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もし、死体狩り達が転た寝していたら?

一応、聖遺物の相棒は“正規”でない設定です。

(硝吸鎌の場合、紅葉じゃない等)


特に罅荊ちゃんの場合、優しさが分かり難いので、相棒が閏日では無かった場合の想定です_(._.)_

(閏日の場合……ね……)

詳しくは“アンデッド─undead─ 一部”の登場人物をご覧下さい!!

硝吸鎌(ショウキュウガマ)×死体狩り(一応、女)☆

 久し振りに現実に現れると、愛しい主が眠っていた。ただでさえ薄汚く、脂臭い空気の中、ボロボロのソファに体を預け、安らかに両目を閉ざしている。

 私は起こさないようにゆっくりと近付くと、そっと前髪を撫でる。サラサラして、非常に触り心地が良い。だがこのまま眠ってしまったら、間違い無く風邪をこじらせてしまうだろう。

 ふと良い事を思い付き、口角をにやりと吊り上げる。

「んっ──と」

 眠っている主を起こさぬように、そっと抱き上げて、膝の上に乗せる。幸い熟睡しているようで、生き人形のように動かない。

 彼女はこてんと私の胸に頭を預けると、静かに頬を擦り寄せる。

 愛しい瞬間。この一時の為に生を実感出来る。これが感じられないならば、永久の孤独に身を沈められているのと同じだ。

 私はそっと主の唇にキスを落とし、目を閉ざした。


          ─三十分後─


 どうやらこの薄汚い事務所の中で、一時の眠りを体験していたようだ。迂闊、迂闊……。

 そう思って重い目蓋を強引に開けると、自分の相棒の顔が間近にあった。有名な彫刻家が彫り起こしたような美しい顔立ちが、至近距離で存在する。

 思わず目を見開き、全身を固くさせると、うっすらと相棒の目が開く。

「お目覚めか?」

 そう言って、硬直して動けない私にキスを落とした。


            ─終─



罅荊(カケイ)×死体狩り(一応、女)☆

「爆睡……ですか……」

 自らの主が薄汚いソファの上で、体を丸めて眠っていた。

 只でさえ、どういう訳だか脂臭くて空気が悪いというのに……。こんな所で寝たら体に害だ。

 だからと言って、無理に起こすのも気が引けて、奥に仕舞い込んでいる毛布を引っ張り出して来た。この部屋に影響を受けてか、御世辞にも綺麗とは言い難い。でも風邪を引かれても困る。

 そう思い、毛布を片手に玄関へ。やることは勿論埃落としだ。何故仕舞われているのにも関わらず、このような事になっているのか……。

 丁寧にブラシまで掛け、ある程度納得出来るまで手入れした後、適当に主の体に被せる。まぁこんな所だろう。

 私は向かい側の椅子に座り、主の寝顔を観察する。毛布を掛けただけで起きる筈もなく、安らかな寝息を立てている。

 起きたら何をしよう。目覚めのハーブティー? それとも珈琲? まぁそれは後で考えよう。

   

           ─三十後─


 罅荊が寝ている……!! めっ……珍しい。基本的に何時もきびきび動いていて、事ある毎に小言の耐えない小姑みたいな罅荊が……!!

 私は対面の椅子に座り、肘掛けに文字通り肘を置く罅荊の姿を見て、勝手に感激していた。

 体に掛けられていた毛布をソファに置き、ささっと寝顔を見に移動。その動きはある意味溝鼠のようだったけれど……。

 そっと罅荊の顔に目を近付ける。それこそキス出来る程に。

 睫毛が長い。ボルドーの髪は普段見ている以上に艶々で、細かった。思った以上に綺麗な顔をしている。

 不意に睫毛が開き、鋭い瞳が私を捕らえる。

「おおおおおおおおお!!」

「んっ……。何しているのですか、貴方は」

 しかめ面ー。寝顔はあんなに綺麗なのに、今正に口煩い小姑に戻ったー。

 そうがっかりして、向かいのソファに戻ると、改めて体に掛けられていた毛布に気が付く。あれ、毛布なんか掛けていたかな……?

「ハーブティーと紅茶、どちらがお好みで?」

「ハーブティー」

「熱っぽさは?」

「特に」

 どうやら罅荊が気を使って毛布をかけてくれたらしい。……意外に良いとこあるじゃん。御茶淹れてくれる所とか、風邪の心配してくれる所とか。

 

             ─終─



滅籍(メツモリ)×死体狩り(一応、男)☆

 主様の寝顔…………!!

 私は感激していました。なんて言ったって、大好きな……愛して止まない主様の寝顔を拝見出来るだなんて……。生きていて良かったです。他の雌……いえ、女に見せる訳には詣りません。

 私は猫のように音を立てず、そっと主様の側に参りました。薄汚れた床に両膝を着き、ぐっと顔を近付けます。

 こうして見ると、色々な事が分かります。思った以上に睫毛が長く、下を向いている事とか、唇が赤く、ぽってりとしている事だとか……。

 思わず見惚れて寝顔を観察していると、眠りながらも体を震わせました。お寒いのでしょうか……ならば何か暖かいものを。生憎此処の事務所に暖房はありませんし……。どうしましょう……。

 そう考えてからふと、主様が引き出しの奥に、毛布を仕舞ってある事を思い出しました。

 私は早速引き出しを探り、毛布を見つけ出しました。ただ少し汚れてますね……。窓を開けたら冷気が入り込んでしまいますし……。

 暫く思案した後、私は毛布を片手に玄関で埃を落としました。後でお掃除しましょう。そう納得して綺麗になった毛布をそっと主様に掛け、微笑みました。

 出来れば添い寝して温めて差し上げたかったのですが……。狭いソファの上ですと無理ですし……。あぁでもこれがベッドの上でしたら……。無理ですね……創造したとしても、置く場所がありません。


           ─三十後─


「ん?」

「おはようございます。我が主様」

 満面の笑みで笑う滅籍…………。近い……近いですよ……滅籍……キスでもするつもりですか……?

 目が覚めると滅籍が俺の顔を眺めていた。それもとても楽しそうに……。

 俺はゆっくりと起き上がり、大口を開けて欠伸をする。そしてその時体に掛かった毛布に気付く。

「これ、お前がやってくれたのか?」

「はい!!」

 目を細め、花の咲いたような笑顔を浮かべて立ち上がる。膝を着いて見つめられていた時よりも、スタイルの良さが良く分かる。漆黒の修道服はメリハリのある体つきを良く表していた。

「私はずっと貴方のお側に……」


          ─終─

罅荊がここまでデレるのは三章です!!


でもこれよりもちょっと辛口かな……?


お楽しみに!!


シスター(滅籍)はヤンデレ設定です_(._.)_

(何時かそんな描写も書きたい……)

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