天文学的確率をムダ遣いする男

かつてオリュンポスの神々がこの大地で傍若無人に君臨していた時代

強欲なる神々と対峙し、奪われた自由を取り戻す者たちがいた

産み育んできた恩を仇で返すその反逆に対し、大地の神ガイアは激昂し

永遠とも思える時間、無限の牢獄『クロノ』へと彼らを放り込んだ

死して新生してもなお、終わりの無い大罪を未来永劫に宿命づけられた者たち

烙印者『スティグマ』

だが烙印者たちの中で因果律を司る者『グラマトン』は

自らに秘めていた内なる力『アルスマグナ』を開放させた

神々の大地の重力より解放されし時

この銀河すべての因果律を自在に操ることができる

スキル『確率変動』

その力を発動させ、オリュンポスの神々の存在を葬り去り

更には傲慢なる全銀河の神々『アダマトロン』の魂をも貪り尽くした

その無惨な姿となった神々の様を息を殺して傍観していた

いや、傍観することしかできなかった

異界や異次元の神々から

彼はこう呼ばれていた

天文学的確率をムダ遣いする男……と