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74.一体どんな人?

「……北か」


曖昧な情報にフェルシエは途方に暮れる。

しらみ潰しに北にある都市や村に赴き、情報を探すしか方法はなかった。


月日は流れポポテ村にたどり着く。

いつもの様に似顔絵を見せながら情報を探していると、ドワーフが話しかけてきた。



「お嬢さん、ちょっとその似顔絵見せてくれ」


「どうぞ……」


「これアキラじゃろ?」


「知ってるんですか!?」


「あんな陳腐で面白い奴は忘れんわい」


ドワーフはアキラさんに世話になった様だ、過ごした時間は短かかったが気の良い人だったとか。



「どこに行ったか知りませんか?」


「んー、確か娯楽都市ゴールデンサーラーに遊びに行くとか言ってたな」


「ありがとうございます!」


フェルシエは踵を返して走り出す。



「何だったんだじゃ?」


そう言うとドワーフはポカンと佇んでいた。


4日かけて娯楽都市ゴールデンサーラーに着く。

いつもの様にフェルシエは酒場に行き手掛かりを探す、今回は情報が見つかるのが早かった。



「アキラか」


「知ってるんですか?」


刀を持った男に話を聞く。



「あぁ、あいつは俺が倒す」


「は、はぁ……」


刀を持った男はフェルシエの顔を見て、みるみる顔が何故か赤くなっていく。



「某は流浪の剣士、強き者との戦いに明け暮れている」


「あの、アキラさんの事を聞きたいのですが……」


「刀とは己を写す……明鏡止水が如く……」


ーーパコンッーー


後ろから誰かが刀を持った男の頭を叩いた。



「お姉さんが困ってるだろうが、ハヤテ」


「ヴェッジか、殺すぞ」


「はいはい、んでお姉さんアキラの事聞きたいの?」


話が通じそうな人が介入してフェルシエは安堵する。



「何かご存知ですか?」


「そんな事よりお姉さん遊ぼうよ!」


「へ?」


「いい雰囲気のバー知ってるんだよね」


槍を持った男は陽気に笑う。

この人も話が通じないのかとフェルシエは項垂れた。



「……ミランダファミリーの所に行け」


「げ!ジェイド!」


槍を持った男が白髪の男を見て、何故か拒否反応を起こしていた。

刀を持った男は相変わらず自分語りをしている。


フェルシエはこのカオスな状況に、白髪の男に礼を述べてから逃げ出す様にミランダファミリーの事務所へ向かった。



「アキラねぇ……」


そう言うとキセルを持った女性はキセルの灰を灰皿に落とす。

顔が怖い男の人達に囲まれてフェルシエは萎縮していた。



「す、す、す、すみません!」


「何を謝っとるんだい」


「すみません!」


「まぁいい、アキラの何を知りたい?」


「……何処に行ったかわかりませんか?」


「嬢ちゃん、よからぬ事を考えているなら兄貴の舎弟の俺が相手するぜ」


大男が指ポキしながら凄んでいる。



「ボルツ、引っ込んでな」


「す、すみません、姐さん」


「アキラを追ってんのは何故だい?」


「……依頼したい事がありまして」


「ふーん、まぁいい、私らと同じ匂いは感じないし悪党ではないだろう、アキラは商業都市ユルフォンに向かったよ、確か船で行くとか言ってたねぇ」


「あ、ありがとうございます!」


「アキラに会ったらよろしく伝えておいてくれ」


「わかりました!」


フェルシエは逃げる様に事務所を後にした。



「……アキラさんって、一体どんな人?」


人脈が広すぎて人物像が揺らぐ、優しいのかと思ったらこんな怖い人達とも関係がある事にフェルシエは混乱していた。






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