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幕間.記憶の断片

「ジェイド!私と勝負しろ!」


「誰だおまえ?」


「私はガーネット!おまえを倒す者だ!」


世間知らずだった私は、無謀にも豪剣のジェイドに挑んだ。

若気の至りというやつか、負け知らずだった私は調子に乗っていたようだ。



ーーバキッドコッボキッーー



「……うぅ」


「ジェイドおじさん!やりすぎだよ!」


「だがなリュコ、こういう輩は後腐れがない様徹底的にやった方がいいものなんだ」


「もお!屁理屈言わない!」


「……すまん」


案の定私は打ちのめされた、それからというもの私はジェイドに挑み続けた。



「まーたおまえか」


「今度こそ勝つ!」


「何回目だよ、いい加減懲りろよ、アホなのか?」


何度も何度も挑んだ、そんなある日……



「……今日も負けた」


いつもと変わらず私はジェイドに負け、地面に転がっていた。


ーーぐぅぅぅぅぅーー


お腹が鳴り、私は恥ずかしくて顔を赤くする。



「ガーネットお姉ちゃんも今日一緒にご飯食べよ!」


「そんな奴ほっとけ、リュコ」


「もう!そんな事言わないの!」


ジェイドが連れているリュコと言う娘に、半ば強引に酒場に連れて行かれた。



「ガーネットお姉ちゃん、そんなに急いで食べたら喉詰まらせるよ!」


「……まるで豚だな」


「……モグモグ、なんひゃお!モグモグ」


「ガーネットお姉ちゃんも食べるか喋るかどっちかにしないと」


リュコが私を見て笑うと、ジェイドも少し笑った様な気がした。

それから私は自然とジェイド達と共に行動する様になった。



「ガーネット!そっち任せたぞ!」


「任せろ!」


ジェイドと共に幾つもの戦場を渡り歩いた、いつしか私は豪剣のジェイドの相棒、"風脚のガーネット"と異名で呼ばれる様にまでなった。



「リュコ、留守番頼むな、しっかり鍵かけとくんだぞ」


「今日もガッツリ稼いで来るぜ!」


「ジェイドおじさんも、ガーネットお姉ちゃんも気をつけてね」


リュコを宿に置いて、今日もジェイドと共に私は戦場に赴く。

そして難無く仕事は終わり宿へ戻る、その日からだ、楽しかった日々が唐突に終わったのは……



「リュコ、戻った……ぞ」


「ん?どうしたジェイド?」


「鍵が空いている……」


部屋に入ると、中は荒らされリュコの姿は無かった。

私は慌てて宿の店主を探す、店主は殺され物置きに隠されていた。


それから部屋の中央には手紙が一通置いてあった。



ーー娘を返して欲しければ、豪剣のジェイド1人でケマラ山の麓まで来いーー



「……行ってくる」


「わ、私も行く!」


「ダメだ、バレたらリュコにもしもの事があるかもしれない」


「……クソッ」


「安心しろ、すぐに戻る」


ジェイドは私を置いて部屋を後にした。

それからジェイドは何日経っても戻って来なかった。


帰りを待つのをやめて私は手掛かりを探し始めた、攫われたリュコを奪還すればジェイドもきっと戻って来ると信じて。

長い長い月日は流れた、でも手掛かりは一向に見つからなかった。



ー依頼したい事がある、報酬として情報を教えようー


ある男がリュコの情報を知っていると名乗り出てきた、あまりいい噂を聞かない男だが私にはそれしか望みは無かった。


私は男の元へ向かう、きっとあの楽しかった頃に戻れると自分に言い聞かせ、希望の灯火を絶やさない様に。




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