4.男だったらやるっきゃねぇだろ!(ガクブル)
アキラは空腹だったため食料を探す事にした。
キノコや木の実小川には小魚がいたが、果たして食べて良い物かわからない。
毒がある食べ物を口にして御陀仏では笑えない。
どうしたものかと考えているとライムが動き出す。
体面から触手が伸びる。
キノコや木の実を拾い集め仕分けし始めた。
仕分けが終わると、片方を差し出す。
「……これ食べていいのか?」
アキラの問いにライムはプルプルと震えた。
木の実を口にすると甘酸っぱくて美味しかった。
毒も無さそうだ。
小魚も獲りライムに食べれるか聞くとまたプルプルと震え出す、食べられる様だ。
食事を終えると、食料の問題解決に安堵する。
次に考えた事はレベルを上げる事だ。
この樹海で弱いままだと敵とエンカウントした時にすぐ殺されてしまう事は、容易に想像がつく。
(角ゴリラは運良く撒けたが、次もそんな幸運があるはずが無い)
そう思うと心は途端に焦ってくる。
アキラはロングソードを手に取り勝てそうな敵を探しに行くのであった。
◇ ◇ ◇ ◇
あれから4日が過ぎた。
周りを警戒しながら樹海を徘徊していた。
スライム10匹、ゴブリン5体、ウルフ2匹を4日間で倒しレベルは5になった。
道中空き瓶を拾ったので着ていたインナーを破り端切れをライターオイルで浸す、空き瓶をオイルで満たし即席火炎瓶を作った。
この火炎瓶は切り札だ、どうしようもない時は足止めにくらいはなってくれるだろう。
ステータスも軒並み少しずつだか上がっていてやり甲斐を感じ少し楽しくなっている。
そして1番嬉しかったのはアナザースキルを覚えたことだ。
覚えたスキルは"鑑定"だった。
鑑定は敵のステータスや物を調べる事ができる、とんでも便利スキルだった。
これで格上との戦いをより避けられるだろう。
アキラが成長したからか、ライムも軒並みステータスが上がっていた。
倒した敵は使役していない、異空の城は容量があるため倒した分だけ使役したらすぐ容量がオーバーするだろう。
低級モンスターではなくもう少し強いモンスターを使役する事にする、鑑定を使いつつレベルが同等か少し上の敵を倒し使役する事にした。
しばらく歩いているとゴブリンを見つける。
今まで倒したゴブリンとは少し違っていた、普通のゴブリンは緑色だったが、そこに居たのは赤色だった。
鑑定を使いステータスを見てみる。
個体名 なし
種族 ゴブリン(ユニーク)
筋力.123
魔力.81
知力.72
技力.164
防御.106
俊敏.170
【スキル】
•ステルス
•急所突き
(クソ強ぇぇーー!!)
額に一雫の冷や汗が流れる。
魔力と知力以外負けている。
だが赤ゴブリンにはまだ気づかれていなかった。
これはチャンスだと思い、アキラはライムに指示を出す。
アキラの考えた作戦は赤ゴブリンにライムを発見させ、ライムがこちらに逃げて来た時に草葉の影からロングソードで一太刀のライム頼りでなんともお粗末な作戦だった。
従順なライムは赤ゴブリンの前に立ちはだかった。