第四話:入学祝いの焼き肉パーティー
第四話です!いつもより少し長めです!
お腹いっぱいになった私たちはソファで横になり、ダラダラしていた。
「ねぇ、お母さん……」
私は横になりながらお母さんに話しかけた。
「どうしたの?」
私は体を起こして正座で座り直す。
「あの……うちのクラスにVTuberのアバターみたいな姿のゆうまくんっていう男の子がいたんだけどなんでだと思う?」
そう言うとお母さんは少し考えてから答えた。
「うーん…中学校の時不登校だったとかなのかね…」
「そっか……でもなんでうちの高校にいるんだろ……」
「それはわからないなぁ。ゆうまくんが同じクラスなのが嬉しいのはわかるけどあんまり詮索しないであげてね。」
「別に嬉しい訳じゃないし!」
私は少し恥ずかしくなってお母さんに反論した。
「はいはい、嬉しいのね」
そう言うとお母さんは立ち上がり、食器を片付け始めた。私も手伝おうとしたけど、『疲れたでしょ?ゆっくりしてて』と言われたのでソファでゴロゴロすることにした。
片付けが終わったのかお母さんがリビングに戻ってきたので今日のことを話そうとした時、玄関のドアが開く音がした。
「ただいまー!」
お姉ちゃんが帰ってきたみたいだ。
「おかえり、お姉ちゃん」
玄関に出迎えに行くと、靴を脱いでいる途中のお姉ちゃんと目が合った。
「三春ー!ただいま!」
そう言うと私に抱きついてきた。本当にお姉ちゃんはシスコンだと思う。私の事好きすぎでしょ……
「あーもう!やめてよ……」
そう言って引き離そうとするけど全然離れてくれないし余計に強く抱きしめられる。恥ずかしいからやめて欲しいんだけどなぁ……そんなことを思っているとお母さんが玄関にやってきた。
「あら、おかえり」
お母さんはそう言って私とお姉ちゃんを引き剥がす。
「三春に変なことしちゃダメでしょ」
「はーい……」
そんなやりとりをしてから私は二階にある自分の部屋に上がった。
そしてベッドに横になって今日のことを思い出していた。
(ゆうまくんってどんな子なんだろう……)
そんな事を思っていたら眠りについてしまった。
「三春、焼肉行くよ」
お母さんに起こされて目を開けると、窓の外は真っ暗で夜になっていた。私は慌てて飛び起きる。
「もーなんで起こしてくれなかったの……」
急いで支度をして車に乗り込む。その間ずっとお母さんは不機嫌そうだったけど何かしちゃったかな……?すごく不安になりながら車を走らせた。
お肉屋さんの前に着くと、既に会社からそのまま自転車で来ていたお父さんが待っていた。
「遅いぞ」
お父さんは少し怒り気味に言うけど全然怖くないんだよね……見た目は怖いけど中身は子供だし……なんて思ってるとお母さんに睨まれた気がしたので何も言わずに車から降りた。
「じゃあ行こっか」
お母さんがそう言うと四人でお店の中に入った。
店員さんが席まで案内してくれて、お父さんとお母さんはお酒とお肉をどんどん注文していった。
「三春も早く食べな」
お母さんは私にカルビやロースをお皿によそってくれた。
「ありがとー!」
私はすぐにお肉を食べ始めた。すごく美味しい!今まで食べたお肉の中で一番かもしれない!なんて思いながら食べているとあっという間になくなってしまった。もっと食べたかったけどもうお腹がパンパンなので我慢した。その代わりデザートにバニラアイスを食べたけどこれもすごく美味しかった!
「三春これ飲む?」
お姉ちゃんが新作のメロンソーダを持ってきてくれた。
「ありがとう!」
私はそれを受け取ってストローを咥える。甘みと炭酸の刺激が心地よくてすごく美味しい。
「あ、お姉ちゃんこれ美味しいよ」
メロンソーダをお姉ちゃんに渡して一口飲んでみるように言うとお姉ちゃんは嬉しそうに口をつけた。
「ほんとだ!おいしいね!」
そんなやりとりをしているとお母さんたちが笑っているのが見えたので恥ずかしくなったのでやめた。
しばらくするとお父さんがスマホを取り出して言った。
「ちょっとトイレ行ってくるわ」
お酒を飲みすぎて気分が悪いのか少し青い顔をしていた。
「一人で大丈夫?」
お母さんが心配そうに聞くとお父さんは『大丈夫』と言いながら立ち上がった。足元が少しふらついていて転びそうだったので私はお父さんを支えようとしたけど、逆に私の方が転んじゃった……でも、咄嗟にお父さんが支えてくれたおかげで怪我はしなかったけどすごく恥ずかしかったな……その後、ちゃんとトイレに行けたのか心配だったけどしばらくすると戻ってきたので安心した。
焼肉を食べ終わって家に着くとお姉ちゃんも私もすぐに寝てしまった。
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