第三話:お母さんの手料理
第三話です!よろしくお願いいたします
「三春ー!帰ろ!」
彩音が私の席まで来てくれた。
「うん、帰ろ」
私と彩音は学校を出て最寄り駅まで歩いている間、今日のことについて話していた。
あの制服も今日で見納めかーとか、中学卒業しちゃったなぁとかそんな話をしていたら電車が来たので二人で乗り込む。
「三春!この後ゲーセン行かない?」
「ごめん、私このあと用事あるから……」
「そっかー。じゃあまた今度遊ぼうね!」
彩音は電車を降りて帰っていった。少し寂しいけど仕方ないな……ごめんね。と思いながらもスマホを開いてお母さんにLINEする。
(お母さーん、駅に着いたよ)
すぐに返信が帰ってきた。
(おっけい。マクドナルドの前で待ってるね)
改札を出るとすぐにお母さんの姿を見つけることができた。
「三春ー!こっちよー!」
お母さんは私に気づいて手を振ってくれた。
「待った?」
私はそう聞くけど、だいたいの時間を伝えておいたので待っていたとしても10分ぐらいだろう。
「今来たところよ」
お母さんは微笑みながらそう言う。
「じゃあ、お買い物して帰ろっか」
お母さんは私が持っているバッグではなく私の手を掴んで歩く。
「ちょ、ちょっと恥ずかしいよ……」
そんな私を無視してお母さんはグイグイ手を引いて歩いていく。いつも強引なところあるんだよなぁ……でも嫌いじゃないけどね! スーパーで食材を買い終えた後、車に乗り込む。お母さんが運転している横で私はスマホをいじっているとあっという間に家に着いてしまったみたいだ。体感的には一瞬だったなぁ……まだ家に帰りたくないなぁ……なんて考えながら車から降りた。
「三春!お昼ご飯食べるでしょ?」
お母さんはドアを開けて私が車から降りるのを待ってくれている。私は走って車の横まで行く。
「うん、食べたい」
そう言って家の中に入るといい匂いが家の中に充満していた。
「夜は焼肉行くから食べすぎないようにね!」
「わかった!」
私はリビングのソファに座ってテレビを見ながらお母さんが作ってくれる料理を楽しみに待つ。
「おまたせ〜できたわよー」
お母さんがキッチンからお皿を持ってくる。テーブルの上は料理でいっぱいになっている。こんなに食べ切れるだろうか……いや、せっかく作ってくれたんだし全部食べる!そう心に誓って箸を取った。
「いただきまーす」
まず最初に手をつけたのは唐揚げだ。これがすごく美味しい!サクサクで中までしっかりと味が染み込んでいて最高だ。
次に白身魚のムニエルを食べてみる。すごく柔らかくて、魚が嫌いだった私もこれならたくさん食べられそうだ。
「どう?美味しい?」
「うん!すっごく美味しいよ!」
私がそう言うとお母さんも嬉しそうに微笑んでいる。
お母さんの料理はいつも美味しくて、中学の頃からずっと褒めていたらいつの間にか私の食生活のほぼ全てをコントロールされるようになった気がするなぁ……なんて思いながら私はひたすらに食べ続けた。
面白い、続きが気になると思ってくださった方はブックマーク、星五評価等で応援していただけるとありがたいです。
頑張って連載していく予定なので宜しくお願いします。
誤字脱字等ありましたら、ご報告くださると幸いです