて、急ぎホワイトキャットの行方を追ってくれ。」
「はっ。仰せのままに。」
ミシェリーには仕事が残されていた。戦争に乗じて行方をくらませていた、ホワイトキャット中将を取っ捕まえる任務を片付ける必要があったからである。一応の逃走ルートは、分かっている為、見つけ出すのは至難の技という訳でもなかった。
とにかくSTRS艦隊のほぼ全てを動員して、ホワイトキャット捜索部隊を結成し、何としてもブラックキャットを倒す前に捕まえておきたいというのが心情ではあった。敵艦隊は全て壊滅しており、支援戦闘機すら皆無である。
ミシェリーはホワイトキャットが乗っていると思われる宇宙戦艦「ミノワーグ」の行方を部隊に追わせていた。もう1隻現場から去った戦艦があったが、それはダミーであった。大きさも能力も兵装も全てが、「ミノワーグ」程の威力も何もない、戦力的に劣る戦艦である事は直ぐに分かった。
「ミノワーグ」に照準を合わせたが、もしかすると「ミノワーグ」にもホワイトキャットがいない可能性はある。単騎で逃げ出した可能性があるからだ。そう言う考えも脳裏に浮かんだが、その時は他の策がある。とにかく、ホワイトキャットを捕縛する、あるいは撃墜もやむ無しという厳しい目付きで気持ちを全面に出して事に臨んでいた。
ホワイトキャットを仕留めるのが少尉にして、司令のミシェリーの役目だった。ジャスミン大尉から直接STRS艦隊の指揮を任された若き少女はホワイトキャット討伐という、最も重大なミッションを任される事になった次第である。
ミシェリーの武器はかぎづめのようなクロウド・クロウという爪を使い、接近戦、近接格闘を得意としている。だが槍や弓矢といったリーチの長い武器には、弱い面がある。
ホワイトキャットがどんな武器を使うか、事前情報はなかったが、とにかく見つけ出すのは部下達の仕事で、そこから先はミシェリーの裁量に委ねられるという状況であった。
仮にここで、ホワイトキャットを見失う事があれば、またDASのようなならず者の組織が出現するという可能性を残してしまう事になる。それだけは何としても避けなければならなかった。
「しかし、アイザー・ゼルト元帥閣下も大胆な事するよな。」
「確かに。リスターやミシェリーにジャスミンと言ったこの戦争で活躍してきたのは、STRS指揮下幼年学校生じゃねーか。現役の将校達の怒りを買わなきゃいいがな。」
「ま、彼らのお陰で悲願だったDASの駆逐に成功しそうなんだから、良いんじゃねーか?」
「アイザー・ゼルト元帥閣下の目の付け所は違うんだよ。俺達名も無き兵士とは違ってな。」




