65.四回戦
「それでは4回戦の選手紹介をしまーす!」
ヴェッジの試合だ、あの腕前ならあまり心配はいらなだろう。
「先ずはCブロックを勝ち抜いたリコシュ選手の紹介です!リコシュ選手はカエリアファミリーの専属選手、ムチを使った攻撃はまるで女王様!一部の男達に絶大な人気を誇る女闘士だぁ!」
リコシュは優雅にフィールドへ上がる。
ーー俺のケツを叩いてくれー!!
ーーその足を舐めさせくれー!!
歓声に紛れて性癖を暴露している男の声が聞こえたが、聞かなかった事にした。
「続いてはBブロックを勝ち抜いたヴェッジ選手!ヴェッジ選手は一般参加の修行中の槍使い、その突きをくらった者は蜂の巣にされる!陽気な性格と愛くるしい笑顔に歳上の女性からの人気が急上昇中だー!」
ヴェッジはアクロバティックにフィールドに躍り出る。
ーーヴェッジちゃーん!
ーー私の養子になってぇー!!
どちらもアイドルみたいな人気だ。
「それでは試合開始ぃ!」
ーーウワァァァァァ!ーー
ヴェッジは槍を構え、リコシュはムチで地面を叩く。
「かわいい坊やね、悪戯しちゃおうかしら」
「痛いのは嫌だね」
リコシュはムチを放つ、まるで蛇の様に唸りながらヴェッジに襲い掛かる。
ヴェッジは槍でムチを弾いたりアクロバティックな動きで回避する、不規則なムチの動きを完全に見切っていた。
「いつまで耐えれるかしら?」
リコシュはスキル【毒蛇】を発動する、敵にダメージが入る度に麻痺毒が蓄積していき動けなくなる、いかにもリコシュらしいスキルだ。
「そのムチなんかヤバそうな色になったね、俺も少しだけ力を出すか」
ヴェッジはスキル【回転演舞】を発動する、槍を高速に回転させて敵の武器にぶつける事で武器破壊の効果を持つ。
そして徐々にリコシュのムチが削れていく。
「チッ、武器破壊か」
「ご名答」
ーーお互い一歩も引かない試合に私も興奮が最高潮に達しています!ーー
「ならこれならどうだい」
リコシュはもう1つムチを取り出す、2つのムチがヴェッジに迫る。
同じ動きをしないムチがまるで生きている様だ、簡単そうに見えるが普通なら絡まって扱いきれないだろう、リコシュも相当な実力者だ。
「へぇ、すごいね」
「減らず口を!」
ヴェッジの動体視力に驚かされる、2つのムチを的確に対処していた。
まるで脳が2つありそれぞれ別々の思考をしている様だ。
「んー、じゃあもう少し本気を出すよ」
ヴェッジは2つのムチを弾き、距離を取った。
何かが来ると思いリコシュも警戒する。
そして腰を落とし槍を引いた、スキル【猪突猛進】を発動する、引いた槍を思いきり突き出す。
ーーブンッーー
槍の音が遅れて聞こえて来る。
「 ……何もないではないk@☆a」
言い切る前にリコシュは後方に吹き飛びそのまま壁に減り込んだ。
凝縮された槍の風圧が腹に当たりリコシュを吹き飛ばしたのだ、近接戦しかできないと思っていたリコシュは思わぬ攻撃に対応できなかった。
ーー何という攻撃だぁ!これぞ槍の使い手ヴェッジとでも言うのかぁ!ーー
壁に減り込んだリコシュは気絶している、どうやら勝負は決まった様だ。
ヴェッジは観客席にニッコリ笑いながらピースしている、それを見たマダム達の顔が蕩けていた。
ーー4回戦勝者はヴェッジ選手に決まりました!ーー
運営が壁に減り込んだリコシュを丁寧に剥がしている。
こうしてヴェッジの準決勝進出が決まった、ヴェッジはジェイドと対戦する果たして大丈夫なのだろうか。




