第一章 過去から来た者
過去…江戸時代で将軍の護衛をして、将軍をかばい死んでしまった斎藤宮ちゃん。
そんな宮ちゃんはこの平成時代で二度目の人生を送ることになった。
「そうか。ここは未来なのだな」
「うん。あ、宮ちゃんこれからどうすr「悠一~?ご飯よ~。あら?」あ、母さん!」
僕の母、美亜子が入ってきた。
「悠一の彼女?」
「ち、違うよ!えっと…」
どう言えばいいんだろう…。
「何か訳ありなの?」
「あ、うん」
「そう。二人とも下りてきて」
下に下りると夕食のいい匂いがした。宮ちゃんを隣に座らせると父の大和と、弟の愁一と妹の緑子が不思議そうに、宮ちゃんを見ている。
「で、その子は誰なの?」
「実は…」
僕は宮ちゃんのことを全部話した。
「そうか…。つまり、過去では宮ちゃんはもう死んでいるのか」
「戻る場所がないのね…。よし!宮ちゃんの家はここよ!」
「母さん、それって」
「えぇ。宮ちゃんはここで暮らすのよ」
「いいのか?私がいても」
「もちろんだ。いいよな?」
「うん。僕は悠兄の弟の愁一だよ。宮姉って呼ぶね」
「妹の緑子だよ。緑は宮姉ちゃんって呼ぶよ」
「皆…感謝する」
夕食が食べ終わり、宮ちゃんは緑子と風呂に入った。
その間に母さんが、僕の部屋の隣に宮ちゃんの部屋を作った。僕はその手伝いをしていた。
部屋の整理が終わった頃に宮ちゃんが風呂からあがった。
「宮ちゃん、その服どう?」
「ん~、少しでかいな」
「私のだからね」
宮ちゃんは、母さんが少し前に着ていた、花柄のパジャマを着ている。
「あ、ここが宮ちゃんの部屋よ。自由に使っていいわよ」
「いいのか?」
「えぇ。分からないことがあったら悠一に聞いてね。おやすみなさい」
「おやすみ」
僕も寝よう。
「悠一」
「ん?何?」
「おやすみ」
「うん。おやすみ」