終わりの始まり
始めましてこんにちわ! 夕月あいむです!(なんか、謎にバーチャルYouTuber感があるな……)
この度は星の数ほどある(いや、ほんとかはしらんけど)小説の中からこの小説を開いて頂きありがとうございます! 出来れば、最後まで見ていってほしいです。
「あぁ私、もう、生きれないや」
いっそ、ここから飛び下りてしまおう。何度そんなことを考えただろうか。
『─ぉがぁざん、ごめんなざっ……い“! もう、殴らないで……』
増えた痣を数えることもやめた。
痛みに鈍くなってきた。
涙がこぼれなくなってきた。
ただ、道行く家族を疎ましく思った。
「じゃあ、逝こうか」
重心を傾けると、浮遊感が体中につきまとった、落ちてゆく。
時間が酷くゆっくりに感じられた。だが、きっと私はもうすぐ肉の塊になる。
どうせ誰も私を……。
『僕は君といるときが1番の楽しいな。だからこれからも……』
あれ? 今誰かの笑顔が浮かん、だ───。
グシャッ
☆☆☆☆
─私は自分の家が何より自慢だった。
官僚の父に、元モデルの母。大きい家に住めて、毎日美味しいご飯を食べれる。良く言って天真爛漫、悪く言って無作法な私を良家のしきたりを重んじていた祖母は私のことを疎ましく思い、父は私に興味すら無かったが、それでも母の愛があればそれから目を背けられた。
のにね?」
最後の言葉と合わせるように、急に目の前が明るくなる。突然上がった光度に視界がぼやけ、徐々に鮮明になっていく。見ると、一人の男が絢爛豪華な椅子座っていた。その男はそんな椅子に座ってもなんら違和感がないほどの高貴さと威厳があった。
「神……様?」
「当ったり~! 地球課第六審判を任された神。トレイドでっす」
先程の威厳はどこへ行ったのか、ウインクにピースと異様に高いテンションで神と名乗った男はそう言った。背丈は170センチ位で、服は宗教画や神話画で見たキトンを着ているようだ。ということは、ギリシャの神様? でも、トレイドって名前の神様っていたっけ?
「混乱しているところすまないけれど、こちらから質問させて貰おう。君は佐藤 彩夏さんだね?」
「……はい」
「ここに来た、経緯は分かるかな?」
「え……。あ!」
あ、そうだ。私はさっきビルから落ちて自殺したんだ……! どうして、忘れてたんだろうか。ここに居ることもまるで疑問に思わなかった。
「私、死んだんですね」
「当たり前じゃん。自分で死んだんでしょ」
神様はあっけらかんと言った。興味も無い様子だった。
開いた口が塞がらないとはよく言うが、人間本当に驚いたときは固まってしまうらしい。
何で? 神様ってもっと慈悲深いんじゃないの?
「はぁ……、君さぁ神を決めつけすぎ。どぉーせ、慈悲深いとか思ってるでしょ? 他の神の方針は知らないけど、とりあえず俺は君が思ってるような神様じゃないから。あー後、──
──君、地獄行きね」
「え……? な、なんでですか!? 私、虐待されて友達もつくらせて貰えなくて……なのにそんなの……」
怒りよりも先に疑問が湧く。親戚には陰口を言われ、父は私に一切の関心を持たなかった。母は狂っていることはあの家の全ての人間が知っていた筈なのに誰も対処しない。誰も私を救ってくれない。そんな状況からの脱却と私を虐げた人間への復讐のため私は死んだ。それなのに、地獄行きだなんて……。
「人殺したら皆地獄行きだよ。当たり前でしょ」
「人なんて殺してません!?」
「は? 君自分が人じゃないと思ってたの?」
「……! それ、は」
「自殺は立派な罪。ましてや、君の環境は別の方法で脱却出来た。それなのに君は悲観的になって、挙げ句の果てに自殺?」
言葉が詰まって出て来ない。でも、今何かを言っても正論で潰される。一体私の死はなんだったんだろうか。なんで私は死んだんだろうか。いや、私は私を殺した?
「顔を上げて」
俯いてしまった顔を言われるがままに上げる。それに意思はない。神様だからなのか、この声を聞くと体が勝手に動く。
「そんな君に優しい俺から提案だ。君たちの時間で二週間、俺の補佐をしてくれたら、君の望む世界に生まれ変わらせてあげよう」
最後まで読んで頂きありがとうございます!
二話は、九時頃更新予定です。
できれば、ブクマしてくださったり、ポイント評価してくださったりしたら嬉しいです。
誤字脱字等も、お手数お掛けしまいますが、よろしければご指摘下さい。