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58.どうしてこうなった。

「うぉぉぉぉ!行け4番!そこだぁぁぁ!!」


ゴードンと別れ、アキラは娯楽都市ゴールデンサーラーに居た。

ゴールデンサーラーは世界で1番金が飛び交う都市と言われている、競馬やスロットマシーン、コロシアムなど他にも様々な賭け事が集まる都市だ。


アキラは馬券を握りしめ、観客席から前のめりに4番の馬を応援していた。

4番の馬は現在2位だ、最終レーンで火事場の馬鹿力を出し1位の馬と差を縮めている。

そしてゴール直前に4番の馬は1位に躍り出て、そのままゴールした。



「うぉっしゃぁぁぁ!!良くやったぁぁ!!」


「兄ちゃんも4番に賭けたのか!!」


「おっちゃんもか!?やったな!」


アキラは見ず知らずのおじさんと、肩を組みながら勝った喜びを分かち合っている。

そのまま酒場でおじさんと祝杯を上げ、ほろ酔いで次は何で遊ぼうかと考えながら道を歩いていると……



ーー待ちやがれ!!


ーークソガキゃぁぁ!!



路地裏から怒鳴り声が聞こえ誰か走って来る。



「兄貴!!助けてくれ!!」


「え、誰!?」


そう言いながら少年はアキラの背に隠れた、アキラは唐突な出来事に困惑する。

そして強面の2人のおっさんがアキラの元に近づいて来た。



「……てめぇ、そいつの兄貴か?」


「え?何の事?」


「兄貴ぃ……助けて」


「落とし前つけて貰わんとなぁ、コラ」


強面の2人はメンチを切りながらアキラを囲み、1人がアキラの胸ぐらを掴んだ。



「え、ちょっとやめてくださいよ!!」


アキラは掴まれた胸ぐらを引き離そうとする、その時横にいたもう1人のおっさんの脇腹に、アキラの肘がクリーンヒットする。

おっさんは、ぐぉぉ!!と言いながらその場に蹲った。



「やってくれたなぁ!!兄ちゃん!!」


「事故ですって!!」


「兄ちゃんこのまま逃げたら指名手配やな……」


「指名手配!?」


自由気ままに生きたいアキラに、指名手配で追われる日常は酷だ。



「おい!お前も何とか言えよ!……あれ!?」


アキラは背に隠れた少年を探すが、少年はどさくさに紛れてとっくにトンズラしていた。



「さて、ちょっと事務所まで来てもらおうかぁ?」


「いやぁぁぁ!!」


アキラは引きずられる様に、おっさん2人に連れ去られた。



ーーどうしてこうなったーー



アキラは椅子に座りながら縄で縛られ、強面のおっさん達にメンチを切られながら囲まれていた。

事務所に案内されたと思ったら、奥の倉庫に連れてかれ気づいたらこの状況だ。

周りを見渡したらドラム缶や凝固剤らしき物もあり、最悪の展開を思い浮かべた。


暫くして誰かが倉庫に入って来る。



「お前さんかい?ウチの借金を踏み倒そうとした輩は?」


真っ赤な髪と頬には切り傷、そして真っ黒なドレスを着てキセルを咥えたいかにも"姐さん"と呼ばれていそうな妖艶な女性がアキラの前へやって来た。



ーー姐さん!!ご苦労様です!!



強面のおっさん達は揃ってお辞儀をする、案の定やっぱり姐さんだった。



「何か言いたい事はあるかい?」


「俺は関係ないです!!」


「濡れ衣だとしても運が悪かったと思うんだね、私は金が戻ってきたらそれでいい、金貨20枚払って貰おうか?」


「……ポケットの中に競馬で買った金が……あれ?」


ここはもう先に払うしかないと思い競馬で勝った金があると言おうとするが、ポケットの中に物が入ってない感覚を今更感じ取る。



「…………あのクソガキぃぃ!!」


少年はトンズラする前にちゃっかり金を盗んでいたのだ。



「で?返せるのかい?」


「……返せないです」


「さて、どうしてくれようかねぇ」


姐さんと呼ばれる女性の目が鋭くなり、アキラは肝を冷やした。



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