91.ルーティン
レベルアップのファンファーレが鳴る、レベルは49から一気に62に上がった。
[アナザースキル【悪鬼羅刹】を獲得しました]
【悪鬼羅刹】
・寿命が半減する代わりに、ステータスが2倍になる。
とんでもないスキルだった、正に諸刃の剣、使わない事を願いたい。
【ステータス】
筋力.6344
魔力.5751
知力.5809
技力.6014
防御.5553
俊敏.5962
ステータスもかなり上がっていた、今ジェイドと戦えば果たして勝てるのだろうか気になる。
[従者ライムの【回復魔法/ヒール】は【回復魔法/エクスヒール】へと進化しました]
【回復魔法/エクスヒール】
・対象を大回復させる
ライムは完全にヒーラーポジションを確立していた。
【ステータス】
筋力.3242
魔力.6552
知力.6139
技力.5296
防御.3210
俊敏.5345
[従者ルージュのスキル【投げナイフ】は【暗器】へと進化しました]
【暗器】
・左右の手から暗器を生み出し敵を攻撃する。
鎖や手裏剣などの暗器を作れるみたいだ、今後も奇襲戦法が得意なルージュは頼りになるな。
【ステータス】
筋力.5623
魔力.5001
知力.5167
技力.5833
防御.5266
俊敏.6891
「従者デストのスキル【ラッシュブレイク】は【超ラッシュブレイク】へと進化しました]
【超ラッシュブレイク】
・6連撃の強力なパンチを繰り出す、高確率で相手はダウンする。
デストは更に前衛特化になった、ダウン効果が狙えるスキルはありがたい。
【ステータス】
筋力.7002
魔力.4523
知力.4605
技力.5115
防御.6231
俊敏.5347
[従者シルヴィアはスキル【鋼生成】を獲得しました]
【鋼生成】
・生成した鋼を放つ事ができる。
シルヴィアは遠距離攻撃を覚えた、前衛と後衛両方こなせるオールラウンダーだ。
【ステータス】
筋力.6082
魔力.4944
知力.5168
技力.5703
防御.6899
俊敏.5905
[従者ムゲンは【弐刀無幻流/焔突き】を閃いた]
・2つの刀で強力な突きを放つ、その際火属性のダメージが加わる。
ムゲンの技は応用性が広い、スキル扱いではなく技扱いなのでスキル使用後のタイムラグが無い、なので皆のスキルの繋ぎとして欠かせない存在だ。
【ステータス】
筋力.6639
魔力.4234
知力.4305
技力.6933
防御.5956
俊敏.6108
【ロイズ】
新しく従者なに加わったロイズはシェリーと合わせるとデバフ効果が強い、強敵との戦いも楽になる筈だ。
【ステータス】
筋力.6321
魔力.5231
知力.5410
技力.6191
防御.6106
俊敏.6050
ステータスとスキルの確認も終え、今後の事を考える。
「……ここに住もう」
普通の人ならそんな事考えられないが、アキラはアナザースキル【瘴気耐性】を持っている為この程度の瘴気なら何ら問題無かった。
ーホウー
上空に避難していたフクが戻って来た。
「そういえばフクはここに居て大丈夫なのか?」
ーホウ?ー
フクは自分の体を確認しているが、特に大丈夫そうだった。
そうと決まれば木材や石材の調達に行かなければ。
近くにルテ村があったのでそこで調達しようと思い早速バイクで向かった。
2時間くらいかけてルテ村に着く。
建築屋から多くの木材、石材、道具、そして設計図を買い取った、それをアイテムボックスに入れる。
(食料や家具、食器も、買うか)
露店で肉を販売している男に声をかけ2キロの肉と井戸の水、道具屋で木製の食器を買った。
家具関連は街にしか置いて様なので後日買いに行こうと決める。
今日はもう遅いので宿に泊まり、早朝戻って家を作る事にした。
酒場で夕食を食べていると、冒険者の話し声が耳に入る。
ーあんな瘴気まみれじゃやっぱ無理だったわ。
ーおまえ見捨てられた地で魔物の素材を集めようとしてたのか?
