68.準決勝ジェイドvsヴェッジ
アキラは決勝戦に進出、次の試合ジェイドvsヴェッジを観戦する為ミランダと一緒に観客席に居た。
「やったな!アキラ!」
「何とか勝てました」
「まさか魔法まで使えるとはな」
「最後まで取っておきたかったんですけどね、ハヤテは強敵でした」
「全く、ヒヤヒヤしたぞあれには」
「俺も死ぬかと思いましたよ」
ーー第二試合の準備が整いましたぁ!ーー
「どうやら始まるみたいだな」
「えぇ……」
◇ ◇ ◇ ◇
「皆様お待たせしましたー!それでは第二試合を始めまーす!」
ーーウワァァァァァ!!ーー
「先ずはジェイド選手の入場です!」
ジェイドはフィールドへ上がる。
「続いてはヴェッジ選手の入場です!」
ヴェッジはアクロバティックにフィールドへ上がる。
「それでは参りましょう、試合開始ぃ!」
ーーウワァァァァァ!!ーー
「大怪我しない内に棄権した方がいい」
ジェイドは今回も大剣を抜かない様だ。
「その油断が命取りになるよ」
ヴェッジは槍を構えた。
そしてジェイドの元へと駆け出す。
ーーおおっと!早速ヴェッジ選手が動きました!先手必勝になるかぁ!ーー
小手調べに槍を連続で突き出した、ジェイドは何食わぬ顔で全ての突きを最小限の動きで回避した。
暫しの間ヴェッジの連続突きとそれを回避するジェイドの展開が続いた。
フェイクの連続突きの中に本命のスキル【螺天画戟】を発動する、ゼロ距離から手首の回転を入れ、螺旋を描いた強力な刺突がジェイドに迫るが……
「……こんなものか」
「な、何だと!?」
ジェイドはそれさえも見切り、半身で交わしながらヴェッジの槍の柄を掴んだ。
そして槍を掴んだまま黒虎掏心をヴェッジの腹目掛けて放つ、強力で重いボディブローをくらいヴェッジの口から胃液が出た。
「まだ終わらんぞ」
続け様に三日月蹴りをヴェッジの脇腹目掛けて放つ、ヴェッジは真横に吹飛びながらそのまま転がってしまう。
ーーラルフ選手にも引けを取らない体術の数々!流石伝説の傭兵だー!ーー
だがヴェッジは槍を支えにして立ち上がった。
「……なんて重たい拳と蹴りだよ」
「ほう、立てるのか、根性あるじゃねぇか」
「まだまだぁ!!」
ヴェッジは走り出す、スキル【蛇矛】を放つ、槍をしならせて変幻自在の動きの突きがジェイドに迫る。
そしてとうとうジェイドが大剣を抜いた……
「これで終わりにしてやる」
ーーガァァァァァンッーー
迫り来る槍に大剣を振るう、見事に槍は折れてしまった。
「……………」
ヴェッジは固まったまま動かない。
「……おい、ただ大剣を振っただけだぞ」
「……なんて奴だ」
アキラとミランダは驚愕していた、いやその場にいる誰もが静まり返った。
フィールドにできた斬撃の深い傷跡、そしてそこからひび割れポロポロと小石が零れ落ちている。
ジェイドは体術は一流、大剣士としてはもはや化け物クラス、そしてラルフの攻撃を何事もなく受けきるタフさ、これぞ正に伝説の傭兵と謳われる強さだ。
「……降参する」
ヴェッジは折れた槍を持ちながら俯く。
「おまえはまだまだ強くなる、また勝負したくなったら来な」
ジェイドはそう言うと選手控室に戻っていった。
ーーけ、決勝進出はジェイド選手に決まりましたぁ!!ーー
ーーウワァァァァァ!!ーー
明日は決勝戦、アキラはまだ力の半分以下も出していないジェイドを見て頭を抱えた。




