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にゃんにゃん大魔王、碧天に堕つ①
そうしてにゃんにゃん大魔王はゆっくりとゆっくりと、澄んだ青空へと落っこちていきました。
にゃんにゃん大魔王が流した涙は雫となり、にゃんにゃん王国に三日三晩雨となって降り注ぎました。雨が上がった後には、青空いっぱいに大きな虹がかかり、その虹の足元には、王妃の大好きだったクチナシの花が咲いていたそうです。
にゃんにゃん大魔王は国民のみんなから愛されていたわけでもないし、沢山駄目なところもありました。それでも、王国の外れに建てられたにゃんにゃん大魔王と王妃のお墓には、今でもクチナシの花が絶えず捧げられています。
それはきっと、にゃんにゃん大魔王が少しだけ他の猫よりも不器用だっただけで、心根の部分では国民想いの優しい王様だった。そのことをきちんと知っている猫たちが、国民の中にも少しだけいるからなのかもしれません。