ー手っ取り早いと思ってな。
ーほんとバカだな、生きて戻って来れた事が奇跡的だよ。
(あの場所だろうか?見捨てられた地と言うのか)
アキラが住もうとしている場所は見捨てられた地と呼ばれていた、誰も近寄らないなら都合が良かった、もう人と深く関わるつもりはないのだからだ。
翌日。
見捨てられた地へ戻ると早速従者達と設計図を見ながら家作りを始めた。
皆普通より遥かに知力や筋力が高い為仕事が早い、親方から建てられるのか?と心配されたが杞憂だった。
フクは買ってあげた豆を美味しそうに食べて見学していた、そんなフクはアキラの唯一の癒しになっていた。
家を建てている最中にやはり魔物がやって来る、片手間で倒しながら瞬く間に家が完成した。
従者達とハイタッチしながら喜ぶ。
何もしてないがフクも仲間に混ぜて欲しいのか、羽をちょこんと伸ばしハイタッチに加わった。
「今日は皆で家を建てたお祝いだ」
肉を取り出し火を焚きバーベキューをする。
見捨てられた地でバーベキューをする猛者達、ここにもし冒険者が来てこの光景を見てしまったら腰を抜かし逃げ出すだろう、やべぇ物を見たと言いながら。
「ムゲン、ロイズ、シェリーは食えるのか?」
ムゲンは骨だし、ロイズは甲冑、シェリーに至っては幽霊だ。
だが3人はグッドサインを出す、普通に食べれる様だ。
皆でワイワイしながら肉を食べる、肉に油が乗っていて美味い、また買いに行こう。
バーベキュー中も匂いに釣られてなのかわからないが、魔物がわんさかやって来る、その都度倒しているとある時を境にパッタリ来なくなった。
魔物も馬鹿じゃない、この連中を襲ったら逆に殺されると学習した様だ。
アンデット達はムゲンとロイズの存在が大きすぎて全く近寄って来ない、おそらく2人はアンデットの中でも最上位クラスなのだろう。
バーベキューも終わり、家に入り就寝する。
明日は家具を買いにミスラウェル聖皇国の領土にある、都市アザムステイズに行き、帰りにまた肉を買いに行こう。
翌日。
アザムステイズに着く。
「何だが皆暗い顔してんな」
アキラも人の事を言えないが、道行く人々の顔が暗かった。
家具屋へ入り食器棚やベッドなど家具一式を買った、そしてルテ村に寄りまた肉を買う。
「これでよしと……」
家に戻り家具を配置し終える、立派な家になった、久々に気分が高揚した。
「行くか」
そしてアキラはまた戦いに身を置く、見捨てられ地にいる魔物やアンデットを従者達と一緒に片っ端から葬って行った。
それを朝から晩までやる毎日、いつしかアキラ達の姿を見たら魔物とアンデット達は一目散に逃げて行く、それを追いかけ葬る姿はどちらが魔物かわからなくなる。
月日は流れ、いつもの様にルテ村で肉を買うと露店の男に話しかけられた。
「兄さんどこから来たんだい?」
「……見捨てられた地」
アキラはここで無視したら今後気まずくて、肉が買いづらいと思い仕方なく答えた。
男はキョトンとした後、爆笑していた。
「兄さんも冗談言うんだな、はいよ!おつりね」
おつりを貰い家へと戻る、留守番していたフクを撫でながら料理する。
こうしているとルクレリアや子供達との幸せだった日々を思い出す、そしてまた憎しみと怒りが沸き起こり戦闘に明け暮れるルーティンになっていた。
そんな日々を繰り返していたある日、寝ていると入り口の扉からのノック音が聞こえた。
ードンドンー
(……誰だ?)
魔物やアンデットが扉をノックする筈がない、警戒しながら扉を開ける。
すると綺麗な女性の姿が目に入る、女性は目を見開きその後頭を下げた。
「お願いします!我々をエルフをお救い下さい!」
(エルフ?)
女性はペンダントを外し、エルフ特有の尖った耳を見せた。
(……エルフだか何だか知らんが、俺はもう誰かと深く関わるのは辞めたんだ)
そしてアキラは言う。
「…………嫌だ、とっとと帰れ」
そして扉を閉め、鍵を掛けた。




