43.異質な少年
「あはは!お婆ちゃんなかなかやるね!」
少年は笑顔で闇魔法ダークネスブロウを放つ。
ミネルヴァは困惑していた、この少年は一体いくつの適正属性を有してるのかと。
(火、風、水、土、雷、氷そして次は闇魔法じゃと?なんじゃこやつは……)
雷魔法でダークネスブロウを相殺しながらミネルヴァは考え込む。
ミネルヴァが知る限り、オルフェン帝国に居るジョブスキル【賢者】を持つレブロンでさえ5属性迄しか使えない。
だがこの少年はそれを大きく上回る7属性を使い、しかも少年が言っていた"魔法縛り"から察するに、魔法使いが本職ではない事が伺えた。
ミネルヴァは異質すぎる少年を見据える。
「あれれ?もうネタ切れ?」
「……お主何者じゃ?」
「教えるわけないじゃん、あ、奈落の闇から取り寄せたとっておきの魔物もやられちゃったやぁ」
「いいから答えよ!!」
「てか、時間稼ぎがバレバレだよ」
少年は背後から迫る【炎槍】を回避する。
「……ちッ、いいから死んどけ」
宮廷魔術師団のローブを着て銀髪をウルフヘアーにした男が、腕組みをしながら少年を睨んでいた。
「遅いぞ、ジール」
「これでも急いで来たんだ、怒るな婆さん」
「2対1は卑怯だぞぉ!!」
「黙れ、それでも余裕ぶっこいてんじゃねぇか」
「まぁ、確かに余裕だけど、飽きたしもうそろそろ帰るよ」
「あぁ?逃がすと思ってんのか?」
「逃げれると思うよ、とっておきの魔法も発動させたし」
少年は上を指差す。
「……な!隕石!?」
「古代魔法【隕石落下】じゃと……?」
「じゃあバイバイ!また遊ぼうね!」
そう言うと少年は消えた。
「そして時空魔法……あやつの存在は見過ごせんわい」
「婆さんそれより何とかしねぇと!!」
「ジールよ力を貸せ、あの隕石をかき消すぞ」
ミネルヴァは詠唱を始める、ジールもそれに続く。
「裁きの雷」
「落ちる太陽」
凝縮した電流が隕石を砕く、そして灼熱が砕けた隕石を溶かしていく。
「ふぇふぇふぇ、何とかなったのぉ」
「それより婆さん、学園は大丈夫なのか!?イヴはどうした!?」
「落ち着くのじゃジール、強力なスケットが既に終わらせておる、どうやら結界も消えたようじゃし、ワシらも戻るとするかい」
ミネルヴァとジールは地上へ戻って行った。




