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93.エルフの危機に現る英雄達。

「クソッ!!このままでは保たない!!」


ヴィクセンは頭を抱えていた、フェルシエが旅に出てから長い月日が流れたが帰って来ない、リュームの大森林に限界が迫っていた。



「大変です!!邪竜が……邪竜がここへ向かって来ます!!」


「何だと!?」


監視の報告にヴィクセンは驚愕する。



「すぐに、討伐隊を編成して邪竜を迎え撃つんだ……私も行く」


「わ、わかりました!」


「とうとうこの日が来てしまったか……」


ヴィクセンは覚悟を決める、そして討伐隊に加わる為準備に向かった。



◇ ◇ ◇ ◇



ーーギャアォォォォ!!ーー



巨大な邪竜が咆哮を上げる、それを見て満悦な表情を浮かべる者が上空に居た。



「準備に時間が掛かっちゃったけど、この日を迎えられるね」


それはアルフィリオ学園を恐怖に陥れた少年だった。

少年の隣には黒い羽が生えた美女が微笑んでいる。



「私も同胞が増えて嬉しいですわ」


「ミザリーもそう思うかい?」


「えぇ、新たな同胞"暴食"の誕生に心が躍ります。」


「だけどまだ未完全なんだよね、あともう少し魔力が必要だ」


「完全体へと進化するのは時間の問題です」


「これで後4体かぁ、先は長いなぁ」


「あら?どうやらお腹を空かしている様ですわ」


「あはは!食いしん坊だなぁ、それじゃあ美味しいエルフ達を食べさせてあげようか」


邪竜はエルフの里へと旅立つ、それを2人は笑顔で見送った。



◇ ◇ ◇ ◇



「まもなく邪竜が到着します!」


「魔法の詠唱を開始しろ!」


ヴィクセンの指示で里中のエルフ達が詠唱を始めた。



「ジョブスキル、精霊魔法師の力を見せてやる……」


ヴィクセンの周りに自然エネルギーが集まる、精霊魔法は精霊から力を借りる事で只の魔法とは比べものにならない威力を誇る、それは選ばれたエルフにしか使えないジョブスキルだった。



ーギャアォォォォ!!ーー



「来ます!!」


「放てぇぇ!!」


ヴィクセンの掛け声と共に数多の魔法が邪竜へと向かう。

そしてヴィクセンもその後に精霊魔法を放った。


緇霊の一撃(ガノーク・メイノーク)


火、水、土、風の自然エネルギーが合わさり凝縮される、とてつもない破壊力を秘めた掌サイズの球が他の魔法と共に邪竜へと直撃した。



「やったか!?」


徐々に煙が晴れる、だが邪竜は何事もなく空を飛んだままだった。



「ば、化け物がぁ!!」


ヴィクセンの額から冷や汗が滴る、最早手立てが無い。

邪竜の体から幾つもの瘴気を含んだ闇の魔法が放たれた、それは全てエルフの里へと向かって来る。



「皆!回避しろ!」


エルフ達は回避に専念するがその魔法は追尾型だった、回避できた者もいたが多くのエルフ達が闇魔法の餌食になる。


ーぐぁぁぁ!!ー


エルフ達は悶え苦しむ、純度の高い瘴気がエルフ達を蝕み徐々に体が腐敗して行く、このままではアンデットと化してしまうだろう。

だなそんな事はお構いなしに、邪竜は向かって来る。



「……ここまでか」


ヴィクセンは絶望する、それはエルフ全体に伝わり皆終わりゆくエルフの未来に涙を流す。

エルフの里に到着した邪竜の体から触手が伸びる、若い男のエルフを捕まえると口へと運ぶ。

それを見て皆顔を青ざめさせた、自分達も食べられるのかと。



「やめろぉぉぉ!!」


触手に捕まったエルフは悲痛の声を上げる。

涎を垂らした邪竜が口を開けた、だがその時……


ーウホッ!ー


突如現れたゴリラ型の魔物が邪竜の横っ面を殴る、邪竜は吹き飛び彼方の山に衝突した。


ゴリラの魔物はドラミングしながら武威を示す。

そして今度は大量のスライムが現れた。



「す、スライム!!」


皆攻撃に移ろうとする、だがその時聞き慣れた声が耳に入る。



「お父様!待って!」


声が聞こえた後に猛スピードで何かが迫って来る、それは魔導モーターに乗った男とフェルシエだった。



「お父様!!」


「フェルシエなのか……」


フェルシエはバイクから飛び降りると、ヴィクセンの元へと駆け出す、そして2人は抱き合い再会を喜ぶ。



「救世主を、アキラさんを連れて来ました」


「彼がそうなのか……?」


「ええ、とてもすごい方なんですよ」


そう言うとフェルシエは満面の笑みを浮かべた。

ヴィクセンはアキラの元へ駆け寄る。



「初めまして、私はエルフの里の長を務めているヴィクセンと申します、エルフの危機に参上していただき感謝します」


ヴィクセンは頭を深く下げた。



「いえ、お気になさらず、それよりすぐに負傷者を治療したいのですがよろしいでしょうか?」


「治療?……できるのですか?」


「できます、ライム!」


ミニライム達は負傷したエルフの元に向かい、【抽出】で瘴気を吸い取り【回復魔法/エクスヒール】で傷を回復させた。



「す、すごい……」


ヴィクセンは驚愕していた。



「アキラさんですから!」


フェルシエは誇らしげだ、アキラを褒められたら自分の事の様に嬉しくて堪らなかった。



「そろそろ戻って来ます」


ーギャアォォォォ!!ー


アキラの予想通り、食事を邪魔された怒りの邪竜がこちらへと戻って来る。



「ルージュ、シルヴィア、ムゲン、ロイズ、行くぞ」


残りの従者達も魔法陣から現れる。

本体のライムとデストもアキラの元へ戻る。



「……エルフの未来はまだ終わってない」


ヴィクセンは感動に震えていた、見ただけでわかる、アキラと従者達それぞれが英雄級の強さだという事を。



「皆、行くぞ!!」


アキラと従者達は邪竜へと対峙する為走り出す。




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