第六話:電話なんて緊張するじゃん!
第六話です!よろしくお願いいたします!
翌日、私は昼頃に目が覚めた。リビングに行くとお姉ちゃんがソファに座ってテレビを見ていたので私も隣に座って一緒にテレビを見ることにした。ちょうどやっていた番組は動物の赤ちゃん特集だった。可愛いなぁと思いながら見ているとお姉ちゃんが話しかけてきた。
「そういえばさ、三春はもうゆうまくんと電話した?昨日するって言ってたけど」
突然の質問に私は一瞬固まってしまったがすぐに気を取り直して答えた。
「ううん、まだだよ」
そう答えるとお姉ちゃんは不思議そうな顔で聞いてきた。
「そっか……じゃあ、今すぐ電話してみる?」
「えっ!?」
まさか今電話をかけることになるとは思ってなかったので私は驚いてしまった。確かに昨日するって言ったけど今?!
(でも、ゆうまくんの声聞きたいし……)と思って覚悟を決めてスマホを取り出した。そしてメッセージアプリを開いてゆうまくんに『電話してもいい?』と送るとすぐに既読がついて返信が来た。
(いいよ!)
という文字を見て私はすぐにゆうまくんに電話をかけた。
コール音が鳴り続けて十秒くらい経った頃、ゆうまくんの声が聞こえた。
「もしもし?」
ゆうまくんの声だ!すごく嬉しい!テンションが上がりすぎて変な声になってしまったかもしれない……
「あっ、ゆっゆうまくんだね!」
(どうしよう……噛んだ……!)
そんなことを考えているとゆうまくんのかは笑い声混じりの声が聞こえてきた。
「ふふっ、そうだよ」
笑われてしまったので少し恥ずかしかったけどそれよりももっと話したかったから聞いてみた。
「いきなり電話してごめんね!」
私が謝るとゆうまくんは優しい口調で答えてくれた。
「全然大丈夫だよ!むしろ嬉しいくらいだよ」
ゆうまくんが喜んでくれて良かった……!それに『嬉しい』って言われたのもすごく嬉しかったな……そう思いながら私は本題に入ることにした。
(よし、言うぞ……!)
私は深呼吸をしてから口を開いた。
「あのさ、ゆうまく……いやっ!なんでもない!また明日ね!」
ゆうまくんって呼ぼうとしたけど恥ずかしくて呼べなかったよ……うぅ……恥ずかしいなぁ……ゆうまくんって呼べる日が来るのかな?
「うん、また明日!」
私は電話を切った後、ソファーに倒れ込んで悶えていた。
「三春もっとアピールしなきゃだめじゃん」
お姉ちゃんが呆れたように言ってきた。
「うぅ……緊張するんだよ……」
私は顔を赤くして答えるとお姉ちゃんはやれやれと言った様子で首を横に振った後、私に話しかけてきた。
「まあ、ゆっくり頑張ってね」
そう言ってキッチンの方に歩いて行ったので私も立ち上がって洗面所に向かった。顔を洗ってすっきりした後、お昼を食べた。その後は自分の部屋で勉強をすることにした。
いつもと違って今日はやる気が出る。なぜなら今日はゆうまくんに電話できたから。それだけでもすごく嬉しい!
「三春、勉強進んでる?」
お姉ちゃんが部屋に入ってきて聞いてくる。
「妄想してばっかりでぜーんぜん進んでない…」
私がそう言うとお姉ちゃんは笑いながら言った。
「まあ、これが恋愛ってやつだもんね」
「ち…ちがうし!」
私が否定するとお姉ちゃんはさらに笑い始めた。
「はいはい、わかったわかった」
そう言って私の頭を撫でてきた。子供扱いされてるみたいで悔しかったけど嫌じゃなかったのでそのまま撫でられることにした。そして、しばらく無言の時間が過ぎていった。すると突然お姉ちゃんが口を開いた。
「ねえ、三春はゆうまくんのことどう思ってるの?」
突然の質問に私は固まってしまったけど正直に自分の気持ちを話した。
「優しいし面白いし……気になる人だけど恋愛とか好きとかまだよくわからない……まだ出会って1日だし。一目惚れとかじゃないと思ってる」
私が答えるとお姉ちゃんは『なるほどね』と呟いた後、微笑みながら私を見つめてきた。
「まぁ、少しずつ距離を縮めていけばいいと思うよ」
そう言われたので私は頷いて返事をした。それから勉強を終わらせてからリビングに行き晩ご飯を作り始めた。今日は私が自分で作ることにしていたからだ。私はがんばって料理を作っていったけどなかなか上手くいかない……野菜を切るのも大変だし火加減の調整とか難しかったのですごく苦戦したけどなんとかできたと思う……でも、味見してみたら美味しくなかった……
「みんなごめん……なんか美味しくない……」
私が謝るとお姉ちゃんとお母さんとお父さんは笑顔で答えてくれた。
「仕方ないよ、カレーは初めて作ったんだから」
そう言いながらも食べてくれているので嬉しかった。そして食べ終わった後はお風呂に入ったり歯磨きをしたりして寝る準備をしてからベッドに入った。
(ゆうまくんと電話できて良かったな……)お姉ちゃんにおやすみの挨拶をして眠りについた。
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