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29.夏だ!

「えー、夏休みはくれぐれも怪我や事故に巻き込まれない様に気をつけてください」


全校集会が終わり、明日から夏休みだ、だいたいは帰省する人学校に残る人に別れる。

リノア、ルル、アイリス、キーラは教室に集まっていた。


「合宿に行くわよ!」


「え?皆帰んなくていいの?」


「私は、夏休みの後半に帰るので、前半は大丈夫です!」


「私もルルと同じよ、きっとリノアは家に帰っても堅苦しいだけだから、少しでも私達と居たいのよ」


図星のリノアは目を逸らした。



「私も別にいいよ、特に予定もないし」


ここ最近は魔法漬けだったので、息抜きもたまにはいいかなとキーラは考えた。



「それじゃあ、決まりね!海に行くわよ!」


(それ合宿じゃなくて、遊びに行くんじゃ?)


キーラはリノアに怒られそうなので口には出さなかった。



ーーそして3日後



「きゃっほー!!」


キーラ達は浜辺に居た、皆でお小遣いを出し合って少し浜辺からは離れてるが、2泊3日で手頃な値段の旅館に泊まる、皆お嬢様家系だからお金を使いたい放題だと思ったが、自立心を養うため決められた金額しか両親から送金されないらしい。



「リノアさん冷たいです!」


「ルルなんかこうよ!」


「あらあら、2人とも元気ね」


「2人ともお子様だなぁ」


リノアとルルは海に浮き輪を浮かべながら戯れあっていた。

アイリスとキーラは優雅に日光浴だ。


各々が好きな事して夏を楽しむ。

穴場の海岸なのかキーラ達の他には人は居ない、貸し切り状態だった。



(それにしてもほんとすごい胸だな、アイリスって)


仰向けになっても胸の膨らみが主張していた。



「あら?私の胸を見て何考えてるのかしら?」


アイリスは視線に気づいてクスクスと笑っていた。

キーラは視線を逸らしなんでもないと顔を赤らめる。


あっという間に楽しい時間は過ぎ、夕方前の時間になる。



「そろそろ旅館へ向うわよ!」


リノアを主導に皆片付けをし旅館へ向かう、しばらく歩くと集落に着いた。



「ここね!」


「なかなか歴史がありそうです!」


「田舎って感じね」


「まぁ私達の小遣いじゃあこんなもんだよ」


旅館はなかなかボロかったが、豪華絢爛より逆にこっちの方が好みだった。



「いらっしゃいませ、お疲れでしょう、こちらへどうぞ」


店主の案内で部屋に案内される、部屋の中は割と綺麗だった。風通しも良く静かで鈴虫の音色が心地よい。



「なかなかこういうのも悪くないわね!」


「お腹すきましたぁ」


「皆で一緒に寝ましょ」


(興奮で寝れるかな、俺……)


風呂系は1人用のシャワーしかないのが救いだった、流石に皆でお風呂に入るのは心が抉られる。


しばらくゆっくりした後は、各々シャワーを浴び晩飯の時間だ。



「お待たせしました、こちらが今日のディナーになります」


旅館といえば日本酒に刺身や味噌汁お米といった和食を想像するが、ここは異世界だ、がっつり酒場で出てくる様なメニューでキーラは少し萎えていた。



「このベーコン美味しい!」


「あぁ!リノアさんそれ私の!」


「みんな慌てて食べないの」


「まぁ、料理はこれはこれでありだな、てか、皆元気すぎ」


料理に舌鼓を打つ、海から戻っても全くテンションが変わらない事に若さを感じていた。

食事は終わり、店主が布団を並べ退室した。

それを見計らってどの世界でも定番なのか、恒例のあの行事が行われる。



「ルル隙あり!どりゃあ!」


「あう……お返しです!ひゃあいっ!」


「えい!あぁ私の枕!」


「くらえ!サブマリン投法!」


「きゃあ!キーラ何すんのよ!」


「リノアざまぁ!!」


「ムキャーーッ!!」


枕が宙を飛び交う、枕投げ大会は疲れ果てるまで投げつつげ自然にお開きになった。


「そろそろ寝ましょうか」


「ええ、そうですね」


リノアはドワーフ王国で輝鉱石を応用して作られた灯りを消す。

するとさっきまで部屋は昼のように明るかったのに、一瞬で暗くなった。

雲に隠れていた月が見え、月明りが照らされ4人の寝顔が見える。



(んー、ちょっとトイレ)


キーラは眠たい体を起こし厠へ向かう。



(えーと、突き当たりを右ね……あれ?……)


ーードサッ


異変を感じた直後キーラは前のめりに倒れた。
































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