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73.人気者

学園都市ラクーリアへと着いたフェルシエは、アキラの情報を探す為に酒場に居た。



「アキラ?聞いた事ねぇな」


「……そうですか」


鉄の翼竜(アイアン・ワイバーン)から聞いた話しからして、あれ程の力を持つ者ならこの都市でも有名に違いないと思っていたフェルシエは、まさかの情報が無い事に肩を落とす。


夕方になりトボトボと宿屋へ戻る道を歩いていると……



「お嬢さんかい?アキラはんの事嗅ぎ回っとるんは?」


「……え?」


後ろを振り返ると虎柄の猫人(ケット・シー)が居た。



「何を嗅ぎ回っとるんや?」


「アキラさんをご存知何ですか!?」


「知ってるちゃあ知ってるが、アキラはんには義理があるさかいよからぬ事を考えてるなら、容赦せんでぇ?」


「……事情を話します、どこか2人で話せる所に行きませんか?」


フェルシエは自分がエルフという事を打ち明け様としていた、そうでもしなきゃ情報を教えて貰えそうにないからだ。



「……来な」


虎柄の猫人(ケット・シー)に商会の客室へと案内される。



「んで?何でアキラはんを探しとるんや?」


「……先ずは私の本当の姿をお見せします、どうか他言無用でお願いします」


そう言うとフェルシエは変化のペンダントを外した。



「な!?エルフ!?」


「はい、私はエルフです」


「……初めて見たで」


「実は……」


フェルシエはエルフの里の危機を話した、そしてそれを解決できるかもしれないのがアキラだと言う事も伝えた。



「……なるほどなぁ、確かにアキラはんならわからへんで」


「やっぱりそうなんですか?」


「結構前に事件が起きたんや」


「事件?」


「まぁその話はアルフィリオ学園の学園長ミネルヴァ婆さんの方が詳しいで、紹介状を書いてやるさかい尋ねてみなはれ」


「ありがとうございます」


手紙を貰い、ヒューマンの女に戻ってからフェルシエは商会を後にした。



そして翌日……



フェルシエはアルフィリオ学園の門の前に居た。

学園関係者に手紙を渡す、少しした後学園長室に案内される。

学園長室の扉をを開けると、そこには椅子に座ったお婆さんが居た。



「ふぇふぇふぇ、アキラの事を聞きたいらしいね?」


「はい、どうかお願いします」


「お嬢さんはエルフかい?」


「え!?」


「変化のペンダントはエルフが作ったから持っていても不思議ではないのぉ」


「……どうしてわかったんですか?まさか手紙に……」


「手紙には書いておらんよ」


学園長は手紙を渡す、確かにエルフの事は一切書かれてなかった。



「ふぇふぇふぇ、年の功と言うやつじゃよ」


「……そ、そうなんですか」


フェルシエはこのお婆さんは本当にヒューマンなのかと疑いかけた。



「それじゃあ早速この学園で何が起こったか話そうかのぉ」


そう言うと学園長は事件の内容を話し始めた。



「そんな事が起こったんですか!」


「アキラが居なければ今頃どうなっていたか」


「本当にすごい方なんですね……アキラさんは」


「あぁ、いい男じゃよあやつは」


お婆さんは微笑んだ。



「それでアキラさんはどこへ向かったかご存知ですか?」


「具体的な場所はわからんが、北へ行ってみると言ってたわい」


「……北ですか」


「聞きたい事は他にあるかの?」


「いえ、貴重なお時間をありがとうございました」


そう言いながらフェルシエは頭を下げた。



「アキラに会ったらよろしく伝えといてくれ」


フェルシエは頷き学園長室を後にした。

学園の廊下を歩いていると、3人の女の子が話し掛けて来た。



「ねぇ!あなたアキラの事を知ってるの!?」


「今どこに居るんですか!?」


「詳しく教えてください!」


「え?」


3人は詰め寄って来る。

フェルシエはたじろぎ懐に閉まっておいた、アキラの似顔絵を落としてしまった。



「この似顔絵アキラだ!」


「そっくりです!」


「似顔絵すごい上手ですね」


似顔絵を見て3人は姦しくなる。

フェルシエはアキラの居場所は知らなく、逆に探している事を伝えた。

それを聞いて3人は肩を落とす。



「これ……欲しいです」


「私も欲しいわ」


「私も!!ねぇお願い!同じの4枚描いて!」


「いいですけど……4枚?」


「もう1人あげたい人がいるの……」


少し時間がかかったが、フェルシエは4枚のアキラの絵を描き3人の女の子にあげた。

3人は嬉しそうにしながら立ち去る。



「……アキラさんは人気者ですね」


手掛かりを追うごとにアキラの人柄が見えてくる、きっといい人なんだろう。


そんな人ならエルフの里を救って貰えるはず、フェルシエは希望を胸に北へと向かった。






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